ゾスパタ錠 40mg
基本情報
販売名: ゾスパタ錠 40mg
一般名: ギルテリチニブフマル酸塩(Gilteritinib Fumarate)
製造販売元: アステラス製薬株式会社
薬効分類: 抗悪性腫瘍剤(FLT3阻害剤)
規制区分: 劇薬、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験: - 国際共同第III相試験(CL-0301試験)
- 対象: 初回再発または治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性AML患者(n=371) - 結果: 全生存期間(OS)の中央値 - ゾスパタ群: 9.3カ月 - サルベージ化学療法群: 5.6カ月 - 有意差: p=0.0004
- 海外第I/II相試験(CL-0101試験)
- 対象: 再発または難治性FLT3変異陽性AML患者(n=252) - 結果: CR/CRh率(完全寛解または部分的血液学的回復を伴う完全寛解) 23.2%
効能・用法
適応症: - 再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)
用法・用量: - 通常、成人には ギルテリチニブとして120mgを1日1回経口投与 - 効果が不十分な場合、 最大200mgまで増量可能
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度: - 骨髄抑制: 83.7% - 感染症(肺炎、敗血症など): 20.5% - 出血: 8.4% - QT延長: 6.3% - 肝機能障害(ALT/AST上昇): 29.7% - 腎障害: 2.1% - 消化管穿孔: 頻度不明 - 心不全、心膜炎: 3.2% - 可逆性後白質脳症症候群(PRES): 頻度不明
その他の副作用: - 発熱性好中球減少症(15.9%) - 貧血(23.2%) - 吐き気(5.4%)
相互作用情報
併用禁忌: - 特になし
併用注意: - CYP3A4阻害剤(ケトコナゾール等) → ギルテリチニブ血中濃度上昇 - CYP3A4誘導剤(リファンピシン等) → ギルテリチニブ血中濃度低下
緊急時対応
QT延長の管理: - ECGモニタリングを実施 - QTc > 500msの場合、投与中止または減量を検討
感染症発症時の管理: - 速やかに抗菌薬投与を考慮 - 血液培養などの検査を実施
骨髄抑制時の管理: - 好中球減少が重度の場合、G-CSF投与を検討 - 貧血時には輸血を検討
FAQ(よくある質問)
Q1. ゾスパタはどのような患者に適していますか? A1. 再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性AML患者に適応。特に化学療法が難しい患者に推奨される。
Q2. 服用タイミングは? A2. 食事の影響を受けにくいため、食前・食後に関係なく服用可能。
Q3. 服薬中の注意点は? A3. QT延長、骨髄抑制、感染症に注意し、定期的なモニタリングが推奨される。