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重症筋無力症、クラーレ剤(ツボクラリン)による遷延性呼吸抑制、消化管機能低下のみられる手術後及び分娩後の腸管麻痺、手術後及び分娩後における排尿困難
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非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗
【警告】
非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射するにあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤の作用及び使用法について熟知した医師のみが使用すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[蠕動運動を亢進させ、また排尿筋を収縮させる作用を有する。]
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.3迷走神経緊張症の患者[迷走神経興奮作用を有する。]
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2.4脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者
効能・効果
用法・用量
- 〈重症筋無力症、クラーレ剤(ツボクラリン)による遷延性呼吸抑制、消化管機能低下のみられる手術後及び分娩後の腸管麻痺、手術後及び分娩後における排尿困難〉
通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。 なお、重症筋無力症の場合は症状により、その他の適応の場合は年齢、症状により、それぞれ適宜増減する。
- 〈非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗〉
通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.5~2.0mgを緩徐に静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、アトロピン硫酸塩水和物を静脈内注射により併用すること。
使用上の注意
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8.1ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内注射し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行うこと。
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8.1.1コリン作動性クリーゼ
腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mgを静脈内注射する。更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。
- 8.1.2筋無力性クリーゼ
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状の改善が認められた場合は、本剤の投与量を増加する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1気管支喘息の患者
気管支平滑筋を収縮させることがある。
- 9.1.2甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3冠動脈閉塞のある患者
冠動脈を収縮させることがある。
- 9.1.4徐脈のある患者
徐脈を更に増強させるおそれがある。
- 9.1.5消化性潰瘍の患者
胃酸分泌を促進させることがある。
- 9.1.6てんかんの患者
骨格筋の緊張が高まり、痙攣症状を増強させるおそれがある。
- 9.1.7パーキンソン症候群の患者
不随意運動を増強させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能低下のある患者
本剤の排泄が遅延し、作用が増強・持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 脱分極性筋弛緩剤 スキサメトニウム塩化物水和物 • スキサメトニウム、レラキシン |
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。 | 本剤はコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| コリン作動薬 • アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩等 |
相互に作用が増強される。 | 本剤はコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩の分解を抑制する。 |
| 副交感神経抑制剤 • アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ブトロピウム臭化物等 |
副交感神経抑制剤はコリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化し、本剤の過剰投与を招くおそれがあるので、副交感神経抑制剤の常用は避けること。 | 副交感神経抑制剤は本剤の作用に拮抗する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 唾液の分泌過多 | 頻度不明 |
| 大量投与による不安・興奮・虚脱・脱力・筋攣縮・骨格筋の線維束攣縮等 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 気管支痙攣 | 頻度不明 |
| 気道分泌の亢進 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 縮瞳 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血圧降下 | 頻度不明 |
| 過敏症状 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アセチルコリンはコリン作動性神経(cholinergic nerve)における刺激伝達物質と考えられているが、これを選択的に分解する生体内酵素コリンエステラーゼによって加水分解され、その作用を消失する。ネオスチグミンは、このコリンエステラーゼを一時的に不活化して、アセチルコリンの分解を抑制し、間接的にアセチルコリンの作用を増強するとともに、自らもアセチルコリン様の作用を有するコリン作動薬(副交感神経興奮剤)である。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1重症筋無力症患者
重症筋無力症患者5例にネオスチグミンメチル硫酸塩として2mgを単回筋肉内注射したときのネオスチグミンの薬物動態パラメータを表16-1に示す6)(外国人データ)。
| 投与量(mg) | n | Cmax(ng/mL) | T1/2(hr) |
|---|---|---|---|
| 2 | 5 | 21±2 | 1.20±0.11 |
(測定法:ガスクロマトグラフィー)(mean±S.E.)
重症筋無力症の承認された用法・用量は「通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。」である。
- 16.1.2腎機能正常手術患者、両側腎摘出患者及び腎移植患者
腎機能正常手術患者8例、両側腎摘出患者4例及び腎移植患者6例にネオスチグミンメチル硫酸塩として2mgを単回静脈内注射したときのネオスチグミンの薬物動態パラメータを表16-2に示す7)(外国人データ)。
| 投与量 (mg) |
投与 条件 |
投与対象 | n | T1/2 (min) |
分布容積 (L/kg) |
CLt注1 (mL/kg/min) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 麻酔下 | 腎機能正常手術患者 | 8 | 79.8±48.6 | 1.4±0.5 | 16.7±5.4 |
| 2 | 麻酔下 | 両側腎摘出患者 | 4 | 181.1±54.4注2 | 1.6±0.2 | 7.8±2.6注2 |
| 2 | 麻酔下 | 腎移植患者 | 6 | 104.7±64.0 | 2.1±1.0 | 18.8±5.8 |
注1:全身クリアランス 注2:腎機能正常手術患者と有意差ありp<0.05(t検定) (測定法:ガスクロマトグラフィー)(mean±S.D.)
16.3 分布
蛋白結合率:15~25%(外国人データ)
16.5 排泄
重症筋無力症患者3例に14C-標識ネオスチグミンメチル硫酸塩1mgあるいは2mgを単回筋肉内注射したとき、24時間以内に投与放射活性の約82%が尿中に排泄された。その尿中には未変化体約50%、活性代謝物3-ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウム約15%、そのグルクロン酸抱合体0.7%が認められた6)(外国人データ)。 重症筋無力症の承認された用法・用量は「通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。」である。