Clinical snapshot

アネメトロ点滴静注液500mg

メトロニダゾール

添付文書改訂 2025年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2脳、脊髄に器質的疾患のある患者(化膿性髄膜炎及び脳膿瘍の患者を除く)[中枢神経系症状があらわれることがある。]

  3. 2.3妊娠3ヵ月以内の女性(有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く)

効能・効果

  • 嫌気性菌感染症

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属

  • 〈適応症〉

  • 敗血症

  • 深在性皮膚感染症

  • 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染

  • 骨髄炎

  • 肺炎、肺膿瘍、膿胸

  • 骨盤内炎症性疾患

  • 腹膜炎、腹腔内膿瘍

  • 胆嚢炎、肝膿瘍

  • 化膿性髄膜炎

  • 脳膿瘍

  • 感染性腸炎

  • 〈適応菌種〉

本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル

  • 〈適応症〉

感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)

  • アメーバ赤痢

用法・用量

  • ○成人

  • 通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回500mgを1日4回投与できる。

  • ○小児**

  • 〈嫌気性菌感染症、感染性腸炎〉

通常、小児にはメトロニダゾールとして1回7.5mg/kgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回10mg/kgまで増量でき、また、1日4回まで投与できる。ただし、1回量は500mgを超えないこと。

  • 〈アメーバ赤痢〉

通常、小児にはメトロニダゾールとして1回10mg/kgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、重症例では、1回15mg/kgに増量できる。ただし、1回量は500mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

  4. 8.3.1事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

  5. 8.3.2投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

  6. 8.3.3投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  7. 8.4肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血液疾患のある患者

白血球減少、好中球減少があらわれることがある。

  1. 9.1.2化膿性髄膜炎及び脳膿瘍のある患者

中枢神経症状があらわれることがある。

  1. 9.1.3コケイン症候群の患者

重度の肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ることがある。

  1. 9.1.4心臓、循環器系機能障害のある患者

本剤には、塩化ナトリウムが含まれるため、循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

本剤には、塩化ナトリウムが含まれるため、水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊娠3ヵ月以内の女性

有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合を除き、投与しないこと。胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されている。

  1. 9.5.2妊娠3ヵ月を過ぎた女性

有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

9.8 高齢者

一般に、生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール 腹部の疝痛、嘔気、嘔吐、頭痛、潮紅があらわれることがある2)。 機序不明
リトナビル含有製剤(内用液) ジスルフィラム様反応を起こすおそれがある。 リトナビル含有製剤(内用液)はエタノールを含有するので本剤によりジスルフィラム様反応を起こすおそれがある。
ジスルフィラム 精神症状(錯乱等)があらわれることがある3)。 機序不明
ワルファリン ワルファリンの抗凝血作用を増強し、出血等があらわれることがある4),5),6)。 本剤はワルファリンの代謝を阻害し、その血中濃度を上昇させる。
ブスルファン ブスルファンの作用が増強されることがある7),8)。 本剤はブスルファンの血中濃度を上昇させることがある。
リチウム リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒があらわれることがある9)。 機序不明
5-フルオロウラシル 5-フルオロウラシルの作用が増強される可能性がある10)。 本剤は5-フルオロウラシルの血中濃度を上昇させることがある。
シクロスポリン シクロスポリンの作用が増強される可能性がある11)。 本剤はシクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある。
フェノバルビタール 本剤の作用が減弱する可能性がある12),13)。 フェノバルビタールは本剤の代謝酵素を誘導し、その血中濃度を低下させることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
カンジダ属の出現 頻度不明
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応 頻度不明
下痢 頻度不明
傾眠 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
味覚異常 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
固定薬疹 頻度不明
幻覚 頻度不明
心房細動 頻度不明
悪心 頻度不明
水疱性皮膚炎 頻度不明
洞性頻脈 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
湿疹 頻度不明
無力症 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
着色尿 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
総ビリルビン上昇 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃腸の炎症 頻度不明
腹痛 頻度不明
膿疱 頻度不明
舌炎 頻度不明
舌苔 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板減少症 頻度不明
血液障害 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
複視 頻度不明
近視 頻度不明
運動失調 頻度不明
難聴 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

メトロニダゾールは、菌体又はアメーバ内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOが嫌気性菌に対する抗菌作用及び抗アメーバ作用を示す。また、反応途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く36),37),38)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人6例にメトロニダゾール500mgを20分かけて単回点滴静注したときのメトロニダゾール及び活性代謝物であるヒドロキシメトロニダゾール[1-(2-hydroxyethyl)-2-hydroxymethyl-5-nitroimidazole]の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す17)。

図 日本人健康成人にメトロニダゾール500mgを単回点滴静注したときの血漿中濃度推移(6例、平均値±標準偏差)

メトロニダゾール ヒドロキシメトロニダゾール
Cmax
(μg/mL)
13.1
(23)
0.678
(67)
Tmax
(h)
0.32
(0.32-1.00)
12.0
(12.0-12.0)
AUCinf
(μg・h/mL)
161
(19)
27.4
(52)
t1/2
(h)
12.4
(22)
18.8
(29)
CL
(L/h)
3.10
(19)
N/A

Tmaxは中央値(範囲)、t1/2は算術平均値(変動係数%) N/A:算出していない

  1. 16.1.2反復投与

日本人健康成人6例にメトロニダゾール500mgを20分かけて1日4回5日間反復点滴静注したとき、血漿中メトロニダゾール濃度は投与開始後約3日で定常状態に達し、反復投与開始3~5日目のトラフ濃度は28.0~30.4μg/mLであった。メトロニダゾールに対するヒドロキシメトロニダゾールの比はCmaxが0.13、AUC0-6が0.15であった17)。

メトロニダゾール ヒドロキシメトロニダゾール
Cmax
(μg/mL)
44.5
(13)
5.24
(32)
Tmax
(h)
0.41
(0.32-1.00)
1.50
(0.00-6.00)
AUC0-6
(μg・h/mL)
206
(15)
28.3
(35)
t1/2
(h)
13.4
(17)
21.9
(18)
CL
(L/h)
2.44
(16)
N/A

Tmaxは中央値(範囲)、t1/2は算術平均値(変動係数%) N/A:算出していない

16.3 分布

  1. 16.3.1組織・体液中濃度

メトロニダゾール投与後、唾液、歯肉溝滲出液、腹腔液中及び母乳中に血中と同程度のメトロニダゾール濃度が認められている。またメトロニダゾールは脳膿瘍中、脳脊髄液中及び精漿中に移行するほか、胎盤を通過し、臍帯動脈血から胎児に移行する18),19),20),21),22),23),24),25),26)(外国人データ)。

組織/体液 投与量 採取時間
(投与後時間)
組織内濃度又は体液中濃度
(μg/g又はμg/mL)
血液中濃度
(μg/mL)
唾液 500mg PO BID/TID 2時間 15.15 14.33
歯肉溝滲出液 500mg PO BID/TID 2時間 12.86 14.33
腹腔液 500mg IV SD 58分 7.2 10.7
腹壁 1000mg IV SD 38分 2.6 25.1
腹膜脂肪 1000mg IV SD 38分 2.7 25.1
結腸壁 1000mg IV SD 156分 8.9 19.1
胎盤 500mg IV SD 40分 3.5b) 13.5
胎児a) 500mg IV SD 40分 9.0b) 13.5d)
臍帯動脈血 500mg IV SD 20分 11.74c) 13.92
母乳 400mg PO TID 2時間 15.52 17.46
8時間 9.07 9.87
新生児a) 400mg PO TID 4-8時間 1.62 9.87d)
精漿 250mg PO BID 2-3時間 7.0 8.7
脳脊髄液 500mg PO BID 2-8時間 11.0-13.9 8.3-15.4
脳膿瘍 400mg PO TID 不明 34.4-35.0 11.5-35.1
600mg IV TID 不明 45.0 12.5

a:母体に投与したときの値、b:μg/mg、c:帝王切開時の濃度、d:母体の血液中濃度 PO:経口投与、IV:静脈内投与、SD:単回投与、BID:1日2回投与、TID:1日3回投与

  1. 16.3.2蛋白結合

メトロニダゾールの血漿蛋白結合率は15%以下である27),28)(外国人データ)。

16.4 代謝

主として肝臓で酸化及びグルクロン酸抱合を受け代謝され、代謝物としてヒドロキシメトロニダゾール、酸代謝物(1-acetic acid-2-methyl-5-nitroimidazole)、未変化体とヒドロキシメトロニダゾールのグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体が認められている。主代謝物であるヒドロキシメトロニダゾールへの代謝にはCYP2A6が関与している29),30)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人に14C-メトロニダゾールを単回静脈内投与したとき、投与量の約60%が尿中に、6%が糞中に排泄された29)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

  2. (1)腎機能障害患者(血液透析患者を除く)

腎機能障害患者を対象にメトロニダゾールを点滴静注したとき、メトロニダゾールの血漿中濃度推移は健康成人と大きく異ならず、メトロニダゾールのAUCに対する腎機能低下の明らかな影響は認められなかった。血中の酸代謝物は健康成人では認められなかったが、腎機能障害患者では認められた。ヒドロキシメトロニダゾール及び酸代謝物のAUCは腎機能低下に従って増加する傾向が認められた31),32),33)(外国人データ)。

  1. (2)血液透析患者

血液透析を受けている腎機能障害患者4例を対象に、メトロニダゾール500mgを30分かけて単回点滴静注したとき、投与量の約45%が透析によって除去された31),32),33)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

健康成人7例及び肝機能障害患者35例を対象に、メトロニダゾール500mgを20分かけて単回点滴静注したとき、肝機能障害の重症度に従い、メトロニダゾールのCLは減少し、t1/2は延長した。また肝機能障害患者のAUC0-24は健康成人と比較して有意に増加した34)(外国人データ)。

健康成人 Child-
Pugh A
Child-
Pugh B
Child-
Pugh C
例数 7 14 9 12
t1/2
(h)
7.4±2.2 10.7±2.3 13.5±5.1 21.5±12.7
CL
(mL/min/kg)
1.53±0.37 0.85±0.26 0.79±0.36 0.56±0.28
AUC0-24
(μg・h/mL)
81.4±27.0 124.9±42.3 124.4±25.8 174.1±52.0