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- '''扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法''' | - '''扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法''' | ||
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- '''通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注''' | - '''通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注''' | ||
- '''悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用''' | - '''悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用''' | ||
- '''術前補助療法では最大4コースまで投与可能''' | - '''術前補助療法では最大4コースまで投与可能''' | ||
- '''葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨''' | - '''葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨''' | ||
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- '''腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可''' | - '''腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可''' | ||
- '''治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与''' | - '''治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与''' | ||
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'''重大な副作用と発生頻度:''' | '''重大な副作用と発生頻度:''' | ||
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- '''腎不全:''' 透析の可能性を考慮し、投与中止 | - '''腎不全:''' 透析の可能性を考慮し、投与中止 | ||
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A1. '''葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。''' | A1. '''葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。''' | ||
'''Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?''' | '''Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?''' | ||
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'''Q3. 本剤投与前に必要な準備は?''' | '''Q3. 本剤投与前に必要な準備は?''' | ||
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2025年3月19日 (水) 11:34時点における最新版
基本情報
販売名: アリムタ®注射用 100mg・500mg
一般名: ペメトレキセドナトリウム水和物 (Pemetrexed Sodium Hydrate)
製造販売元: 日本イーライリリー株式会社
薬効分類: 代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤(葉酸代謝拮抗剤)
規制区分: 劇薬・処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること)
クリニカルエビデンス
主要臨床試験:
- 海外第III相試験(悪性胸膜中皮腫)
- 対象: 化学療法未治療の悪性胸膜中皮腫患者 - 主要評価項目: 全生存期間(OS) - 結果: 本剤+シスプラチン併用群はシスプラチン単独群と比較して有意なOSの延長を示した(中央値12.1ヶ月 vs 9.3ヶ月、p=0.020)
- 海外第III相試験(非小細胞肺癌)
- 対象: 扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌(NSCLC)患者 - 主要評価項目: 無増悪生存期間(PFS) - 結果: 本剤+シスプラチン併用群は標準治療群と比較し、PFSが有意に延長(5.3ヶ月 vs 4.7ヶ月、p<0.05)
効能・用法
適応症:
- 悪性胸膜中皮腫(シスプラチンとの併用)
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(扁平上皮癌を除く)
- 扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法
用法・用量:
- 通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注
- 悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用
- 術前補助療法では最大4コースまで投与可能
- 葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨
特記事項:
- 腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可
- 治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与
副作用とその管理
重大な副作用と発生頻度:
- 骨髄抑制(好中球減少:40%、貧血:30%)
- 間質性肺炎(0.5%)
- 腎不全(1.1%)
- 重度の下痢(2.3%)
- アナフィラキシー(頻度不明)
その他の副作用:
- 悪心(60.5%)
- 倦怠感(43.5%)
- 食欲不振(25.5%)
相互作用情報
併用禁忌:
- 該当なし
併用注意:
- NSAIDs(イブプロフェン等) → 腎排泄遅延による血中濃度上昇リスク
- シスプラチン → 腎障害増強の可能性あり
- ワルファリン → 出血傾向の増強
緊急時対応
副作用管理フロー:
- 骨髄抑制: 好中球減少<500/μLの際はG-CSF投与を考慮
- 腎不全: 透析の可能性を考慮し、投与中止
- 間質性肺炎: ステロイド投与を考慮
FAQ(よくある質問)
Q1. ペメトレキセドはどのような機序で作用するか?
A1. 葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。
Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?
A2. CrCl < 45mL/minの患者には投与不可。慎重な腎機能モニタリングが必要。
Q3. 本剤投与前に必要な準備は?
A3. 投与開始7日前から葉酸(1日0.5mg経口)とビタミンB12(9週間ごとに1回筋注)を実施。
Q4. 保存方法は?
A4. 室温保存。光を避ける。
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