*〇新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。) 〇重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症
【警告】
- 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉
- 1.1*本剤は重症感染症診療体制が整備され、緊急時に十分な措置が可能な医療機関において、本剤について十分な知識をもつ医師のもと、入院管理下で投与すること。
- 〈効能共通〉
-
1.2動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
-
1.3*妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。
-
1.4*治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉
- 1.5本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性
-
2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- *〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉
通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。
- 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉
通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与する。総投与期間は10日間とすること。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
- 8.1*肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は肝機能検査を実施し、観察を十分に行うこと。
- 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉
-
8.2抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。 なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。
-
8.3細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合及び細菌感染症が疑われる場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者
血中尿酸値が上昇し、痛風発作があらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1*重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスC)
投与は推奨されない。本剤投与の可否はリスクとベネフィットを考慮して慎重に判断すること。本剤の曝露量が著しく増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
- 9.3.2*軽度及び中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスA及びB)
投与開始前にリスクを十分に検討し、慎重に投与すること。本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1*妊娠する可能性のある女性
投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、臨床曝露量と同程度又は下回る用量で初期胚の致死(ラット)及び催奇形性(サル、マウス、ラット及びウサギ)が認められている1),2) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の主代謝物である水酸化体がヒト母乳中へ移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。動物実験において、幼若イヌ[8週齢]に1ヵ月間投与した試験では、若齢イヌ[7~8ヵ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められている。幼若動物(ラット[6日齢]及びイヌ[8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維の萎縮及び空胞化、心乳頭筋の変性/壊死及び鉱質沈着などが認められている3) 。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
- 本剤は主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により代謝される。また、AO及びチトクロームP-450(CYP)2C8を阻害する4),5) 。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ピラジナミド | 血中尿酸値が上昇する。 ピラジナミド1.5g 1日1回、本剤1200mg/400mg 1日2回が投与されたとき、血中尿酸値は、ピラジナミド単独投与時及び本剤併用投与時でそれぞれ11.6mg/dL及び13.9mg/dLであった。 |
腎尿細管における尿酸の再吸収を相加的に促進させる。 |
| *CYP2C8で代謝される薬剤 • レパグリニド • 等 |
左記薬剤の血中濃度が上昇し、左記薬剤の副作用が発現するおそれがある。 | CYP2C8を阻害することにより、左記薬剤の血中濃度を上昇させる。 |
| テオフィリン6) | 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。 | XOを介した相互作用により、本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる。 |
| ファムシクロビル スリンダク |
これらの薬剤の効果を減弱させるおそれがある。 | 本剤がAOを阻害する4) ことにより、これらの薬剤の活性化体の血中濃度を低下させることが考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 1%未満 |
| ALT増加 | 頻度不明 |
| AST増加 | 頻度不明 |
| γ-GTP増加 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| リンパ節症 | 頻度不明 |
| 上室性期外収縮 | 頻度不明 |
| 下痢(4.5%) | 頻度不明 |
| 十二指腸潰瘍 | 頻度不明 |
| 単球数増加 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭痛 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 喘息 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 1%未満 |
| 回転性めまい | 頻度不明 |
| 好中球数減少 | 頻度不明 |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 1%未満 |
| 尿中血陽性 | 頻度不明 |
| 心室性期外収縮 | 頻度不明 |
| 心電図QT延長 | 頻度不明 |
| 心電図ST-T部分異常 | 頻度不明 |
| 心電図T波逆転 | 頻度不明 |
| 悪心 | 1%未満 |
| 扁桃腺ポリープ | 頻度不明 |
| 挫傷 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 痛風注1) | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球数増加 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 眼痛 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 網状赤血球数減少 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 頻度不明 |
| 蜂巣炎 | 頻度不明 |
| 血中ALP増加 | 頻度不明 |
| 血中CK増加 | 頻度不明 |
| 血中カリウム減少 | 頻度不明 |
| 血中トリグリセリド増加 | 頻度不明 |
| 血中ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| 血中尿酸増加(7.0%)注1) | 頻度不明 |
| 血便排泄 | 頻度不明 |
| 誤嚥性肺炎 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 鼻咽頭炎 | 頻度不明 |
| 鼻炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
*細胞内でリボシル三リン酸体(ファビピラビルRTP)に代謝され、ファビピラビルRTPがインフルエンザウイルスや重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている17),18) 。ヒト由来DNAポリメラーゼα、β及びγに対して、ファビピラビルRTP(1000μmol/L)は、αへの阻害作用は示さず、βに対して9.1〜13.5%、γに対して11.7〜41.2%の阻害作用を示した。また、ファビピラビルRTPのヒト由来RNAポリメラーゼⅡに対する阻害作用(IC50値)は、905μmol/Lであった19) 。
18.2 * In vitro抗ウイルス活性
A型及びB型インフルエンザウイルス実験室株に対するEC50値は、0.014〜0.55μg/mLであり、抗ウイルス活性を示した。 アダマンタン(アマンタジン及びリマンタジン)、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む季節性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は、それぞれ0.03〜0.94μg/mL及び0.09〜0.83μg/mLであった。 豚由来A型及び高病原性株を含む鳥由来A型(H5N1、H7N9株を含む)をはじめとするA型インフルエンザウイルス(アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む)に対するEC50値は、0.06〜3.53μg/mLであった。 アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル全てに耐性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は0.09〜0.47μg/mLであり、交差耐性を示さなかった19),20) 。 SFTSウイルスの各種臨床分離株(J1型、J2型、J3型、C3型、C4型及びC5型)に対して抗ウイルス活性を示し、EC90値は14.83~38.73μmol/L(2.33~6.08μg/mL)、EC99値は48.20~79.40μmol/L(7.57~12.47μg/mL)であった。
18.3 *動物モデルにおける治療効果
インフルエンザウイルスA(H7N9)、A(H1N1)pdm09及びA(H3N2)によるマウス感染モデルにおいて、60mg/kg/日以下の5日間経口投与により肺内ウイルス量を低下させた21),22),23) 。 インフルエンザウイルスA(H3N2)及びA(H5N1)によるマウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の5日間経口投与により治療効果を示した19),23) 。 また、インフルエンザウイルスA(H3N2)による重症複合型免疫不全マウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の14日間の経口投与により治療効果を示した24) 。 SFTSウイルスによるマウス感染モデルにおいて、120mg/kg/日及び200mg/kg/日の5日間経口投与により、生存率及び体重変化を指標とする治療効果を示し、血中ウイルス RNA量を低下させた25) 。
18.4 *耐性
ファビピラビル存在下で30代まで継代したA型インフルエンザウイルスのファビピラビルに対する感受性に変化はなく、耐性ウイルスは選択されなかった19) 。なお、国際共同第Ⅲ相試験をはじめとする臨床試験において、本剤耐性インフルエンザウイルスの出現状況に関する情報は得られていない。 ファビピラビル存在下で10代まで継代したSFTSウイルスにおいて、ファビピラビルに対する感受性の低下は観察されず、耐性ウイルスは選択されなかった。なお、国内第Ⅲ相試験において、本剤耐性SFTSウイルスの出現状況に関する情報は得られていない。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与(1600mg/600mg BID)
健康成人8例に本剤を1日目は1回1600mgを1日2 回、2日目から6日目は1回600mgを1日2回(6日目は1回のみ)経口投与(1600mg/600mg BID)したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
| 投与方法 | 例数 | Cmax注2) (μg/mL) |
AUC注2),注3) (μg・hr/mL) |
Tmax注4) (hr) |
t1/2注5) (hr) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1600mg/600mg BID |
1日目 | 8 | 64.56 [17.2] |
446.09 [28.1] |
1.5 [0.75,4] |
4.8±1.1 |
| 6日目 | 8 | 64.69 [24.1] |
553.98 [31.2] |
1.5 [0.75,2] |
5.6±2.3 |
注2)幾何平均[変動係数%]
注3)1日目はAUC0-∞、6日目はAUCτ
注4)中央値[最小値, 最大値]
注5)平均値±標準偏差
図1 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
- 16.1.2*反復投与(1800mg/800mg BID)
健康成人8例に本剤を1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から22日目は1回800mgを1日2回(22日目は1回のみ)経口投与(1800mg/800mg BID)したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった9) 。
| 投与方法 | 例数 | Cmax注6) (μg/mL) |
AUC注6),注7) (μg・hr/mL) |
Tmax注8) (hr) |
t1/2注9) (hr) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1800mg/800mg BID |
1日目 | 8注10) | 65.06 [22.7] |
724.56 [47.1] |
1.5 [1,4] |
7.5±2.7 |
| 12日目 | 7 | 104.08 [21.3] |
966.41 [23.9] |
1.5 [0.5,2] |
17.6±7.4 | |
| 22日目 | 7 | 100.39 [21.3] |
932.44 [24.6] |
1.5 [0.75,2] |
8.1±2.6 |
注6)幾何平均[変動係数%]
注7)1日目はAUCinf、12日目及び22日目はAUCτ
注8)中央値[最小値, 最大値]
注9)平均値±標準偏差
注10)1日目のファビピラビルの消失相が明確でない1例のAUC、t1/2は算出しなかった
図2 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
- 16.1.3アルデヒドオキシダーゼ活性が低いと考えられる者
アルデヒドオキシダーゼ(AO)活性がほとんどないと考えられる健康成人1例に本剤を7日間反復経口投与[本剤を1日目初回は1200mg、1日目2回目は400mg、2日目から6日目は1回400mgを1日2回、7日目は400mgを1回投与]注11) したとき、投与1日目及び投与7日目の未変化体のAUCの推定値は、それぞれ1452.73μg・hr/mL及び1324.09μg・hr/mLであった10) 。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人15例にクロスオーバー法により本剤1200mgを空腹時及び食後に単回経口投与注11) したところ、本剤の空腹時に対する食後投与のCmax及びAUCの幾何平均の比[90%信頼区間]は、それぞれ0.908[0.826,0.998]及び0.963[0.888,1.044]であり、比の90%信頼区間はあらかじめ定めた範囲内(0.80~1.25)であった11) 。
16.3 分布
- 16.3.1精液への分布
健康成人男性20例に本剤を1日目は1回1200 mgを1日2回、2日目から5日目は1回800 mgを1日2回経口投与(1200mg/800 mg BID)注11) したときの本剤の精液中濃度(幾何平均)は投与3日目及び投与終了後2日目でそれぞれ18.341μg/mL及び0.053μg/mLであり、投与終了後7日目にはすべての被験者で定量下限(0.02μg/mL)未満となった12) 。また、精液/血漿中濃度比(平均値)は投与3日目及び投与終了後2日目でそれぞれ0.53及び0.45であった(外国人データ)。
- 16.3.2血清蛋白結合率
本剤のヒト血清蛋白結合率は、0.3~30μg/mLの濃度において、53.4~54.4%であった(in vitro、遠心限外濾過法)。
- 16.3.3動物でのデータ
サルに14C-ファビピラビルを単回経口投与したとき、各組織に広く移行した。各組織の放射能濃度は投与後0.5時間に最高値を示した後、血漿中放射能濃度と平行した推移を示した。投与後0.5時間の肺内放射能濃度の血漿中濃度比は0.51であり、投与後、呼吸器系組織に速やかに移行した。また、投与後0.5時間の腎臓中放射能濃度は血漿中よりも高く、血漿中濃度比は2.66であった。骨を除く各組織の放射能濃度は、投与後24時間までに最高濃度の2.8%以下に低下した13) 。
16.4 代謝
本剤はチトクロームP-450(CYP)で代謝されず、主にAO、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により水酸化体に代謝された。ヒト肝サイトゾルを用いて本剤の代謝を検討した結果、水酸化体の生成は3.98~47.6pmol/mg protein/minであり、AO活性には最大で12倍の個体間差が認められた4) 。また、水酸化体以外の代謝物として、ヒト血漿中及び尿中にグルクロン酸抱合体が認められた。
16.5 排泄
本剤は主に水酸化体として尿中に排泄され、未変化体はわずかであった。健康成人6例に本剤を7日間反復経口投与[本剤を1日目初回は1200mg、1日目2回目は400mg、2日目から6日目は1回400mgを1日2回、7日目は400mgを1回投与]注11) したときの最終投与後48時間までの未変化体及び水酸化体の累積尿中排泄率は、それぞれ0.8%及び53.1%であった10) 。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
軽度及び中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスA及びB、各6例)に、本剤を1日目は1回1200mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1200mg/800mg BID)注11) したとき、投与5日目のCmax及びAUCは、健康成人に同様の用法及び用量で投与した場合と比べて、軽度肝機能障害患者ではそれぞれ約1.6倍及び約1.7倍、中等度肝機能障害患者ではそれぞれ約1.4倍及び約1.8倍であった。 重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスC、4例)に、本剤を1日目は1回800mgを1日2回、2日目から3日目は1回400mgを1日2回経口投与(800mg/400mg BID)注11) したとき、投与3日目のCmax及びAUCは、健康成人に同様の用法及び用量で投与した場合と比べて、それぞれ約2.1倍及び約6.3倍であった(外国人データ)14) 。
- 16.6.2腎機能障害患者
軽度、中等度及び重度腎機能障害患者(CLcr:60~89mL/min、30~59mL/min及び30mL/min未満の透析していない患者、各4例)に、本剤1800mgを単回経口投与注11) したとき、Cmax及びAUCinfは、本剤1800mgを単回経口投与した健康成人と比べて、軽度腎機能障害患者ではそれぞれ約1.0倍及び約1.2倍、中等度腎機能障害患者ではいずれも約0.9倍、重度腎機能障害患者ではそれぞれ約1.0倍及び約1.2倍であった。 本剤の代謝物である水酸化体のCmax及びAUCinfは、本剤1800mgを単回経口投与した健康成人と比べて、軽度腎機能障害患者ではそれぞれ約1.1倍及び約1.2倍、中等度腎機能障害患者ではそれぞれ約1.6倍及び約2.2倍、重度腎機能障害患者ではそれぞれ約2.5倍及び約6.5倍であった(外国人データ)15) 。
注11)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」又は「1日目は1回1800mgを 1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与」
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1*非臨床薬物相互作用試験
本剤はAO活性を不可逆的に阻害した4) 。また、CYP2C8、CYP3A、OAT1、OAT3、MATE1及びMATE2-Kを阻害した。
- 16.7.2*臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験の結果は次のとおりであった。
| 併用薬剤 及び用量 |
本剤の用量 | 例数 | 投与時期 | 本剤の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間] (併用投与/単独投与) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | ||||
| テオフィリン6) 1~9日目に200mg 1日2回、10日目に200mg 1日1回 |
6日目に600mg 1日2回、7~10日目に600mg 1日1回 | 10 | 6日目 | 1.33 [1.19,1.48] |
1.27 [1.15,1.40] |
| 7日目 | 1.03 [0.92,1.15] |
1.17 [1.04,1.31] |
|||
| オセルタミビル16) 1~5日目に75mg 1日2回、6日目に75mg 1日1回 |
5日目に600mg 1日2回、6日目に600mg 1日1回 | 10 | 6日目 | 0.98 [0.87,1.10] |
1.01 [0.91,1.11] |
| ラロキシフェン 1~3日目に60mg 1日1回注12) |
1日目に1200mg 1日2回、2日目に800mg 1日2回、3日目に800mg 1日1回 | 17 | 1日目 | 1.00 [0.90,1.10] |
1.03 [0.95,1.12] |
| 3日目 | 0.90 [0.81,0.99] |
0.85 [0.79,0.93] |
|||
| ヒドララジン 1、5日目に5mg 1日1回 |
1日目初回に1200mg、2回目に400mg、2~4日目に400mg 1日2回、5日目に400mg 1日1回 | 14 | 1日目 | 0.99 [0.92,1.06] |
0.99 [0.92,1.07] |
| 5日目 | 0.96 [0.89,1.04] |
1.04 [0.96,1.12] |
| 併用薬剤 及び用量 |
本剤の用量 | 例数 | 投与時期 | 併用薬剤の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間] (併用投与/単独投与) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | ||||
| テオフィリン6) 1~9日目に200mg 1日2回、10日目に200mg 1日1回 |
6日目に600mg 1日2回、7~10日目に600mg 1日1回 | 10 | 7日目 | 0.93 [0.85,1.01] |
0.92 [0.87,0.97] |
| 10日目 | 0.99 [0.94,1.04] |
0.97 [0.91,1.03] |
|||
| オセルタミビル16) 1~5日目に75mg 1日2回、6日目に75mg 1日1回 |
5日目に600mg 1日2回、6日目に600mg 1日1回 | 10 | 6日目 | 1.10 [1.06,1.15] |
1.14 [1.10,1.18] |
| アセトアミノフェン 1、5日目に650mg 1日1回注12) |
1日目に1200mg 1日2回、2~4日目に800mg 1日2回、5日目に800mg 1日1回 | 28 | 1日目 | 1.03 [0.93,1.14] |
1.16 [1.08,1.25] |
| 5日目 | 1.08 [0.96,1.22] |
1.14 [1.04,1.26] |
|||
| ノルエチンドロン/エチニルエストラジオール配合剤 1~5日目に1mg/0.035mg 1日1回注12) |
1日目に1200mg 1日2回、2~4日目に800mg 1日2回、5日目に800mg 1日1回 | 25 | 12日目注13) | 1.23 [1.16,1.30] |
1.47 [1.42,1.52] |
| 12日目注14) | 1.48 [1.42,1.54] |
1.43 [1.39,1.47] |
|||
| レパグリニド 13日目に0.5mg 1日1回注12) |
1日目に1200mg 1日2回、2~4日目に800mg 1日2回、5日目に800mg 1日1回 | 17 | 13日目 | 1.28 [1.16,1.41] |
1.52 [1.37,1.68] |
| ヒドララジン 1、5日目に5mg 1日1回 |
1日目初回に1200mg、2回目に400mg、2~4日目に400mg 1日2回、5日目に400mg 1日1回 | 14 | 1日目 | 0.73 [0.67,0.81] |
0.87 [0.78,0.97] |
| 5日目 | 0.79 [0.71,0.88] |
0.91 [0.82,1.01] |
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| トリアゾラム 1、4日目に0.25mg 1日1回 |
3日目に1800mg 1日2回、4日目に800mg 1日2回 | 12 | 4日目 | 1.12 [0.89,1.42] |
1.01 [0.91,1.11] |
| メトホルミン 1、4日目に250mg 1日1回 |
3日目に1800mg 1日2回、4日目に800mg 1日2回 | 12 | 4日目 | 0.96 [0.87,1.07] |
1.01 [0.94,1.09] |
注12)外国人データ
注13)ノルエチンドロン
注14)エチニルエストラジオール