ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除及び呼吸抑制の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤及びベンゾジアゼピン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2長期間ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されているてんかん患者[痙攣が生ずることがある。]
効能・効果
用法・用量
通常、初回0.2mgを緩徐に静脈内投与する。投与後4分以内に望まれる覚醒状態が得られない場合は更に0.1mgを追加投与する。 以後必要に応じて、1分間隔で0.1mgずつを総投与量1mgまで、ICU領域では2mgまで投与を繰り返す。ただし、ベンゾジアゼピン系薬剤の投与状況及び患者の状態により適宜増減する。
使用上の注意
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8.1ベンゾジアゼピン系薬剤によっては消失半減期が本剤の半減期(約50分)より長いものがあり、これらの薬剤を特に高用量投与していた場合は本剤投与により患者が覚醒した後もベンゾジアゼピン系薬剤の作用が再出現する可能性があるので患者を監視下におき十分注意すること。 また、本剤投与後24時間は危険な機械の操作や自動車の運転等完全な精神的緊張を必要とする仕事に従事させないように注意すること。
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8.2麻酔科領域において手術終了時に本剤を使用する場合は、筋弛緩剤の作用消失後に本剤を投与すること。
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8.3本剤を用法及び用量の範囲内で繰り返し投与しても意識及び呼吸機能に有意な改善がみられない場合はベンゾジアゼピン作用薬以外の原因を考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1ベンゾジアゼピン系薬剤を長期間にわたり高用量投与している患者
急激な投与を避け、緩徐に静脈内投与するよう注意すること。離脱症状があらわれた場合はベンゾジアゼピン系薬剤を緩徐に静脈内投与するなど適切な処置を行うこと。急速に静脈内投与すると、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が出現することがある。
- 9.1.2手術前あるいは鎮静される前の不安の程度が高い患者、特に冠動脈疾患を有する患者
少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること。早期に覚醒させるよりもある程度鎮静状態を保つほうが良い場合が多い。
- 9.1.3ICU領域における高血圧を有する患者
少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること。覚醒時に血圧上昇がみられることがある。
- 9.1.4ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている重症頭部外傷患者又は不安定な頭蓋内圧を有する患者
ベンゾジアゼピン系薬剤の解除に伴い、頭蓋内圧亢進が起こることがある。
- 9.1.5ベンゾジアゼピン系薬剤と三(四)環系抗うつ剤を服用している患者
ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い、抗うつ剤の中毒症状(自律神経系症状等)が顕在化することがある。
9.3 肝機能障害患者
覚醒後も患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。ベンゾジアゼピン系薬剤の作用消失時間の延長が考えられる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。高齢者はベンゾジアゼピン系薬剤の作用に対し感受性が高い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ベンゾジアゼピン系薬剤 三(四)環系抗うつ剤 |
自殺企図等故意にベンゾジアゼピン系薬剤を過量服薬した患者で、同時に三(四)環系抗うつ剤を服用している場合は、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強するため、このような患者には特に注意して投与すること。 | 本剤はGABA受容体、ベンゾジアゼピン受容体及びクロルチャンネルの複合体と結合し、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用を低下させ、三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強すると考えられている。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| 不安感 | 頻度不明 |
| 不穏 | 頻度不明 |
| 体動 | 頻度不明 |
| 咳 | 頻度不明 |
| 咽頭異和感 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 頻度不明 |
| 幻覚 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 痙攣 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 羞明 | 頻度不明 |
| 胸部不快感 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 血清ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| 過換気 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ベンゾジアゼピン受容体は中枢においてGABA受容体と複合体を作っており、ベンゾジアゼピンはGABAの感受性を調節している。フルマゼニルはベンゾジアゼピン受容体に結合するが、固有活性をほとんどもっておらず、ベンゾジアゼピン受容体に結合しているベンゾジアゼピン系薬剤と置き換わることにより、ベンゾジアゼピン系薬剤の薬効を消失させる6)。
18.2 ベンゾジアゼピン拮抗作用
ジアゼパム、フルニトラゼパム及びミダゾラム等のベンゾジアゼピン系薬剤による中枢作用(リスザル及びラットの睡眠、マウスの抗痙攣、筋弛緩及びラットの抗葛藤)に対して拮抗した7),8)。 一方、フェノバルビタール及びメプロバメート等、ベンゾジアゼピン受容体に作用しない中枢抑制薬による作用に対して拮抗しなかった7),8),9)。 行動薬理(マウス、ラット、イヌ、リスザル)7),8)、電気生理(ネコ、ラット)9)及び神経科学実験(ラット)10),11)の結果より、フルマゼニルは中枢型ベンゾジアゼピン受容体に高い親和性を有し、特異的な拮抗作用を示した。
18.3 固有活性
単独投与では筋弛緩作用、抗葛藤作用及び痙攣誘発作用等のベンゾジアゼピン受容体を介する作用を示さなかった12)。 また、ペンテトラゾール誘発強直性痙攣については高用量で発現までの時間の延長及び自発脳波の徐波化、即ち、非常に弱い固有活性を示した12)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男子に1、2、4mg注)を静脈内投与したときの血漿中未変化体の消失半減期は49~52分であり、血漿中濃度曲線下面積は投与量に比例して増加し、分布容積及び血漿クリアランスは投与量にかかわらず一定であった1)。
健康成人に静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度
16.4 代謝
健康成人男子に静脈内投与したとき、大部分がエチルエステルの加水分解によりカルボン酸体に代謝された後、その約40%がグルクロン酸抱合体に変化した。
16.5 排泄
健康成人男子に静脈内投与したとき、代謝物(カルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体)は尿中に速やかに排泄された。
16.7 薬物相互作用
ベンゾジアゼピン系薬剤の薬動力学的パラメータは本剤の存在下でも影響を受けなかった2),3)(外国人データ)。 注)本剤の承認された初回投与量は0.2mgである。