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Kento.takamatsu (トーク | 投稿記録) ページの作成:「Category:D11397 ダルバドストロセル {{#set: | 販売名 = アロフィセル注 | 一般名 = ダルバドストロセル (Darvadstrocel) | 製造販売元 = 武田薬品工業株式会社 | 販売提携 = 該当なし | 薬効分類 = 指定再生医療等製品 | 規制区分 = 指定再生医療等製品、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること) | 承認年月日 = 2021年9月27日 | 薬価基準収載日 = 2…」 |
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== '''クリニカルエビデンス''' == | == '''クリニカルエビデンス''' == | ||
'''主要臨床試験:''' | '''主要臨床試験:''' | ||
- '''クローン病患者における複雑痔瘻対象試験''' | - '''クローン病患者における複雑痔瘻対象試験''' | ||
- '''海外第Ⅲ相試験(Cx601-0302試験)''': クローン病患者の肛門周囲複雑瘻孔を対象とし、プラセボ群に対する優越性を確認(24週後の複合寛解率: 49.5% vs 34.3%, p=0.024)。 | - '''海外第Ⅲ相試験(Cx601-0302試験)''': クローン病患者の肛門周囲複雑瘻孔を対象とし、プラセボ群に対する優越性を確認(24週後の複合寛解率: 49.5% vs 34.3%, p=0.024)。 | ||
- '''国内第Ⅲ相試験(Darvadstrocel-3002試験)''': 日本人患者を対象とした試験で、24週後の複合寛解率は59.1%。 | - '''国内第Ⅲ相試験(Darvadstrocel-3002試験)''': 日本人患者を対象とした試験で、24週後の複合寛解率は59.1%。 | ||
- '''長期フォローアップ''' | - '''長期フォローアップ''' | ||
- 52週後の複合寛解率は68.2%で維持。 | - 52週後の複合寛解率は68.2%で維持。 | ||
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'''適応症:''' | '''適応症:''' | ||
- '''非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療''' | - '''非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療''' | ||
- ただし、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る。 | - ただし、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る。 | ||
'''用法・用量:''' | '''用法・用量:''' | ||
- '''通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×10^6個(4バイアル, 24mL)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に投与。''' | - '''通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×10^6個(4バイアル, 24mL)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に投与。''' | ||
- '''投与方法:''' | - '''投与方法:''' | ||
- 原発口周辺へ2バイアルを注入。 | - 原発口周辺へ2バイアルを注入。 | ||
- 瘻管壁内に残りの2バイアルを注入。 | - 瘻管壁内に残りの2バイアルを注入。 | ||
'''投与時の注意点:''' | '''投与時の注意点:''' | ||
- '''膿瘍がある場合、投与前に排膿処置を行うこと。''' | - '''膿瘍がある場合、投与前に排膿処置を行うこと。''' | ||
- '''血管内投与を避けるため、投与前に針を吸引して確認。''' | - '''血管内投与を避けるため、投与前に針を吸引して確認。''' | ||
- '''瘻孔の掻爬処置を事前に実施すること。''' | - '''瘻孔の掻爬処置を事前に実施すること。''' | ||
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'''重大な副作用と発生頻度:''' | '''重大な副作用と発生頻度:''' | ||
- '''肛門膿瘍(7.8%)''' → 適切な抗菌療法を検討 | - '''肛門膿瘍(7.8%)''' → 適切な抗菌療法を検討 | ||
- '''肛門周囲痛(4.9%)''' → 痛みの管理を行う | - '''肛門周囲痛(4.9%)''' → 痛みの管理を行う | ||
'''その他の副作用:''' | '''その他の副作用:''' | ||
- 下痢、肛門不快感、発熱、注射部位反応(1~5%) | - 下痢、肛門不快感、発熱、注射部位反応(1~5%) | ||
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- '''肛門膿瘍の疑い''' → 速やかに抗菌療法を実施 | - '''肛門膿瘍の疑い''' → 速やかに抗菌療法を実施 | ||
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'''Q1. 服用タイミングは?''' | '''Q1. 服用タイミングは?''' | ||
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'''インタビューフォーム''' | '''インタビューフォーム''' | ||
https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=566 | https://www.takedamed.com/medicine/detail?medicine_id=566 |
2025年2月19日 (水) 09:08時点における版
基本情報
販売名: アロフィセル注
一般名: ダルバドストロセル (Darvadstrocel)
製造販売元: 武田薬品工業株式会社
薬効分類: 指定再生医療等製品
規制区分: 指定再生医療等製品、処方箋医薬品

クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- クローン病患者における複雑痔瘻対象試験
- 海外第Ⅲ相試験(Cx601-0302試験): クローン病患者の肛門周囲複雑瘻孔を対象とし、プラセボ群に対する優越性を確認(24週後の複合寛解率: 49.5% vs 34.3%, p=0.024)。 - 国内第Ⅲ相試験(Darvadstrocel-3002試験): 日本人患者を対象とした試験で、24週後の複合寛解率は59.1%。
- 長期フォローアップ
- 52週後の複合寛解率は68.2%で維持。
効能・用法
適応症:
- 非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療
- ただし、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る。
用法・用量:
- 通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×10^6個(4バイアル, 24mL)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に投与。
- 投与方法:
- 原発口周辺へ2バイアルを注入。 - 瘻管壁内に残りの2バイアルを注入。
投与時の注意点:
- 膿瘍がある場合、投与前に排膿処置を行うこと。
- 血管内投与を避けるため、投与前に針を吸引して確認。
- 瘻孔の掻爬処置を事前に実施すること。
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 肛門膿瘍(7.8%) → 適切な抗菌療法を検討
- 肛門周囲痛(4.9%) → 痛みの管理を行う
その他の副作用:
- 下痢、肛門不快感、発熱、注射部位反応(1~5%)
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
- 免疫抑制剤(タクロリムス、シクロスポリン) → 免疫調整作用への影響の可能性
- 生物学的製剤(抗TNFα抗体等) → 免疫応答変化のリスク
緊急時対応
副作用管理フロー:
- 肛門膿瘍の疑い → 速やかに抗菌療法を実施
- 疼痛管理が必要な場合 → NSAIDsまたは適宜鎮痛剤の使用を検討
FAQ(よくある質問)
Q1. 服用タイミングは?
A1. 静脈内投与は不可。瘻孔に局所注入する形で投与される。
Q2. 効果が出るまでの時間は?
A2. 24週間後に臨床的効果が確認される場合が多い。
Q3. 再投与は可能か?
A3. 現時点では再投与の臨床データが不足しており、慎重に判断が必要。
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