Clinical snapshot

アトガム点滴静注液250mg

抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン

添付文書改訂 2024年02月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、再生不良性貧血に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に過敏症の既往歴がある患者

  2. 2.2他のウマ免疫グロブリン製剤に過敏症の既往歴がある患者

  3. 2.3重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し致命的となるおそれがある]

  4. 2.4生ワクチンを接種しないこと

効能・効果

中等症以上の再生不良性貧血

用法・用量

通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンとして40mgを緩徐に点滴静注する。投与期間は4日間とする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の初回投与前に皮膚試験を実施する場合には、以下のとおり対応すること。
  • 未希釈の本剤を用いてプリック試験を実施する。穿刺から10分後に膨疹が認められた場合、プリック試験陽性と判断する。

  • プリック試験において膨疹が認められない場合には、続いて皮内試験を実施する。皮内試験は、生理食塩水で1000倍希釈した本剤0.02mL、及び対照として同量の生理食塩水を皮内に投与する。皮内投与10分後に、本剤投与部位に生理食塩水の投与部位と比較して直径が3mm以上大きい膨疹が認められた場合、皮内試験陽性と判断する。

  1. 8.2感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは悪化、又は肝炎ウイルスの再活性化や増悪による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。

  2. 8.3骨髄抑制、出血、腎機能障害及び肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中及び投与終了後の一定期間は定期的に血液学的検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤又は他のウマ血清製剤の投与歴のある患者

ショックを起こすおそれがある。

  1. 9.1.2感染症を合併している患者

本剤の免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3肝炎ウイルスの感染又は既往を有する患者

本剤投与中及び投与終了後の一定期間は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、肝炎ウイルスの再活性化や肝炎の増悪の徴候や症状の発現に注意すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はIgGであり胎盤を通過する可能性があるため、胎児及び出生児に免疫抑制作用が引き起こされる可能性がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への分泌は不明である。

9.7 小児等

2歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
生ワクチン 投与されたウイルスの体内での増殖が抑制されず、発症するおそれがある。 本剤の免疫抑制作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
不活化ワクチン 抗体反応が低下するおそれがある。 本剤の免疫抑制作用による。
他の免疫抑制剤
• シクロスポリン等
感染及びウイルスの再活性化のおそれがある。 相加的に免疫抑制作用が増強される可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アレルギー性皮膚炎 頻度不明
ウイルス性肝炎 頻度不明
うっ血性心不全 頻度不明
ジスキネジア 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
そう痒症 頻度不明
リンパ節症 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
低血圧 頻度不明
倦怠感 頻度不明
側腹部痛 頻度不明
創離開 頻度不明
動静脈瘻血栓症 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔内痛 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
喉頭痙攣 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
多汗症 頻度不明
失神 頻度不明
失見当識 頻度不明
好酸球増加症 頻度不明
寝汗 頻度不明
形成不全 頻度不明
徐脈 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
感染 頻度不明
振戦 頻度不明
注入部位疼痛 頻度不明
注入部位紅斑 頻度不明
注入部位腫脹 頻度不明
注入部位血管外漏出 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化管穿孔 頻度不明
深部静脈血栓症 頻度不明
溶血 頻度不明
溶血性貧血 頻度不明
激越 頻度不明
無力症 頻度不明
無呼吸 頻度不明
異常感 頻度不明
疼痛 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眼窩周囲浮腫 頻度不明
筋固縮 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
肺水腫 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸水 頻度不明
胸痛 頻度不明
脳炎 頻度不明
腎動脈血栓症 頻度不明
腎腫大 頻度不明
腎臓破裂 頻度不明
腸骨静脈閉塞 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血栓性静脈炎 頻度不明
血管炎 頻度不明
貧血 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
限局性感染 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はリンパ球表面の多様なタンパク質に結合する様々な抗体で構成され4),5),6),7)、顆粒球、血小板及び骨髄細胞に結合する8)。本剤の主な作用機序として、循環血中のTリンパ球に最も強く作用し、リンパ球を減少させることが示唆されている9),10)。

18.2 免疫抑制作用

  1. 18.2.1In vitro T細胞表面抗原への結合阻害試験

本剤は健康被験者由来のT細胞における表面抗原CD2、CD3、CD4、CD8、CD25及びCD28に対する結合能を示した5),7)。

  1. 18.2.2In vitro補体依存性細胞障害試験

本剤と健康被験者由来の末梢血単核細胞をインキュベートしたところ、濃度依存的な細胞溶解が認められた4)。

  1. 18.2.3In vitroアポトーシス誘導試験

本剤と健康被験者由来の末梢血単核細胞をインキュベートしたところ、アポトーシス誘導がみられた11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人再生不良性貧血患者3例ずつに本剤10mg/kg/日又は20mg/kg/日を8日間注)点滴静脈内投与(4時間以上)した。8日目投与終了後1時間の平均血清中濃度はそれぞれ1180µg/mL及び2060µg/mLであった。また、本剤点滴静脈内投与後の消失半減期は1.3日~6日の範囲であった1)。 注)本剤の承認された用法及び用量は、40mg/kg/日を4日間投与である。