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亜硝酸アミル「AFP」

亜硝酸アミル

添付文書改訂 2022年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈狭心症〉
  1. 2.1心筋梗塞の急性期の患者[心筋梗塞の急性期では血圧低下がみられるので、本剤の投与により末梢血管が拡張され、さらに血圧が低下し、心原性ショックを誘発するおそれがある。]

  2. 2.2閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

  3. 2.3頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

  4. 2.4高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]

  5. 2.5硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  6. 2.6ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者

効能・効果

  • 狭心症

  • シアン及びシアン化合物による中毒

用法・用量

  • 〈狭心症〉

1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕し、内容を被覆に吸収させ、鼻孔に当てて吸入させる。

  • 〈シアン及びシアン化合物による中毒〉

  • 直接吸入:直接吸入は、自発呼吸がある場合に実施する。1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕し、内容を被覆に吸収させ、鼻孔に当てて吸入させる。なお、症状により適宜増量する。

  • 回路内への投入:バッグマスク等の呼吸器経路内に、1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕した亜硝酸アミルのアンプルを投入し内容を吸入させる。なお、症状により適宜増量する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1過度に使用した場合、急激な血圧低下による意識消失を起こすことがあるので、十分注意すること。 過度の血圧低下、意識消失が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

  2. 8.2吸入後に起立性低血圧を起こし、めまい、脱力、失神又はその他の脳貧血症状が一過性にあらわれることがあるので注意すること。このような場合、頭を低くして寝かせ、深呼吸をさせ、四肢を動かせるなどの処置を行うことによって回復がはやまる。

  3. 8.3本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用が起こりやすく、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので注意すること。

  • 〈シアン及びシアン化合物による中毒〉
  1. 8.4血液ガス検査装置等で血中メトヘモグロビン濃度を適宜測定し、20~25%以下にコントロールしながら、人工呼吸器等による酸素吸入を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1低血圧の患者

血圧を低下させる。

  1. 9.1.2原発性肺高血圧症の患者

心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。

  1. 9.1.3肥大型閉塞性心筋症の患者

心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。

  • 〈シアン及びシアン化合物による中毒〉
  1. 9.1.4心筋梗塞の急性期の患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。心筋梗塞の急性期では血圧低下がみられるので、本剤の投与により末梢血管が拡張され、さらに血圧が低下し、心原性ショックを誘発するおそれがある。

  1. 9.1.5閉塞隅角緑内障の患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。眼圧を上昇させるおそれがある。

  1. 9.1.6頭部外傷又は脳出血のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。

  1. 9.1.7高度な貧血のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.8硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

9.5 妊婦

  • 〈狭心症〉

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

  • 〈シアン及びシアン化合物による中毒〉

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいが、治療上やむを得ないと判断される場合はこの限りではない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

起立性低血圧などが起こりやすい。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

  • 〈狭心症〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
• シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。 本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
• リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。 本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

  • 〈効能共通〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール 血圧低下を起こすことがある。 アルコールにより血管拡張作用が増強されるためと考えられている。
  • 〈シアン及びシアン化合物による中毒〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
• シルデナフィルクエン酸塩
バルデナフィル塩酸塩水和物
タダラフィル
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においては治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。 本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
• リオシグアト
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においては治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。 本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 頻度不明
便失禁 頻度不明
動悸 頻度不明
呼吸障害 頻度不明
失神 頻度不明
尿失禁 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
発汗 頻度不明
紅潮 頻度不明
脳貧血 頻度不明
虚脱 頻度不明
血圧低下 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1狭心症

分子内から一酸化窒素(NO)を遊離し、これが血管細胞内のグアニル酸シクラーゼ活性化し、細胞内cGMPを増量して血管平滑筋の弛緩を起こす3)。

  1. 18.1.2シアン及びシアン化合物による中毒

シアンはFe3+に特異的な親和性を持ちミトコンドリア内のcytochrome oxidaseのFe3+と容易に結合し、作用を停止させることにより細胞呼吸を停止させる。この結合は解離性であるため、血中にFe3+が存在すればcytochrome oxidaseからシアンは解離し、cytochrome oxidaseは機能を回復する。亜硝酸アミルはヘモグロビンのFe2+を酸化し、メトヘモグロビンFe3+を形成して競合させることにより、cytochrome oxidase-シアン complexからシアンを解離させることができる。4)

18.2 メトヘモグロビン生成作用

雄性ビーグル犬に亜硝酸アミルを静脈内投与又は吸入し、血中ヘモグロビン量及び血中メトヘモグロビン量を測定した結果、投与後5~10分で血中メトヘモグロビン量は9.9~29.6%に上昇した。その間血中ヘモグロビン量に変化は認められなかった。5)

18.3 シアン中毒に対する解毒作用

ビーグル犬にペントバルビタール麻酔下、シアン化ナトリウムを2.5mg/kg静脈内投与し、解毒処置を行った。無治療又は人工呼吸のみの対照群では5~10分で20例全例が死亡したのに対し、シアン化ナトリウム投与直後に亜硝酸アミル0.66mL静注群では24時間まで生存が4/10、72時間まで生存例0/10、シアンによる急性心不全発現発生開始時に亜硝酸アミル0.33mLを人工呼吸器のスターリングポンプ内に投与し吸入した群、及びシアン化ナトリウム投与1~3分後に亜硝酸アミル0.33mLを人工呼吸器のアンブーバッグ内に投与し吸入させた群は各10例全例が生存した。6)