Clinical snapshot

5%ヒビテン液

クロルヘキシジングルコン酸塩

添付文書改訂 2023年08月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者

  2. 2.2脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]

  3. 2.3腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。]

  4. 2.4眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。]

効能・効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

用法・用量

  • 〈手指・皮膚の消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる。

  • 〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。

  • 〈皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒〉

クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。

使用上の注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)

  2. 9.1.2喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
じん麻疹 1%未満
発疹 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている6),7)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1クロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示す8),9)(in vitro)。

  2. 18.2.2グラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられる10)。グラム陰性菌のうち、AlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属等には、まれにクロルヘキシジングルコン酸塩に抵抗する菌株もある11),12),13)(in vitro)。

  3. 18.2.3芽胞形成菌の芽胞には効力を示さない14)(in vitro)。

  4. 18.2.4結核菌に対して水溶液では静菌作用を示し、アルコール溶液では迅速な殺菌作用を示す15)(in vitro)。

  5. 18.2.5真菌類の多くに抗菌力を示すが、全般的に細菌類よりも抗菌力は弱い16)(in vitro)。

  6. 18.2.6ウイルスに対する効力は確定していない。

  7. 18.2.7各種細菌に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の殺菌力(in vitro) 接種量:109/mL  温度:25℃ 中和剤:レシチン3%、ルブロールW10%

供試菌 クロルヘキシジングルコン酸塩(μg/mL) 平均殺菌率(%)
1分 10分 30分
黄色ブドウ球菌
(F.D.A.209)
200
100
99.573
97.911
>99.999
99.940
>99.999
99.976
緑膿菌
(P2試験室菌株)
200
100
99.583
99.259
99.984
99.967
>99.999
>99.999
肺炎桿菌
(試験室菌株)
100
50
99.308
92.238
99.948
98.415
99.996
99.510
チフス菌
(NCTC.786)
100
50
99.985
99.499
99.998
99.963
>99.999
99.995
ゾンネ赤痢菌
(試験室菌株)
200
100
99.149
95.429
99.984
99.661
>99.999
99.993
腸内醸気菌
(試験室菌株)
200
100
99.855
99.339
99.993
99.776
>99.999
99.954
モルガン変形菌
(試験室菌株)
400
200
98.852
94.752
99.911
99.241
99.975
99.865
  1. 18.2.8各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の殺菌力17)(in vitro) 接種菌量:約107 cfu/mL  温度:室温 中和剤:SCDLP液体培地(日本製薬)
試験菌株 作用濃度
(%)
殺菌率(%)
1分 10分 30分
MSSA No.1 0.05
0.1
0.5
99.861
99.923
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
>99.985
MRSA No.2 0.05
0.1
0.5
32.530
77.108
97.952
99.976
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
Escherichia coli No.1 0.05
0.1
0.5
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
>99.983
Serratia marcescens No.2 0.05
0.1
0.5
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
>99.993
Enterobacter cloacae No.1 0.05
0.1
0.5
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
>99.988
Pseudomonas aeruginosa No.1 0.05
0.1
0.5
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
>99.984
Burkholderia cepacia No.3 0.05
0.1
0.5
96.667
97.879
99.985
99.970
>99.985
>99.985
99.985
>99.985
>99.985

薬物動態

16.2 吸収

  1. 16.2.15例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。14C標識物質は塗布後6時間及び24時間後の血中から検出されなかった2)(外国人データ)。

  2. 16.2.215例の健康成人が4%注)のクロルヘキシジングルコン酸塩液10mLで手指と腕の消毒を3週間(1日5回、週5日)行ったが、消毒30分後の血中からクロルヘキシジン及びその誘導体は検出されなかった2)(外国人データ)。 注)本剤の手指・皮膚の消毒に対する承認された用法及び用量は「クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる。」である。

16.5 排泄

5例の健康成人男性の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。塗布後10日間の糞尿中の14C標識物質の総量の測定では、尿中から検出されず、2例の糞便中から塗布量の0.009%以下の14C標識物質が検出された2)(外国人データ)。