糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法によっても十分な血糖コントロールが得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下薬若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な血糖コントロールが得られない場合に限る)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となる。]
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2.2重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれる。]
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2.3本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
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2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
アカルボースとして、成人では通常1回100mgを1日3回、食直前に経口投与する。ただし、1回50mgより投与を開始し、忍容性を確認したうえ1回100mgへ増量することもできる。 なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
使用上の注意
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8.1患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。
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8.2本剤の投与により、「腹部膨満・鼓腸」、「放屁増加」等の消化器系副作用が発現することがある。これらは、一般に時間の経過とともに消失することが多いが、症状に応じて減量あるいは消化管内ガス駆除剤の併用を考慮し、高度で耐えられない場合は投与を中止すること。
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8.3劇症肝炎等の重篤な肝機能障害があらわれることがある。これらは投与開始後概ね6ヵ月以内に認められる場合が多いので、投与開始後6ヵ月までは月1回、その後も定期的に肝機能検査を行うこと。
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8.4本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2~3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。 なお、食後血糖の十分なコントロール(静脈血漿で食後血糖2時間値が160mg/dL以下)が得られ、食事療法・運動療法又はこれらに加えて経口血糖降下薬若しくはインスリン製剤を使用するのみで十分と判断される場合には、本剤の投与を中止して経過観察を行うこと。
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8.5低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
腸内ガス等の増加により、腸閉塞があらわれることがある。
- 9.1.2胃腸障害のある患者
本剤の投与により鼓腸、放屁、下痢等の消化器症状を増強する可能性がある。
- 9.1.3ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等のある患者
腸内ガスの発生増加によって、症状が悪化することがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
クレアチニンクリアランス25mL/min未満の患者では血中活性物質(未変化体及び活性代謝物)濃度は腎機能正常者に比べて約4~5倍上昇することが報告されている(外国人データ)。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者
代謝状態が不安定であり、血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(授乳ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| スルホニルウレア系薬剤 スルホンアミド系薬剤 ビグアナイド系薬剤 インスリン製剤 インスリン抵抗性改善剤 速効型食後血糖降下剤 |
低血糖があらわれることがある。併用時には低用量から開始する、又は他の糖尿病用薬の用量を調整するなど慎重に投与すること。 | 左記糖尿病用薬の血糖降下作用に本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
| 上記糖尿病用薬とその血糖降下作用を増強する薬剤 • β遮断剤 • サリチル酸剤 • モノアミン酸化酵素阻害剤等 |
糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。 | 左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が増強されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
| 上記糖尿病用薬とその血糖降下作用を減弱する薬剤 • アドレナリン • 副腎皮質ホルモン • 甲状腺ホルモン等 |
糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。 | 左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が減弱されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が低下することがある。また、少数例で血中濃度の上昇も認められている。ジゴキシンの血中濃度が変動した場合には、ジゴキシンの投与量を調節するなど適切な処置を行うこと。 | 発現機序の詳細は不明である。 |
| ラクツロース ラクチトール水和物 |
消化器系の副作用が増強される可能性がある。 | 左記薬剤が、本剤の作用による未消化の他の二糖類とともに下部消化管へと移行し、腸内細菌によって分解を受けることから、併用により腸内ガス等が更に増加する可能性がある。 |
| 炭水化物消化酵素製剤 • ジアスターゼ等 |
両剤の薬効に影響を及ぼす可能性がある。 | 本剤はα-アミラーゼ活性の阻害作用を有し、一方、炭水化物消化酵素製剤はα-アミラーゼ活性を有している。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| しびれ感 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| ほてり | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 頻度不明 |
| 排便回数増加 | 頻度不明 |
| 放屁増加 | 5%以上 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 胸部圧迫感 | 頻度不明 |
| 腸管のう腫状気腫症 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満・鼓腸 | 5%以上 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 軟便 | 5%以上 |
| 頭痛・頭重感 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 食欲亢進 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アカルボースは小腸粘膜微絨毛膜に存在するグルコアミラーゼ、スクラーゼ、マルターゼを用量依存的に阻害するほか、膵液及び唾液のα-アミラーゼを阻害し、食後の著しい血糖上昇を抑制する10),11)。
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炭水化物(デンプン、マルトース、スクロース等)のα-グルコシダーゼによる加水分解を阻害し、消化管でのグルコース、フルクトースへの分解を直接抑制することにより糖質の吸収を遅延させる。
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食後の過血糖を改善するとともに、血糖の日内変動幅を小さくし、良好な血糖コントロールが得られる。
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食後の血糖上昇を抑制するに伴い、インスリンの上昇も抑制するので高インスリン血症を招かない。またアカルボースによるインスリン分泌に対する直接作用がないので、膵β細胞の負担を軽減する。
18.2 血糖値に対する作用
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18.2.1健康成人12例に50mg、100mg、200mgをスクロースとともに単回経口投与した場合注2)、負荷後の血糖上昇、血清インスリン上昇は用量依存的に抑制される12)。
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18.2.2健康成人7例に50mg、100mg、200mgを食事とともに単回経口投与した場合注2)、食後の血糖上昇、血清インスリン上昇は用量依存的に抑制される13)。
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18.2.3NIDDM患者12例に100mgを1日3回、毎食事とともに3ヵ月間経口投与した場合、空腹時血糖は有意に低下する14)。
18.3 血糖日内変動に対する作用
NIDDM患者19例に50mg又は100mgを1日3回毎食事とともに2週間経口投与した場合、血糖日内変動曲線は下方移動し、血糖日内変動曲線下面積は用量依存的に低下する15)。
18.4 グリコヘモグロビン(HbA1)に対する作用
NIDDM患者12例に100mgを1日3回、毎食事とともに3ヵ月間経口投与した場合、HbA1は有意に低下する14)。
18.5 生物学的同等性試験
- 〈アカルボース錠50mg「サワイ」〉
アカルボース錠50mg「サワイ」とグルコバイ錠50mgを健康成人男子にそれぞれ2錠(アカルボースとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)した。無投与時及び投与直後にショ糖負荷(75g)し経時的に血漿中グルコース濃度を測定したところ、両剤は無投与時と比較して有意な血糖上昇抑制作用を示した。また、得られたパラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された16)。 [AUC:血漿中グルコース濃度-時間曲線下面積、Cmax:最高血漿中グルコース濃度]
| Cmax (mg/dL) |
AUC0-2hr (mg・hr/dL) |
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|---|---|---|
| アカルボース錠50mg「サワイ」 | 120.5±15.0 | 199.7±16.0 |
| グルコバイ錠50mg | 115.0±11.1 | 200.4±17.3 |
| 無投与 | 146.0±15.9 | 232.2±22.8 |
(Mean±S.D.)
- 〈アカルボース錠100mg「サワイ」〉
アカルボース錠100mg「サワイ」とグルコバイ錠100mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(アカルボースとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)した。無投与時及び投与直後にショ糖負荷(75g)し経時的に血漿中グルコース濃度を測定したところ、両剤は無投与時と比較して有意な血糖上昇抑制作用を示した。また、得られたパラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された16)。 [AUC:血漿中グルコース濃度-時間曲線下面積、Cmax:最高血漿中グルコース濃度]
| Cmax (mg/dL) |
AUC0-2hr (mg・hr/dL) |
|
|---|---|---|
| アカルボース錠100mg「サワイ」 | 129.0±16.9 | 219.4±20.0 |
| グルコバイ錠100mg | 122.6±11.5 | 211.9±17.1 |
| 無投与 | 159.6±29.0 | 248.1±40.5 |
(Mean±S.D.)
血漿中グルコース濃度ならびにAUC、Cmaxのパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
注2)本剤の承認用量は1回100mg、1日3回である。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に100mgを単回経口投与した場合、未変化体及び活性代謝物の血中濃度はほとんどの測定時点で検出限界(3ng/mL)以下である1)。
16.3 分布
ラットに経口投与した試験では、腎、副腎、次いで肝で高く、その他の臓器、組織ではいずれも血漿とほぼ同程度又はそれ以下である。なお、授乳ラットに経口投与した試験では、乳汁中に高濃度に移行するのが認められた2)。
16.5 排泄
健康成人に300mg注1)を経口投与した場合、未変化体及び活性代謝物の尿中への排泄は投与後24時間でほぼ完了しており、尿中排泄率は投与後24時間で0.20%、72時間では0.21%である1)。
注1)本剤の承認用量は1回100mg、1日3回である。