アロフィセル注
基本情報
販売名: アロフィセル注
一般名: ダルバドストロセル (Darvadstrocel)
製造販売元: 武田薬品工業株式会社
薬効分類: 指定再生医療等製品
規制区分: 指定再生医療等製品、処方箋医薬品
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- クローン病患者における複雑痔瘻対象試験
- 海外第Ⅲ相試験(Cx601-0302試験): クローン病患者の肛門周囲複雑瘻孔を対象とし、プラセボ群に対する優越性を確認(24週後の複合寛解率: 49.5% vs 34.3%, p=0.024)。 - 国内第Ⅲ相試験(Darvadstrocel-3002試験): 日本人患者を対象とした試験で、24週後の複合寛解率は59.1%。
- 長期フォローアップ
- 52週後の複合寛解率は68.2%で維持。
効能・用法
適応症:
- 非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療
- ただし、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る。
用法・用量:
- 通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×10^6個(4バイアル, 24mL)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に投与。
- 投与方法:
- 原発口周辺へ2バイアルを注入。 - 瘻管壁内に残りの2バイアルを注入。
投与時の注意点:
- 膿瘍がある場合、投与前に排膿処置を行うこと。
- 血管内投与を避けるため、投与前に針を吸引して確認。
- 瘻孔の掻爬処置を事前に実施すること。
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 肛門膿瘍(7.8%) → 適切な抗菌療法を検討
- 肛門周囲痛(4.9%) → 痛みの管理を行う
その他の副作用:
- 下痢、肛門不快感、発熱、注射部位反応(1~5%)
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
- 免疫抑制剤(タクロリムス、シクロスポリン) → 免疫調整作用への影響の可能性
- 生物学的製剤(抗TNFα抗体等) → 免疫応答変化のリスク
緊急時対応
副作用管理フロー:
- 肛門膿瘍の疑い → 速やかに抗菌療法を実施
- 疼痛管理が必要な場合 → NSAIDsまたは適宜鎮痛剤の使用を検討
FAQ(よくある質問)
Q1. 服用タイミングは?
A1. 静脈内投与は不可。瘻孔に局所注入する形で投与される。
Q2. 効果が出るまでの時間は?
A2. 24週間後に臨床的効果が確認される場合が多い。
Q3. 再投与は可能か?
A3. 現時点では再投与の臨床データが不足しており、慎重に判断が必要。
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