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ページの作成:「Category:D06503 ペメトレキセドナトリウム水和物 (JAN) {{#set: | 販売名 = アリムタ®注射用 100mg・500mg | 一般名 = ペメトレキセドナトリウム水和物 (Pemetrexed Sodium Hydrate) | 製造販売元 = 日本イーライリリー株式会社 | 薬効分類 = 代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤(葉酸代謝拮抗剤) | 規制区分 = 劇薬・処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること) |…」
 
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'''規制区分:''' 劇薬・処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること)   
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== '''クリニカルエビデンス''' ==
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'''主要臨床試験:'''
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- '''海外第III相試験(悪性胸膜中皮腫)'''
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   - '''対象:''' 化学療法未治療の悪性胸膜中皮腫患者
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'''適応症:'''   
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- '''悪性胸膜中皮腫'''(シスプラチンとの併用)   
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- '''切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌'''(扁平上皮癌を除く)   
- '''切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌'''(扁平上皮癌を除く)   
- '''扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法'''
- '''扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法'''


'''用法・用量:'''   
'''用法・用量:'''   
- '''通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注'''
- '''通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注'''
- '''悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用'''
- '''悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用'''
- '''術前補助療法では最大4コースまで投与可能'''
- '''術前補助療法では最大4コースまで投与可能'''
- '''葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨'''
- '''葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨'''


'''特記事項:'''
'''特記事項:'''
- '''腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可'''
- '''腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可'''
- '''治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与'''
- '''治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与'''


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'''重大な副作用と発生頻度:'''
'''重大な副作用と発生頻度:'''
- '''骨髄抑制(好中球減少:40%、貧血:30%)'''
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- '''間質性肺炎(0.5%)'''
- '''間質性肺炎(0.5%)'''
- '''腎不全(1.1%)'''
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- '''重度の下痢(2.3%)'''
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- '''アナフィラキシー(頻度不明)'''
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'''その他の副作用:'''
'''その他の副作用:'''
- '''悪心(60.5%)'''
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- '''倦怠感(43.5%)'''
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- '''食欲不振(25.5%)'''
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'''併用禁忌:'''
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- '''該当なし'''   
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'''併用注意:'''
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- '''NSAIDs(イブプロフェン等)''' → 腎排泄遅延による血中濃度上昇リスク   
- '''NSAIDs(イブプロフェン等)''' → 腎排泄遅延による血中濃度上昇リスク   
- '''シスプラチン''' → 腎障害増強の可能性あり   
- '''シスプラチン''' → 腎障害増強の可能性あり   
- '''ワルファリン''' → 出血傾向の増強   
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'''副作用管理フロー:'''
'''副作用管理フロー:'''
- '''骨髄抑制:''' 好中球減少<500/μLの際はG-CSF投与を考慮   
- '''骨髄抑制:''' 好中球減少<500/μLの際はG-CSF投与を考慮   
- '''腎不全:''' 透析の可能性を考慮し、投与中止   
- '''腎不全:''' 透析の可能性を考慮し、投与中止   
- '''間質性肺炎:''' ステロイド投与を考慮   
- '''間質性肺炎:''' ステロイド投与を考慮   


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'''Q1. ペメトレキセドはどのような機序で作用するか?'''   
'''Q1. ペメトレキセドはどのような機序で作用するか?'''   
A1. '''葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。'''   
A1. '''葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。'''   


'''Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?'''   
'''Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?'''   
A2. '''CrCl < 45mL/minの患者には投与不可。慎重な腎機能モニタリングが必要。'''   
A2. '''CrCl < 45mL/minの患者には投与不可。慎重な腎機能モニタリングが必要。'''   


'''Q3. 本剤投与前に必要な準備は?'''   
'''Q3. 本剤投与前に必要な準備は?'''   
A3. '''投与開始7日前から葉酸(1日0.5mg経口)とビタミンB12(9週間ごとに1回筋注)を実施。'''   
A3. '''投与開始7日前から葉酸(1日0.5mg経口)とビタミンB12(9週間ごとに1回筋注)を実施。'''   


'''Q4. 保存方法は?'''   
'''Q4. 保存方法は?'''   
A4. '''室温保存。光を避ける。'''   
A4. '''室温保存。光を避ける。'''   


'''製品ページ'''   
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https://medical.lilly.com/jp/alimta
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2025年3月19日 (水) 11:34時点における最新版



基本情報

販売名: アリムタ®注射用 100mg・500mg

一般名: ペメトレキセドナトリウム水和物 (Pemetrexed Sodium Hydrate)

製造販売元: 日本イーライリリー株式会社

薬効分類: 代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤(葉酸代謝拮抗剤)

規制区分: 劇薬・処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること)


クリニカルエビデンス

主要臨床試験:

- 海外第III相試験(悪性胸膜中皮腫)

 - 対象: 化学療法未治療の悪性胸膜中皮腫患者
 - 主要評価項目: 全生存期間(OS)
 - 結果: 本剤+シスプラチン併用群はシスプラチン単独群と比較して有意なOSの延長を示した(中央値12.1ヶ月 vs 9.3ヶ月、p=0.020)

- 海外第III相試験(非小細胞肺癌)

 - 対象: 扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌(NSCLC)患者
 - 主要評価項目: 無増悪生存期間(PFS)
 - 結果: 本剤+シスプラチン併用群は標準治療群と比較し、PFSが有意に延長(5.3ヶ月 vs 4.7ヶ月、p<0.05)

効能・用法

適応症:

- 悪性胸膜中皮腫(シスプラチンとの併用)

- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(扁平上皮癌を除く)

- 扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の術前補助療法

用法・用量:

- 通常、成人にはペメトレキセドとして500mg/m²を3週間ごとに1回、10分間かけて点滴静注

- 悪性胸膜中皮腫にはシスプラチン(75mg/m²)を併用

- 術前補助療法では最大4コースまで投与可能

- 葉酸およびビタミンB12を併用し、副作用を軽減することが推奨

特記事項:

- 腎機能(CrCl < 45mL/min)の低下患者には使用不可

- 治療開始前にビタミンB12(筋注)および葉酸(経口)を投与

副作用とその管理

重大な副作用と発生頻度:

- 骨髄抑制(好中球減少:40%、貧血:30%)

- 間質性肺炎(0.5%)

- 腎不全(1.1%)

- 重度の下痢(2.3%)

- アナフィラキシー(頻度不明)

その他の副作用:

- 悪心(60.5%)

- 倦怠感(43.5%)

- 食欲不振(25.5%)

相互作用情報

併用禁忌:

- 該当なし

併用注意:

- NSAIDs(イブプロフェン等) → 腎排泄遅延による血中濃度上昇リスク

- シスプラチン → 腎障害増強の可能性あり

- ワルファリン → 出血傾向の増強

緊急時対応

副作用管理フロー:

- 骨髄抑制: 好中球減少<500/μLの際はG-CSF投与を考慮

- 腎不全: 透析の可能性を考慮し、投与中止

- 間質性肺炎: ステロイド投与を考慮

FAQ(よくある質問)

Q1. ペメトレキセドはどのような機序で作用するか?

A1. 葉酸代謝経路を阻害し、核酸合成を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑える。

Q2. 腎機能低下時に投与は可能か?

A2. CrCl < 45mL/minの患者には投与不可。慎重な腎機能モニタリングが必要。

Q3. 本剤投与前に必要な準備は?

A3. 投与開始7日前から葉酸(1日0.5mg経口)とビタミンB12(9週間ごとに1回筋注)を実施。

Q4. 保存方法は?

A4. 室温保存。光を避ける。

製品ページ

https://medical.lilly.com/jp/alimta