Clinical snapshot

20%フルクトン注

果糖注射液

添付文書改訂 2023年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1遺伝性果糖不耐症の患者[果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。]

  2. 2.2低張性脱水症の患者[本症はナトリウムの欠乏により血清の浸透圧が低張になることによって起こる。このような患者に本剤を投与すると、水分量を増加させることになり、症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 注射剤の溶解希釈剤

  • 糖尿病及び糖尿病状態時のエネルギー補給

  • 薬物中毒

  • アルコール中毒

  • その他非経口的に水・エネルギー補給を必要とする場合

用法・用量

通常、成人1回20~500mLを静脈内注射する。 注射剤の溶解希釈には適量を用いる。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1尿崩症の患者

水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
潮紅 頻度不明
発汗 頻度不明
電解質喪失 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ブドウ糖に比べてグリコーゲン生成能が大で、容易に乳酸に分解され、速やかにエネルギー源となり、糖尿病状態時や肝障害時でもエネルギー補給の目的で使用される。主として肝のフルクトキナーゼよって代謝され、インスリンの影響を受けず、糖尿病状態時にも使用できる。また体内窒素平衡に関与し、ブドウ糖に比べ強いタンパク質節約作用があり、糖尿病状態時でも使用できる。 アルコール及び種々の有害物質の解毒を促進する作用もある9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性20例に10%果糖液0.5g/kgを約30分間あるいは50%果糖液0.5g/kgを3~5分間で静脈内投与した結果、血液中果糖濃度は投与終了後それぞれ15分で約40mg/dL、5分で約110mg/dLの値を示し、logarithm曲線的に下降した6)。

16.4 代謝

果糖は主に肝臓で代謝され、fructokinase(ketohexokinase)によりfructose 1-phosphateとなり、ketose 1-phosphate aldolaseによりdihydroxyacetone phosphateとglyceraldehydeになり、glyceraldehydeは直接あるいはglycerolやglycerateを経て、それぞれ解糖系へ入る7)。

16.5 排泄

10%果糖液静注時の血糖及び尿糖を測定した結果、血糖値はほとんど変化せず、尿糖の排泄も認められなかった8)。