下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解
急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌
2.1本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.2髄腔内
下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解
急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌
ビンデシン硫酸塩として、通常成人1回3mg(0.06mg/kg)、小児1回0.07~0.1mg/kgを1週間間隔で静脈内に注射する。 なお、年齢、症状により、適宜増減する。
ビンデシン硫酸塩として、通常成人1回3~4.5mg(0.06~0.09mg/kg)を1週間間隔で静脈内に注射する。 なお、年齢、症状により、適宜増減する。
(注射液の調製法) ビンデシン硫酸塩3mg(1バイアル)又は1mg(1バイアル)に、1mg当り1mLの割合で注射用水又は生理食塩液を加えて溶解する。
8.1骨髄抑制、末梢神経障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
8.2感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
8.3本剤は血液脳関門を十分に通過しないと考えられるので、白血病性中枢神経障害の合併が認められる症例に使用する場合には、他の療法を併用するなど適切な処置を行うこと。
骨髄抑制が増悪するおそれがある。
骨髄抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
末梢神経障害・筋力低下が強くあらわれることがある。
心筋虚血症状が強くあらわれることがある。
致命的な全身障害があらわれることがある。
腎障害が増悪するおそれがある。
本剤の排泄が遅延し、血中濃度の上昇に伴い、副作用発現の可能性が高くなる。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物試験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等に投与する場合には、副作用の発現に特に注意すること。
用量並びに投与間隔に留意すること。生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 他の抗悪性腫瘍剤 | 骨髄抑制等の副作用が増強することがある。 | 共に骨髄抑制作用を有する。 |
| 他の抗悪性腫瘍剤 | 心筋梗塞、脳梗塞等が発現したとの報告がある。 | 機序は不明 |
| 放射線照射 | 骨髄抑制等の副作用が増強することがある。 | 共に骨髄抑制作用を有する。 |
| マイトマイシンC | 息切れ及び気管支痙攣が発現しやすいとの報告がある1)。 | 機序は不明 |
| アゾール系抗真菌剤 • イトラコナゾール 等 |
本剤の筋神経系の副作用が増強するとの報告がある。 | 本剤の代謝は肝代謝酵素CYP3Aが関与しているとの報告がある。アゾール系抗真菌剤は肝代謝酵素CYP3Aを阻害するため、併用により本剤の代謝を抑制する可能性がある。 |
| フェニトイン | フェニトインの血中濃度が低下し、痙攣が増悪するとの報告があるので、フェニトインの投与量を調節することが望ましい。 | 機序は不明 類薬のビンブラスチンでは、フェニトインの吸収の減少又は代謝が亢進するとの報告がある。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇(13.3%)等 | 5%以上 |
| ALT上昇(23.9%) | 5%以上 |
| AST上昇(14.7%) | 5%以上 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇等 | 頻度不明 |
| しびれ感(13.0%) | 5%以上 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 不整脈 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 味覚低下 | 1〜5%未満 |
| 味覚異常等 | 1%未満 |
| 失神 | 1〜5%未満 |
| 尿閉等 | 1〜5%未満 |
| 心電図異常等 | 1〜5%未満 |
| 息切れ | 1〜5%未満 |
| 息切れ | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐(11.2%) | 5%以上 |
| 抑うつ | 1〜5%未満 |
| 振戦 | 1〜5%未満 |
| 排尿障害 | 1〜5%未満 |
| 気管支痙攣 | 頻度不明 |
| 深部腱反射減弱 | 1〜5%未満 |
| 狭心症発作様の症状(胸部痛 | 1〜5%未満 |
| 疼痛 | 1〜5%未満 |
| 発汗亢進) | 1〜5%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹等 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 1〜5%未満 |
| 知覚低下 | 頻度不明 |
| 筋痛 | 1〜5%未満 |
| 脱力感 | 1〜5%未満 |
| 脱毛(25.6%)等 | 5%以上 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 蛋白尿 | 1〜5%未満 |
| 複視 | 1〜5%未満 |
| 静脈炎等 | 頻度不明 |
| 頭痛等 | 1〜5%未満 |
| 顎痛 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振(13.9%) | 5%以上 |
| 黄疸 | 1〜5%未満 |
細胞毒性発現に関する作用機序の詳細はまだ明らかではないが、微小管あるいはその構成蛋白であるチュブリンに関連したものであると考えられている。
P388白血病、ヒト由来T-ALL、B-ALL等に対してすぐれた抗腫瘍作用を示した。
細胞の有糸分裂の中期に作用して細胞分裂を中期停止させ、細胞周期のG2+M期に細胞を蓄積させた(in vitro)。
造血器腫瘍患者4例に注射用ビンデシン硫酸塩3mgを静脈内投与したときの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1・表1に示す。血漿中濃度の推移は2相性を示し、β相(第2相)の半減期は22~29時間であった4),5)。
図1 静脈内投与時の血漿中濃度
| n | AUC0-96(ng・hr/mL) | T1/2β(hr) |
|---|---|---|
| 4 | 133.3±27.7 | 26±3 |
(mean±S.D.)
16.3.1ラットにビンデシン硫酸塩を静脈内投与後、急速に広範囲の組織に分布し、腎臓、肺臓、肝臓、副腎等多くの組織で血漿中よりはるかに高い濃度を示した。中枢神経への移行はわずかであった。組織からの消失は全般に緩徐であり、胸腺、精巣、脾臓、骨髄等では特に緩慢であった6)。
16.3.2ラットにおける妊娠13日目の胎児及び羊水の濃度はそれぞれ母体血漿中濃度の3~4%と極めて低かった6)。
16.3.30.5mg/kg投与群のラットにおける乳汁中濃度は、血中濃度の79~94%を示した。24時間後でも血中濃度の3.8倍の高濃度を示した。1.5mg/kg投与群では、各時間とも0.5mg/kg投与群のそれぞれ2.3~3倍の乳汁中濃度を示し、ほぼ投与量に比例した7)。
16.4.1本剤の代謝に肝代謝酵素CYP3Aが関与することが報告されている8)(in vitro)。
16.4.2ラットの血漿、胆汁、尿、肝臓及び肺臓について、薄層クロマトグラフ法により検索したが、未変化体のほかに明らかなスポットを認めず、ビンデシン硫酸塩の大部分は未変化体として分布、排泄されるものと考えられる7)。
注2)本剤の承認された用法及び用量は、急性白血病、悪性リンパ腫に対して1回3mg(0.06mg/kg)、肺癌、食道癌に対して1回3~4.5mg(0.06~0.09mg/kg)である。