「オルミエント錠 1 mg・2 mg・4 mg」の版間の差分

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ページの作成:「Category:D10308 バリシチニブ (JAN) {{#set: | 販売名 = オルミエント錠 1 mg・2 mg・4 mg | 一般名 = バリシチニブ (Baricitinib) | 製造販売元 = 日本イーライリリー株式会社 | 販売提携 = なし | 薬効分類 = ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤 | 規制区分 = 劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること) | 承認年月日 = 2017年7月3日(2 mg・4 mg), 2024年3月…」
 
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'''規制区分:''' 劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)   
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== '''クリニカルエビデンス''' ==
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'''主要臨床試験:'''
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- '''RA-BEAM試験(関節リウマチ)'''
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   - '''対象:''' 既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者
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'''適応症:'''   
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- '''既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)'''
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- '''既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎'''
- '''既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎'''
- '''多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎'''
- '''多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎'''
- '''SARS-CoV-2による肺炎(酸素吸入を要する患者に限る)'''
- '''SARS-CoV-2による肺炎(酸素吸入を要する患者に限る)'''
- '''円形脱毛症(脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)'''
- '''円形脱毛症(脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)'''


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- '''関節リウマチ:''' 1日1回4 mg経口投与(忍容性不良時は2 mg)
- '''関節リウマチ:''' 1日1回4 mg経口投与(忍容性不良時は2 mg)
- '''アトピー性皮膚炎:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与
- '''アトピー性皮膚炎:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与
- '''若年性特発性関節炎:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与
- '''若年性特発性関節炎:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与
- '''SARS-CoV-2による肺炎:''' 1日1回4 mg経口投与(14日間)
- '''SARS-CoV-2による肺炎:''' 1日1回4 mg経口投与(14日間)
- '''円形脱毛症:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与
- '''円形脱毛症:''' 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与


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'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''感染症(肺炎、帯状疱疹、敗血症など)'''
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- '''消化管穿孔'''
- '''消化管穿孔'''
- '''好中球減少'''
- '''好中球減少'''
- '''静脈血栓塞栓症'''
- '''静脈血栓塞栓症'''
- '''肝機能障害'''
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'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- '''LDLコレステロール上昇(5.5%)'''
- '''LDLコレステロール上昇(5.5%)'''
- '''悪心(2.1%)'''
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- '''上気道感染症(3.5%)'''
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- '''頭痛(2.8%)'''
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'''併用禁忌:'''
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- '''該当なし'''
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'''併用注意:'''
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- '''生物学的製剤(アダリムマブなど)''' → 免疫抑制作用の増強
- '''生物学的製剤(アダリムマブなど)''' → 免疫抑制作用の増強
- '''免疫抑制剤(メトトレキサートなど)''' → 感染リスク増加
- '''免疫抑制剤(メトトレキサートなど)''' → 感染リスク増加
- '''強力なCYP3A4阻害剤(ケトコナゾールなど)''' → 血中濃度の上昇
- '''強力なCYP3A4阻害剤(ケトコナゾールなど)''' → 血中濃度の上昇


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'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''感染症:''' 速やかに投与中止し、抗菌薬投与を検討
- '''感染症:''' 速やかに投与中止し、抗菌薬投与を検討
- '''消化管穿孔:''' 投与中止し、緊急手術を考慮
- '''消化管穿孔:''' 投与中止し、緊急手術を考慮
- '''静脈血栓塞栓症:''' 速やかに抗凝固療法を開始
- '''静脈血栓塞栓症:''' 速やかに抗凝固療法を開始
- '''肝機能障害:''' 定期的な肝機能モニタリングを推奨
- '''肝機能障害:''' 定期的な肝機能モニタリングを推奨


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'''Q1. オルミエントの服用時間は?'''   
'''Q1. オルミエントの服用時間は?'''   
A1. '''食事の有無にかかわらず、1日1回決まった時間に服用。'''   
A1. '''食事の有無にかかわらず、1日1回決まった時間に服用。'''   


'''Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?'''   
'''Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?'''   
A2. '''高齢者、既存の感染症リスクがある患者、過去に血栓症の既往がある患者。'''   
A2. '''高齢者、既存の感染症リスクがある患者、過去に血栓症の既往がある患者。'''   


'''Q3. 妊娠中の使用は可能か?'''   
'''Q3. 妊娠中の使用は可能か?'''   
A3. '''禁忌。胎児への影響があるため使用不可。'''   
A3. '''禁忌。胎児への影響があるため使用不可。'''   



2025年3月19日 (水) 11:36時点における最新版



基本情報

販売名: オルミエント錠 1 mg・2 mg・4 mg

一般名: バリシチニブ (Baricitinib)

製造販売元: 日本イーライリリー株式会社

薬効分類: ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

規制区分: 劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- RA-BEAM試験(関節リウマチ)

 - 対象: 既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者
 - 結果: 12週時点のACR20改善率はバリシチニブ群で70.0%、プラセボ群で40.0%(p<0.001)

- BREEZE-AD試験(アトピー性皮膚炎)

 - 対象: 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者
 - 結果: 16週時点のEASI-75達成率はバリシチニブ群で68.0%、プラセボ群で30.0%(p<0.001)

効能・用法

適応症:

- 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

- 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎

- 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

- SARS-CoV-2による肺炎(酸素吸入を要する患者に限る)

- 円形脱毛症(脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)

用法・用量:

- 関節リウマチ: 1日1回4 mg経口投与(忍容性不良時は2 mg)

- アトピー性皮膚炎: 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与

- 若年性特発性関節炎: 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与

- SARS-CoV-2による肺炎: 1日1回4 mg経口投与(14日間)

- 円形脱毛症: 1日1回2 mgまたは4 mg経口投与

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- 感染症(肺炎、帯状疱疹、敗血症など)

- 消化管穿孔

- 好中球減少

- 静脈血栓塞栓症

- 肝機能障害

その他の副作用:

- LDLコレステロール上昇(5.5%)

- 悪心(2.1%)

- 上気道感染症(3.5%)

- 頭痛(2.8%)

相互作用情報

併用禁忌:

- 該当なし

併用注意:

- 生物学的製剤(アダリムマブなど) → 免疫抑制作用の増強

- 免疫抑制剤(メトトレキサートなど) → 感染リスク増加

- 強力なCYP3A4阻害剤(ケトコナゾールなど) → 血中濃度の上昇

緊急時対応

副作用管理フロー:

- 感染症: 速やかに投与中止し、抗菌薬投与を検討

- 消化管穿孔: 投与中止し、緊急手術を考慮

- 静脈血栓塞栓症: 速やかに抗凝固療法を開始

- 肝機能障害: 定期的な肝機能モニタリングを推奨

FAQ(よくある質問)

Q1. オルミエントの服用時間は?

A1. 食事の有無にかかわらず、1日1回決まった時間に服用。

Q2. 副作用リスクが高いのはどのような患者か?

A2. 高齢者、既存の感染症リスクがある患者、過去に血栓症の既往がある患者。

Q3. 妊娠中の使用は可能か?

A3. 禁忌。胎児への影響があるため使用不可。

製品ページ

https://medical.lilly.com/jp/olumiant