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アネレム静注用50mg

レミマゾラムベシル酸塩

添付文書改訂 2025年11月01日

【警告】

  • *〈消化器内視鏡診療時の鎮静〉
  1. 1.1本剤を投与する場合は、患者の呼吸状態、循環動態等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な医療施設でのみ用いること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  3. 2.3重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させることがある。]

  4. 2.4ショックの患者、昏睡の患者、バイタルサインの抑制がみられる急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制、低血圧を増強させることがある。]

効能・効果

  • 全身麻酔の導入及び維持

  • *消化器内視鏡診療時の鎮静

用法・用量

  • 〈全身麻酔の導入及び維持〉

  • 〈導入〉

通常、成人には、レミマゾラムとして12mg/kg/時の速度で、患者の全身状態を観察しながら、意識消失が得られるまで静脈内へ持続注入する。なお、患者の年齢、状態に応じて投与速度を適宜減速すること。

  • 〈維持〉

通常、成人には、レミマゾラムとして1mg/kg/時の速度で静脈内への持続注入を開始し、適切な麻酔深度が維持できるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を適宜調節するが、上限は2mg/kg/時とする。なお、患者の年齢、状態に応じて投与開始速度を適宜減速すること。 覚醒徴候が認められた場合は、最大0.2mg/kgを静脈内投与してもよい。

  • *〈消化器内視鏡診療時の鎮静〉

通常、成人には、レミマゾラムとして3mgを、15秒以上かけて静脈内投与する。効果が不十分な場合は、少なくとも2分以上の間隔を空けて、1mgずつ15秒以上かけて静脈内投与する。なお、患者の年齢、体重等を考慮し、適切な鎮静深度が得られるよう、投与量を適宜減量する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1必要に応じてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を手もとに準備しておくことが望ましい。

  2. 8.2本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に注意すること。

  • 〈全身麻酔の導入及び維持〉
  1. 8.3本剤投与中は、適切な麻酔深度が得られるよう、脳波やバイタルサインのモニタリング等により患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節すること。麻酔深度が深すぎると、覚醒遅延が発現する可能性があることから、麻酔深度は手術に必要な最低限の深さにとどめること。

  2. 8.4本剤投与中は、呼吸抑制、低血圧、徐脈等が発現する可能性があることから、気道確保、酸素投与等を行った上で、バイタルサインの変動に注意し、呼吸・循環に対する観察・対応を怠らないこと。また、手術後は患者が完全に回復するまで管理下に置き、呼吸・循環の管理に注意すること。

  • 〈消化器内視鏡診療時の鎮静〉
  1. 8.5*本剤の投与に際しては消化器内視鏡診療時の鎮静における患者管理に熟練した医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備しておくこと。

  2. 8.6*消化器内視鏡検査・処置を行う医師とは別に、意識状態、呼吸状態、循環動態等の全身状態を観察できる医療従事者をおいて、経皮的動脈血酸素飽和度、呼吸数、心拍数(脈拍数)、血圧等をモニタリングすることに加え、可能であれば心電図、呼気終末二酸化炭素濃度もモニタリングするなど、十分に注意して、検査・処置中の患者を観察すること。

  3. 8.7*本剤と鎮痛薬若しくは他の鎮静薬との併用時、又は他の鎮静薬へ切り替える場合には、循環動態及び呼吸状態への作用が増強し、副作用があらわれやすくなるおそれがあるため、十分注意すること。

  4. 8.8*検査・処置後は全身状態をモニタリングし、基本的運動・平衡機能の回復等に基づき帰宅可能と判断できるまで患者を管理下に置くこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1ASA分類Ⅲ以上の患者

投与速度の減速、投与量の減量を考慮するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。鎮静作用の増強や低血圧等の副作用があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2薬物依存の既往歴のある患者

依存性を生じやすい。

  1. 9.1.3脳に器質的障害のある患者

投与速度の減速、投与量の減量を考慮するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。鎮静作用が強くあらわれるおそれがある。

  • 〈消化器内視鏡診療時の鎮静〉
  1. 9.1.4*上気道閉塞に関連する疾患(高度の肥満症、小顎症、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群等)を有する患者

気道閉塞を起こしやすく、マスク換気や気管挿管による気道確保の操作が困難である。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害患者(Child Pugh分類C)

投与速度の減速、投与量の減量を考慮するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の代謝が遅延し、作用が強く又は長くあらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、以下のようなリスクがあることを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  • 妊娠中の女性に他のベンゾジアゼピン系薬剤を投与したとき、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学調査報告がある。

  • 妊娠後期の女性にベンゾジアゼピン系薬剤を投与したとき、新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  • 分娩前に連用した場合、出産後、新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

  1. 9.5.2動物実験(ラット)で14C-レミマゾラムベシル酸塩を単回急速静脈内投与したときの胎仔血液及び胎仔全体の放射能濃度は、投与後5分においてそれぞれ母動物血漿の0.07及び0.05倍であり、投与後48時間では投与後5分の1%未満となった1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット及びウサギ)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度の減速、投与量の減量を考慮するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により、鎮静作用の増強や低血圧、徐脈等の副作用があらわれるおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*中枢神経抑制剤
• 麻酔・鎮静剤• プロポフォール
デクスメデトミジン
ケタミン
セボフルラン等
• 麻薬性鎮痛剤• レミフェンタニル等
• 抗不安剤等• ヒドロキシジン等局所麻酔剤
• リドカイン等アルコール(飲酒)
血圧低下や覚醒遅延を起こすおそれがある。
併用する場合には、投与速度を減速又は投与量を減量するなど慎重に投与すること。
ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ジスキネジー 1%未満
下痢 1%未満
倦怠感 頻度不明
傾眠 頻度不明
口腔咽頭痛 1%未満
嘔吐 頻度不明
心室期外収縮 1%未満
心窩部不快感 1%未満
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
流涎過多 1%未満
浮動性めまい 1%未満
激越 頻度不明
第二度房室ブロック 1%未満
紅斑 1%未満
腹痛 1%未満
薬効延長 頻度不明
血中ビリルビン増加 1%未満
血圧上昇 1%未満
譫妄 1%未満
頭痛 頻度不明
頭部不快感 1%未満
高血圧 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レミマゾラムは、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位を介して、主要な抑制性神経伝達物質であるGABAのGABAA受容体への結合を促進させることで鎮静作用を示すと考えられる。

18.2 GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に対する結合親和性

レミマゾラムは、ラット脳GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に高い親和性を示す(Ki値=26.3nmol/L)7)(in vitro)。

18.3 鎮静作用

レミマゾラムは、マウス、ラット、ミニブタ及びサルにおいて用量依存的な鎮静作用を示す11),12),13),14)。レミマゾラムの主代謝物(加水分解物)の鎮静作用はレミマゾラムの約1/200(ラット)であり、薬理学的に不活性である15)。また、本剤による鎮静作用は、ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤であるフルマゼニルにより拮抗される(ラット及びヒト)16),17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人健康成人男性(30例:5例6群)に本剤を0.05~0.5mg/kgを1分間かけて単回静脈内投与したときのレミマゾラムの血漿中濃度推移及び薬物動態(PK)パラメータは以下のとおりであった2)。

投与量
(mg/kg)
Cmax
(ng/mL)
AUCinf
(ng・h/mL)
t1/2
(min)
CL
(L/min/kg)
Vss
(L/kg)
0.05
(N=5)
654
(138)
49.6
(2.7)
39
(8)
0.0168
(0.0009)
0.507
(0.123)
0.1
(N=5)
1620
(210)
120
(9)
52
(13)
0.0140
(0.0011)
0.480
(0.090)
0.2
(N=5)
3260
(550)
199
(34)
52
(9)
0.0171
(0.0025)
0.516
(0.058)
0.3
(N=5)
4190
(520)
255
(23)
48
(8)
0.0198
(0.0017)
0.580
(0.094)
0.4
(N=5)
6000
(1700)
365
(47)
45
(7)
0.0185
(0.0023)
0.533
(0.085)
0.5
(N=5)
6960
(1210)
452
(55)
53
(9)
0.0187
(0.0025)
0.573
(0.080)

平均値(標準偏差) ノンコンパートメント解析、PK解析対象集団

16.3 分布

In vitro限外ろ過法を用いた14C-レミマゾラムのヒト血清タンパク結合率は約92%であり、主にアルブミンに結合している3)(in vitro)。14C-レミマゾラム(添加濃度1~10μg/mL)のヒト血球移行率は、7.5%~11.7%であった4)(in vitro)。

16.4 代謝

レミマゾラムは、主に肝臓のカルボキシルエステラーゼによって速やかに加水分解され代謝される5),6)。

16.5 排泄

日本人健康成人男性5例に本剤0.2又は0.3mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与後24時間までに未変化体は尿中から検出されず、主代謝物として80%以上が尿中に排泄された2)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1高齢者

日本人健康高齢男性5例[中央値66.0歳(65~73歳)]及び非高齢男性5例[中央値21.0歳(20~40歳)]に本剤0.1mg/kgを1分間かけて単回静脈内投与したときの血漿中レミマゾラムの体内動態に、高齢男性と非高齢男性において差は認められなかった2)。

Cmax
(ng/mL)
AUCinf
(ng・h/mL)
t1/2
(min)
CL
(L/min/kg)
Vss
(L/kg)
高齢
(N=5)
1590
(580)
104
(19)
47
(12)
0.0164
(0.0030)
0.473
(0.093)
非高齢
(N=5)
1620
(210)
120
(9)
52
(13)
0.0140
(0.0011)
0.480
(0.090)

平均値(標準偏差) ノンコンパートメント解析、PK解析対象集団

  1. 16.6.2肝機能障害患者

中等度及び高度の肝機能障害(Child Pugh分類B及びC)患者及び健康成人に本剤0.1mg/kgを1分間かけて単回静脈内投与したときの血漿中レミマゾラムのPKパラメータは以下のとおりであった。T1/2及びVssは肝機能障害の重症度が高いほど延長又は増加した。中等度肝機能障害患者と健康成人のAUCinfは同様であったが、高度肝機能障害患者では健康成人に対してAUCinfが増加した8)(外国人データ)。

Cmax
(ng/mL)
AUCinf
(ng・h/mL)
t1/2
(min)
CL
(L/min/kg)
Vss
(L/kg)
健康成人
(N=8)
2690
(404)
132
(26.5)
43.1
(12.8)
0.0131
(0.00308)
0.329
(0.0985)
中等度肝機能障害患者
(N=8)
1670
(621)
111
(29.7)
57.4
(12.5)
0.0161
(0.00478)
0.652
(0.298)
高度肝機能障害患者
(N=3)
1650
(234)
171
(20.9)
109
(36.0)
0.00987
(0.00114)
1.01
(0.438)

平均値(標準偏差) PK解析対象集団

  1. 16.6.3腎機能障害患者

末期腎不全患者(eGFR30未満)、及び腎機能正常者(eGFR80以上)に本剤1.5mgを単回静脈内投与したとき、血漿中レミマゾラムのPKパラメータに顕著な違いは認められなかった9)(外国人データ)。

Cmax
(ng/mL)
AUCinf
(ng・h/mL)
t1/2
(h)
CL
(L/h)
Vz
(L)
腎機能正常者
(N=10)
60.1
(35.4)
13.6
(1.9)
0.40
(0.05)
112.2
(13.9)
65.4
(13.1)
末期腎不全患者
(N=8)
57.7
(12.2)
13.1
(3.7)
0.40
(0.23)
123.0
(36.7)
63.1
(24.7)

平均値(標準偏差) PK解析対象集団