本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2*血管性浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管性浮腫、遺伝性血管性浮腫、後天性血管性浮腫、特発性血管性浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮性腫があらわれることがある。]
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2.3デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者
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2.4アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者
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2.5妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.6アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
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2.7サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与中の患者、又は投与中止から36時間以内の患者
効能・効果
用法・用量
成人には、デラプリル塩酸塩として通常1日30~60mgを朝夕の2回に分割経口投与する。ただし、1日15mg(分2)から投与を開始し、最大投与量は1日120mg(分2)とする。 なお、安定した降圧効果が得られた場合には、1日量またはその半量の朝1回のみの投与とすることができる。
使用上の注意
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8.1降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
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8.2手術前24時間は投与しないことが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。 また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
- 9.1.3脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。
- 9.1.4重症の高血圧症患者
少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに急激な血圧低下を起こすおそれがある。
- 9.1.5厳重な減塩療法中の患者
少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに急激な血圧低下を起こすおそれがある。
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9.1.6薬剤過敏症の既往歴のある患者
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9.1.7大動脈弁狭窄症又は閉塞性肥大型心筋症のある患者
過度の血圧低下を来し、症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
血清クレアチニン値が3mg/dL以上の患者に投与する場合には、投与量を減らすか又は投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。腎機能の悪化、血中半減期の延長及び尿中排泄率の低下が起こるおそれがある。
- 9.2.2血液透析中の患者
少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに急激な血圧低下を起こすおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1妊娠する可能性のある女性
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1),2)。 本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
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(1)本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
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(2)次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
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妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
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妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
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妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中への活性代謝物の移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行 • リポソーバー® イムソーバTR® セルソーバ® |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤服用中の患者は、左記のアフェレーシス中にショックを起こすことがある。 | 陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積することが考えられている。 |
| アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた透析 | アンジオテンシン変換酵素阻害剤服用中の患者は、左記の透析中にアナフィラキシーを起こすことがある。 | 多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積することが考えられている。 |
| アリスキレンフマル酸塩 • ラジレス (糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く) |
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。 | レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物 • エンレスト |
*血管性浮腫があらわれるおそれがある。 左記薬剤を投与する場合は、本剤を少なくとも36時間前に中止すること。 また、左記薬剤の投与終了後に本剤を投与する場合は、36時間以上の間隔をあけること。 |
*併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管性浮腫のリスクを増加させる可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| カリウム保持性利尿剤 • スピロノラクトン トリアムテレン等エプレレノン カリウム補給剤 トリメトプリム含有製剤 • スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
血清カリウム値が上昇することがある。 | 本剤のアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。 危険因子:特に腎機能障害のある患者 |
| 利尿降圧剤 • フロセミド トリクロルメチアジド等 |
利尿降圧剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので、少量から開始するなど慎重に投与すること。 | 利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。 危険因子:特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者 |
| アリスキレンフマル酸塩 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 | レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| リチウム | 外国において、リチウムと他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物)との併用により、リチウム中毒が報告されている。 | 腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs) • インドメタシン等 |
降圧作用が減弱することがある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤がプロスタグランジンの合成を阻害し、本剤のプロスタグランジンを介した降圧作用を減弱させる。 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs) • インドメタシン等 |
腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。 |
| カリジノゲナーゼ製剤 | 過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 | 本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。 |
| mTOR阻害剤 • シロリムス等 |
*血管性浮腫を発症するリスクが高まるおそれがある。 | 機序不明 |
| ビルダグリプチン | *血管性浮腫を発症するリスクが高まるおそれがある。 | 機序不明 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P | 1〜5%未満 |
| ALT | 1〜5%未満 |
| AST | 1〜5%未満 |
| BUN | 1〜5%未満 |
| LDH | 1〜5%未満 |
| γ-GTPの上昇 | 1〜5%未満 |
| クレアチニンの上昇 | 1〜5%未満 |
| しびれ感 | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| のぼせ感 | 1〜5%未満 |
| ほてり | 1〜5%未満 |
| めまい・ふらつき | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 不眠 | 1〜5%未満 |
| 乾癬 | 頻度不明 |
| 低血糖注) | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 動悸 | 1〜5%未満 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 咳 | 1〜5%未満 |
| 咽頭痛 | 1〜5%未満 |
| 嗄声 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 四肢の疼痛 | 1〜5%未満 |
| 好酸球増多 | 1〜5%未満 |
| 尿糖 | 1〜5%未満 |
| 尿酸の上昇 | 1〜5%未満 |
| 息切れ | 1〜5%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 抗核抗体の陽性 | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 発汗 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 |
| 眠気 | 1〜5%未満 |
| 立ちくらみ | 1〜5%未満 |
| 筋痙攣 | 1〜5%未満 |
| 総コレステロール | 1〜5%未満 |
| 耳鳴 | 1〜5%未満 |
| 肩こり | 1〜5%未満 |
| 胃部不快感 | 1〜5%未満 |
| 胸やけ | 1〜5%未満 |
| 胸部痛 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満感 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 1〜5%未満 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 血清カリウム | 1〜5%未満 |
| 貧血 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 頭重 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤の降圧作用は、主として血中・血管壁等に存在するアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)の活性を阻害することによりアンジオテンシンⅡの生成を抑え、血管を拡張することにより生じると考えられる。 アンジオテンシンⅡの生成抑制は、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離抑制、アルドステロンの分泌抑制につながり、これらも降圧作用に寄与していると考えられる。一方、本剤はブラジキニンの不活化抑制作用も有しており、これも一部降圧に関与していると考えられる17),18),19)。
18.2 降圧作用
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18.2.1本態性高血圧症患者(成人)において1回経口投与により投与1時間後に降圧効果があらわれ、12時間後まで有意な降圧効果が持続する20)。
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18.2.2高血圧症患者(成人)において1日2回経口投与により終日安定した降圧効果が得られ、血圧の日内変動にも影響を及ぼさない7)。
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18.2.3本態性高血圧症患者(成人)において、1日2回経口投与により安定した降圧効果が得られた後は、1日1回経口投与に変更しても良好な血圧コントロールが維持される8)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
腎機能正常の本態性高血圧症患者(4例)に1回30mgを空腹時に経口投与した場合、血中にはデラプリル塩酸塩の未変化体及び代謝物が検出される。 最高血中濃度は活性代謝物M-Ⅰが最も高く、次いで未変化体及び活性代謝物M-Ⅲ(M-Ⅰより活性はやや弱い)であり、非活性代謝物M-Ⅱは最も低い。また、one compartment open modelにより算出したpharmacokinetic parameterでは、主要活性代謝物M-Ⅰは1.6時間でピーク(731ng/mL)に達し、半減期は1.1時間である3)。
なお、主要活性代謝物M-Ⅰの血中濃度には、7.5~60mgの範囲内で用量依存性が認められる4)(健康成人、経口)。
- 16.1.2反復投与
腎機能正常の高血圧症患者(9例)及び腎機能障害を伴う高血圧症患者(4例)に、1日60mg(分2)を8日間反復経口投与した時の主要活性代謝物M-Ⅰの血中濃度から、蓄積性は認められない。しかし、腎機能障害者の血中濃度は、正常例に比し半減期の延長と最高血中濃度の増大が認められる。
16.4 代謝
血中及び肝臓等にて代謝され、脱エステル化されたM-Ⅰ、M-Ⅲ及び一部分が閉環したM-Ⅱを生成する5),6)。
16.5 排泄
腎機能正常の本態性高血圧症患者(4例)に1回30mgを経口投与した場合、尿中にはM-Ⅰ、M-Ⅲが大半を占め、未変化体及びM-Ⅱはわずかであり、投与後24時間までの尿中総排泄率は58.7%である3)。