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アトモキセチン錠5mg「タカタ」

アトモキセチン塩酸塩

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者

  3. 2.3重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。]

  4. 2.4*褐色細胞腫又はパラガングリオーマ若しくはその既往歴のある患者[急激な血圧上昇及び心拍数増加の報告がある。]

  5. 2.5閉塞隅角緑内障の患者[散瞳があらわれることがある。]

効能・効果

  • 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

用法・用量

  • 〈18歳未満の患者〉

通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2~1.8mg/kgで維持する。

ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。

なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。

  • 〈18歳以上の患者〉

通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。

ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。

なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。

  2. 8.2本剤を長期間投与する場合には、必要に応じて休薬期間を設定するなどして、定期的に有用性の再評価を実施すること。

  3. 8.3臨床試験で本剤投与中の小児患者において、自殺念慮や関連行動が認められているため、本剤投与中の患者ではこれらの症状の発現について注意深く観察すること。

  4. 8.4攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。

  5. 8.5通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往歴がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。

  6. 8.6眠気、めまい等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  7. 8.7心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。

  8. 8.8本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。また、患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。

  9. 8.9小児において本剤の投与初期に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は小児患者の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは減量又は投与の中断等を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1痙攣発作又はその既往歴のある患者

痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.2心疾患(QT延長を含む)又はその既往歴のある患者

症状を悪化又は再発させるおそれがある。

  1. 9.1.3先天性QT延長症候群の患者又はQT延長の家族歴のある患者

QT延長を起こすおそれがある。

  1. 9.1.4高血圧又はその既往歴のある患者

症状を悪化又は再発させるおそれがある。

  1. 9.1.5脳血管障害又はその既往歴のある患者

症状を悪化又は再発させるおそれがある。

  1. 9.1.6起立性低血圧の既往歴のある患者

本剤の投与による起立性低血圧の報告がある。

  1. 9.1.7精神系疾患(精神病性障害、双極性障害)のある患者

行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.8排尿困難のある患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.9遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)

9.2 腎機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において胎盤通過性が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤は、主に肝薬物代謝酵素CYP2D6で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• MAO阻害剤• セレギリン塩酸塩(エフピー)
• ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
• サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
両薬剤の作用が増強されることがある。MAO阻害剤の投与中止後に本剤を投与する場合には、2週間以上の間隔をあけること。また、本剤の投与中止後にMAO阻害剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること。 脳内モノアミン濃度が高まる可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• サルブタモール硫酸塩(静脈内投与等の全身性投与。吸入投与を除く) 心拍数、血圧が上昇したとの報告があるので、注意して投与すること。 心血管系への作用を増強する可能性がある。
• β-受容体刺激剤(サルブタモール硫酸塩を除く) これらの薬剤の心拍数、血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。 これらの薬剤の心血管系への作用を増強する可能性がある。
• CYP2D6阻害剤• パロキセチン塩酸塩水和物等 本剤の血中濃度が上昇することがあるので、経過を観察しながら時間をかけて本剤を増量すること。 これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
• 昇圧作用を有する薬剤• ドパミン塩酸塩等 これらの薬剤の血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。 これらの薬剤の血圧への作用に影響する可能性がある。
• ノルアドレナリンに影響する薬剤• 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)
• 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
• メチルフェニデート塩酸塩等
これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。 これらの薬剤のノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
うつ病 1%未満
オルガズム異常 頻度不明
そう痒症 1〜5%未満
チック 1%未満
びくびく感 頻度不明
ほてり 1〜5%未満
リビドー減退 1%未満
レイノー現象 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不安 1%未満
不快気分 1〜5%未満
不眠症 5%以上
不規則月経 1〜5%未満
体位性めまい 1〜5%未満
体重減少 5%以上
便秘 5%以上
傾眠(15.8%) 5%以上
冷感 1%未満
前立腺炎 1%未満
勃起不全 1〜5%未満
勃起時疼痛 頻度不明
動悸 5%以上
口内乾燥 1〜5%未満
口渇 5%以上
味覚異常 1〜5%未満
嘔吐 5%以上
多汗症 1〜5%未満
失神 1%未満
射精不能 頻度不明
射精障害 1%未満
尿意切迫 頻度不明
尿閉 1%未満
幻覚を含む感覚障害 1%未満
心拍数増加 1〜5%未満
心電図QT延長 1%未満
悪寒 1〜5%未満
悪心(31.5%) 5%以上
感覚鈍麻 1%未満
抑うつ気分 1%未満
持続勃起 頻度不明
振戦 1%未満
排尿困難 1〜5%未満
攻撃性 1%未満
散瞳 頻度不明
早朝覚醒型不眠症 1%未満
易刺激性 1〜5%未満
月経困難症 1%未満
末梢冷感 1%未満
気分変化 1%未満
浮動性めまい 5%以上
消化不良 1〜5%未満
潮紅 頻度不明
激越 1%未満
無力症 1〜5%未満
生殖器痛 1%未満
疲労 1〜5%未満
発疹 1%未満
皮膚炎 1%未満
睡眠障害 1〜5%未満
筋痙縮 1%未満
精巣痛 頻度不明
結膜炎 1%未満
胸痛 1〜5%未満
胸部不快感 1%未満
腹痛 5%以上
落ち着きのなさ 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 1〜5%未満
錯感覚 1%未満
頭痛(15.4%) 5%以上
頻尿 1%未満
頻脈 1〜5%未満
食欲減退(19.9%) 5%以上
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

臨床における有用性には神経終末のノルアドレナリントランスポーターに対する選択的阻害作用が関与していることが可能性としては考えられるものの、明確な機序は不明である22)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1CYP2D6の遺伝子型の解析

本臨床評価に際し、CYP2D6活性を遺伝子型により分類し、不活性型アレルをホモで有する場合を不活性(Poor Metabolizer、PM)、それ以外を通常活性(Extensive Metabolizer、EM)と定義した。日本人ではPMの割合が少ないことから、EMを更に細分化し、CYP2D6の活性が低下した遺伝子が関連するIntermediate Metabolizer(IM)を定義した1)。

CYP2D6
表現型
CYP2D6
表現型の詳細分類
CYP2D6遺伝子型注2)
(アレル/アレル)
PM PM 不活性型/不活性型
EM UM(Ultra rapid Metabolizer) 通常活性型/通常活性型注3)
EM 通常活性型/通常活性型
IM 通常活性型/活性低下型
通常活性型/不活性型
活性低下型/活性低下型
活性低下型/不活性型

注2)通常活性型:1(野生型), 2, 35 活性低下型:9, 10, 17, 29, 41 不活性型:3, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 14/14A, 15, 19, 20, 21, 36, 40

注3)通常活性型を3以上有する場合

  1. 16.1.2単回投与

CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン10、40、90又は120mgを単回経口投与注13)したときの最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度曲線下面積(AUC)は、投与量に比例して増加した2)。

投与量 AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)注4)
T1/2
(hr)注5)
CL/F
(L/hr)
10mg
(n=22)
0.574(70.2) 110.53(33.2) 1.25
(0.50~2.00)
3.46
(1.85~6.61)
22.93(43.0)
40mg
(n=21)
2.51(68.5) 478.36(33.5) 1.00
(0.50~4.00)
4.12
(2.09~7.06)
21.18(47.0)
90mg
(n=20)
5.30(54.2) 920.03(33.1) 1.75
(0.50~6.00)
4.01
(2.16~7.03)
20.50(39.3)
120mg
(n=19)
6.43(37.5) 1086.23(30.6) 1.00
(0.50~4.00)
4.27
(2.86~6.23)
21.43(38.7)

注4)Tmax:中央値(範囲)

注5)T1/2:算術平均値(範囲)

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

アトモキセチン錠40mg「タカタ」とストラテラカプセル40mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠及び1カプセル(アトモキセチンとして40mg)、健康成人男子*51名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。 *CYP2D6の遺伝子多型によりクリアランスの小さい健康成人男子は除外した。

図16-1 血漿中濃度

評価パラメータ 参考パラメータ
AUCt
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
アトモキセチン錠40mg「タカタ」 1872.39±936.54 432.78±136.09 0.89±0.71 2.92±0.90
ストラテラカプセル40mg 1872.33±937.34 467.14±130.81 0.94±0.88 2.91±0.96

(Mean±S. D., n=51)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

  1. 16.4.1代謝酵素及び代謝物

アトモキセチンは主に薬物代謝酵素CYP2D6によって代謝される。主要酸化代謝物は4-ヒドロキシ体であり、これはすぐにグルクロン酸抱合化される。4-ヒドロキシ体はアトモキセチンとほぼ同等のノルアドレナリン取り込み阻害作用を有するが血漿中濃度は非常に低い。4-ヒドロキシ体は主にCYP2D6により生成されるが、CYP2D6活性が欠損していても、他の数種のCYP酵素から低速ながら生成される(外国人データ)。また、CYP2D6活性が欠損した被験者から得たヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では、アトモキセチンとCYP2D6阻害剤を併用しても4-ヒドロキシ体生成に対して阻害は認められなかった。ヒト肝ミクロソーム及び培養肝細胞を用いたin vitro試験により、アトモキセチンはCYP1A2又はCYP3Aを誘導しないこと、CYP1A2、CYP3A、CYP2D6又はCYP2C9を阻害しないことが確認された4)。

  1. 16.4.2CYP2D6遺伝子多型の薬物動態に及ぼす影響

外国のPM健康成人では、EM健康成人に比較して定常状態のアトモキセチンの平均血漿中濃度(Cav,ss)が約10倍、定常状態のCmax,ssが約5倍高値であった5)。

遺伝子型 Cav,ss
(ng/mL)/
(mg/kg)注6)
Cmax,ss
(ng/mL)/
(mg/kg)注6)
Tmax(hr)注7) T1/2(hr) CL/F(L/hr/kg)
EM(n=223) 249(58.5) 667(41.3) 1.00(0.50,2.00) 3.56(27.5) 0.352(55.7)
PM(n=28) 2540(14.0) 3220(11.3) 2.50(1.00,6.00) 20.6(17.3) 0.0337(18.8)

注6)体重当たりの投与量で補正した。

注7)Tmax:中央値(10パーセント点,90パーセント点)

日本人において、EMを更に3つに分類した場合(UM、EM及びIM注8))、IM注8)のAUCの算術平均値はEM注8)に比較して約1.4倍高値であった。なお、日本人にはUMは該当がなかった6)。

遺伝子型 AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
T1/2(hr)注9)
EM注8)(n=5) 4.95(39.4) 861(23.3) 3.87(2.85~4.87)
IM注8)(n=14) 6.96(34.4) 1170(28.9) 4.41(3.04~6.23)

注8)表16-1 遺伝子に基づいたCYP2D6分類中のCYP2D6表現型の詳細分類に従って分類した。

注9)T1/2:算術平均値(範囲)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害時の血漿中濃度

CYP2D6 EMの成人腎不全患者にアトモキセチン20mgを単回経口投与注13)したとき、末期腎不全患者において、健康成人に比較して64%のAUCの増大が認められたが、体重で補正した投与量に換算することによって、その差は24%になった7)(外国人データ)。

AUC0-∞
(μg・hr/mL)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)/(mg/kg)注10)
Cmax
(ng/mL)
Cmax
(ng/mL)/(mg/kg)注10)
健康成人(n=6) 0.469 2.26 86.0 415
腎不全患者(n=6) 0.769 2.80 92.2 336

注10)体重当たりの投与量で補正した。

  1. 16.6.2肝機能障害時の血漿中濃度

CYP2D6 EMの成人肝硬変患者にアトモキセチン20mgを単回経口投与注13)したとき、中等度(Child-Pugh分類B)及び重度(Child-Pugh分類C)肝硬変患者において、それぞれ健康成人に比較してAUCが約2倍及び約4倍に増大した8)(外国人データ)。

AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax(ng/mL) Tmax(hr)注11) T1/2(hr)注12) CL/F(L/hr/kg)
健康成人
(n=10)
0.706
(67.9)
142
(36.0)
1.02
(0.50~1.55)
4.26
(2.35~8.03)
0.506
(53.5)
中等度肝硬変患者
(n=6)
1.17
(36.7)
116
(55.2)
3.27
(0.50~6.00)
11.0
(7.85~17.9)
0.208
(28.1)
重度肝硬変患者
(n=4)
2.73
(63.0)
126
(44.8)
5.98
(0.50~12.02)
16.0
(7.21~26.3)
0.155
(78.5)

注11)Tmax:中央値(範囲)

注12)T1/2:算術平均値(範囲)

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1吸入サルブタモールとの併用

CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン80mgを1日1回経口投与時注13)の定常状態で、サルブタモール200μgを吸入投与したとき、アトモキセチンと吸入サルブタモール併用により心拍数及び血圧への影響が認められたが、わずかであった。アトモキセチン存在下及び非存在下で吸入サルブタモールを反復投与した後も心拍数は変化しなかった9)(外国人データ)。

  1. 16.7.2サルブタモール静脈内投与との併用

CYP2D6 EM健康成人においてアトモキセチン60mgを1日2回5日間経口投与注13)し、サルブタモールを1、3、5日目に5μg/minの流速で2時間かけて静脈内投与したとき、サルブタモール静脈内投与に起因する心拍数及び収縮期血圧を含む心血管変化に増強が認められた10)(外国人データ)。

  1. 16.7.3CYP2D6阻害剤との併用

CYP2D6 EMの健康成人にパロキセチン20mgを1日1回経口投与時の定常状態で、アトモキセチン20mgを1日2回反復経口投与注13)したとき、パロキセチンとの併用により、定常状態におけるアトモキセチンのCmax及びAUCはそれぞれ約3.5倍及び約6.5倍に増加し、そのときの血中濃度はCYP2D6 PM健康成人にアトモキセチンを単剤投与したときの血中濃度と同程度であった11)(外国人データ)。

AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax(ng/mL) T1/2(hr)
アトモキセチン単剤(n=21) 0.77 173 3.92
パロキセチン併用(n=14) 5.01 612 10.0

CYP2D6 EM健康成人にフルオキセチン(国内未承認)60mgを1日1回で7日間経口投与、次に20mgを1日1回14日間投与、最後に20mg1日1回とアトモキセチン(10、45、75mg)1日2回を15日間投与注13)したとき、EM被験者では、フルオキセチンを併用することによりPM被験者に近いアトモキセチンの血漿中濃度が認められた12)。

注13)本剤の承認された用法・用量は、「小児:1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2~1.8mg/kgで維持する。成人:1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。」である。

16.8 その他

  1. 16.8.1アトモキセチン錠5mg「タカタ」

アトモキセチン錠5mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づきアトモキセチン錠40mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた13)。

  1. 16.8.2アトモキセチン錠10mg「タカタ」

アトモキセチン錠10mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づきアトモキセチン錠40mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた14)。

  1. 16.8.3アトモキセチン錠25mg「タカタ」

アトモキセチン錠25mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づきアトモキセチン錠40mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた15)。