Clinical snapshot

アキャルックス点滴静注250mg

セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2024年10月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び光線力学的療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2頸動脈への腫瘍浸潤が認められる患者[腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある]

効能・効果

切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌

用法・用量

通常、成人にはセツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)として、1日1回 640mg/m2(体表面積)を2時間以上かけて点滴静注する。点滴静注終了20~28時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。

使用上の注意

  1. 8.1頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがあるので、本剤投与前に頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤の有無を十分確認するとともに、本剤による治療中は患者の状態の観察や頸動脈出血、腫瘍出血の有無の確認を十分に行うこと。

  2. 8.2*レーザ光照射部位において、瘻孔、皮膚・粘膜の潰瘍又は壊死があらわれることがあるので、本剤投与前に皮膚又は粘膜への腫瘍浸潤の有無を十分確認するとともに、本剤による治療中は患者の状態の観察や瘻孔、潰瘍、壊死の有無の確認を十分に行うこと。

  3. 8.3光線過敏症を起こすことがあるので、本剤投与後 7 日目以降に腕の一部に対して直射日光等を照射し、皮膚反応の消失が確認できるまでの間、又は本剤投与後4週間は直射日光を避けるよう指導すること。

  4. 8.4infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与は重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。

  5. 8.5本剤の使用にあたっては、本剤と一般名が類似しているセツキシマブとの取り違えに注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤が認められる患者

頸動脈への腫瘍浸潤が認められる患者には投与しないこと。頸静脈等への腫瘍浸潤のある患者には、本剤の有効性及び危険性を十分に考慮した上で、本剤による治療の可否を慎重に判断すること。腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。

  1. 9.1.2*皮膚又は粘膜への腫瘍浸潤が認められる患者

*皮膚又は粘膜への腫瘍浸潤のある患者には、本剤の有効性及び危険性を十分に考慮した上で、本剤による治療の可否を慎重に判断すること。レーザ光照射部位において、瘻孔、皮膚・粘膜の潰瘍又は壊死があらわれることがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を構成するセツキシマブを用いた動物実験(サル)において、流産及び胎児死亡の発現頻度の上昇が報告されている1)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT(GPT)増加 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
体重減少 頻度不明
光線過敏性反応 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔内痛 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嚥下痛 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
斑状丘疹状皮疹 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
疲労 頻度不明
発声障害 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
着色尿 頻度不明
紅斑 頻度不明
脱水 頻度不明
腫瘍疼痛 頻度不明
腫脹 頻度不明
舌潰瘍 頻度不明
貧血 頻度不明
適用部位浮腫 頻度不明
適用部位疼痛 頻度不明
限局性浮腫 頻度不明
頸部痛 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明
顔面痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

セツキシマブ サロタロカンナトリウムは、キメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体 (EGFR)モノクローナル抗体(IgG1)であるセツキシマブと光感受性物質である色素IR 700を結合させた抗体薬物複合体である。セツキシマブ サロタロカンナトリウムは腫瘍細胞の細胞膜上に発現するEGFRに結合し波長690 nmのレーザ光照射により励起されたIR700が光化学反応を起こし腫瘍細胞の細胞膜を傷害することにより殺細胞効果を示すと考えられる6),7)。しかし、詳細な作用機序は解明されていない。

18.2 抗腫瘍効果

セツキシマブ サロタロカンナトリウムは、in vitroにおいて、波長690nmのレーザ光照射により、ヒト咽頭癌由来FaDu細胞株等の増殖を抑制した8)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

切除不能な局所再発の頭頸部扁平上皮癌の患者を対象とした第Ⅰ相試験において、日本人患者に本剤640 mg/m2を2時間かけて単回静脈内投与したときのセツキシマブ サロタロカンナトリウムの薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤を構成するフタロシアニン誘導体(IR700)は本剤投与終了直後以降、いずれの測定時点においても定量下限未満であった。なお、セツキシマブ サロタロカンナトリウムに対するIR700のモル換算した各Cmax値の比は約0.7%であり、セツキシマブ サロタロカンナトリウムからのIR700の遊離は限定的であることが示唆された2)。

N Cmax
(µg/mL)
AUC0-26
(hr*µg/mL)
AUC0-t
(hr*µg/mL)
T1/2(hr) CL
(mL/hr/m2)
Vss(mL/m2)
3 370±17.2 5280±529 14300±1490 60.5±9.94 43.9±5.26 3070±223

平均値±標準偏差

本剤(640 mg/m2)単回静脈内投与後のセツキシマブ サロタロカンナトリウム血清中濃度の推移

  1. 16.1.2単回及び反復投与

切除不能な局所再発の頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱa相試験において、本剤 160, 320及び640 mg/m2注3)を2時間かけて単回静脈内投与したときの血清中セツキシマブ サロタロカンナトリウム濃度推移、本剤 640mg/m2を2時間かけて最大4回まで反復静脈内投与した時の各投与サイクルにおける血清中セツキシマブ サロタロカンナトリウム濃度推移はそれぞれ下図のとおりであった3)。 注3)本剤の承認用量は640 mg/m2である。

本剤(160, 320及び640 mg/m2)単回静脈内投与後の血清中濃度の推移及び 本剤(640 mg/m2)反復静脈内投与後の血清中濃度の推移