Clinical snapshot

ロレアス配合錠「杏林」

クロピドグレル硫酸塩アスピリン

添付文書改訂 2026年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1出血している患者(血友病、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長するおそれがある。]

  2. 2.2出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。]

  3. 2.3本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがある。]

  5. 2.5アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤なアスピリン喘息発作を誘発させることがある。]

  6. 2.6出産予定日12週以内の妊婦

効能・効果

  • 経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患

  • 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)

  • 安定狭心症、陳旧性心筋梗塞

用法・用量

通常、成人には、1日1回1錠(クロピドグレルとして75mg及びアスピリンとして100mg)を経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること。

  2. 8.2本剤を適用するにあたっては、クロピドグレル硫酸塩又はアスピリン単独投与に比べ出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。

  3. 8.3本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。投与中止期間中は必要に応じて単剤の抗血小板剤の使用も検討すること。また、血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な血栓塞栓症の発症抑制策を講じること。なお、十分な休薬期間を設けることが出来ない場合は重大な出血のリスクが高まることが報告されているので十分に観察すること。手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。

  4. 8.4高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。

  5. 8.5出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止等を考慮すること。

  6. 8.6後天性血友病(活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の延長、第VIII因子活性低下等)があらわれることがある。aPTTの延長等が認められた場合には、出血の有無にかかわらず、後天性血友病の可能性を考慮し、専門医と連携するなど適切な処置を行うこと。

  7. 8.7患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促すこと。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に注意を促すこと。

  8. 8.8治療中に本剤の投与を中止あるいは休薬すると、血栓塞栓症の発現リスクが高まることがあるため、単剤の抗血小板剤へ切り替えを検討すること。また、本剤を飲み忘れた場合には気づいた時に1錠服用するよう指導すること。ただし、次の服用時間に近い場合には飲み忘れた分は服用せずに次回服用時に1錠を服用することとし、倍量を服用しないよう患者に指導すること。

  9. 8.9本剤とワルファリン等の抗凝固薬との併用は、抗血栓作用のある薬剤を3成分同時に服用することになり、出血リスクを高めるおそれがあるため、ワルファリン等の抗凝固薬を併用するベネフィットがリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1消化性潰瘍の既往歴のある患者

消化性潰瘍を再発させることがある。

  1. 9.1.2血液の異常又はその既往歴のある患者

血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。

  1. 9.1.3出血傾向の素因のある患者

出血を増強させるおそれがある。

  1. 9.1.4気管支喘息のある患者(アスピリン喘息を有する場合を除く)

アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。

  1. 9.1.5アルコールを常飲している患者

アルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがある。

  1. 9.1.6高血圧が持続している患者

出血の危険性が高くなるおそれがある。

  1. 9.1.7低体重の患者

出血の危険性が高くなるおそれがある。

  1. 9.1.8非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者

本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。

  1. 9.1.9他のチエノピリジン系薬剤(チクロピジン塩酸塩等)に対し過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害患者

本剤の投与は控えること。出血の危険性が高くなるおそれがある。

  1. 9.2.2腎障害又はその既往歴のある患者

腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害患者

本剤の投与は控えること。出血の危険性が高くなるおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害又はその既往歴のある患者

肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1出産予定日12週以内の妊婦

投与しないこと。アスピリンにより妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットにアスピリンを投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。

  1. 9.5.2妊婦(ただし、出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。アスピリンの動物実験(ラット)で催奇形性作用があらわれたとの報告がある。妊娠期間の延長、過期産につながるおそれがある。

9.6 授乳婦

授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。クロピドグレルにおいて動物実験(ラット)で乳汁中に移行すること及びアスピリンにおいてヒト乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。造血機能、腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があり、出血等の副作用があらわれやすい。

相互作用

  • クロピドグレルは、主にCYP2C19により活性代謝物に代謝される。また、クロピドグレルのグルクロン酸抱合体はCYP2C8を阻害する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 非ステロイド性消炎鎮痛剤(ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等) クロピドグレルとの併用により、消化管からの出血が助長されたとの報告がある。 クロピドグレルは血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると消化管出血を助長すると考えられている。
• 非ステロイド性消炎鎮痛剤(ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等) アスピリンとの併用により、出血及び腎機能の低下を起こすことがある。 機序不明
• 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(シロスタゾール、トロンボキサン合成酵素阻害剤(オザグレルナトリウム)、プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体(ベラプロストナトリウム等)、サルポグレラート塩酸塩、イコサペント酸エチル等)血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤(アルテプラーゼ等)等)
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
• 血液凝固阻止剤(ヘパリン製剤、ダナパロイドナトリウム、第Xa因子阻害剤(リバーロキサバン等)、抗トロンビン剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)、トロンボモデュリン アルファ等)
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
• クマリン系抗凝固剤(ワルファリンカリウム)
出血した時、それを助長するおそれがある。また、アスピリンはクマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど慎重に投与すること。 アスピリンは血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、本剤は血小板凝集抑制作用、アスピリンは消化管刺激による出血作用を有する。
• 薬物代謝酵素(CYP2C19)を阻害する薬剤• オメプラゾール クロピドグレルの作用が減弱するおそれがある。 CYP2C19を阻害することにより、クロピドグレルの活性代謝物の血中濃度が低下する。
• 糖尿病用剤(ヒトインスリン、トルブタミド等) アスピリンは糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので、糖尿病用剤を減量するなど慎重に投与すること。 アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、遊離させる。また、アスピリンは大量で血糖降下作用を有する。
• メトトレキサート アスピリンとの併用により、メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。 アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、アスピリンはメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
• バルプロ酸ナトリウム アスピリンはバルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。 アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる。
• フェニトイン アスピリンは総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。 アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
• 副腎皮質ホルモン剤(ベタメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等) アスピリン(高用量投与時)との併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。また、消化管出血を増強させることが考えられる。 機序不明
• リチウム製剤 アスピリンとの併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。 アスピリン(高用量投与時)は腎のプロスタグランジンの生合成を抑制し、腎血流量を減少させることにより、リチウムの腎排泄を低下させることが考えられる。
• チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)ループ利尿剤(フロセミド) アスピリンはこれらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。 アスピリンは腎のプロスタグランジンの生合成を抑制して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられる。
• β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、ピンドロール等)
ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩等)
アスピリンはこれらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。 アスピリンは血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの生合成、遊離を抑制し、血圧を上昇させることが考えられる。
• ニトログリセリン製剤 アスピリンはニトログリセリンの作用を減弱させることがある。 アスピリンはプロスタグランジンの生合成を抑制することにより、冠動脈を収縮させ、ニトログリセリンの作用を減弱させることが考えられる。
• 尿酸排泄促進剤(プロベネシド、ベンズブロマロン) アスピリンはこれらの薬剤の作用を減弱させることがある。 アスピリン(高用量投与時)はこれらの薬剤の尿酸排泄に拮抗する。
• イブプロフェン
ナプロキセン
ピロキシカム
スルピリン
アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。 血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる。
• 炭酸脱水酵素阻害剤(アセタゾラミド等) アスピリンはアセタゾラミドの副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。 アスピリンは血漿蛋白に結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる。
• ドネペジル塩酸塩 アスピリンとの併用により、消化性潰瘍を起こすことがある。 コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
• タクロリムス水和物、シクロスポリン アスピリンとの併用により、腎障害が発現することがある。 腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
• ザフィルルカスト アスピリンとの併用により、ザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。 機序不明
• プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤(ラマトロバン、セラトロダスト) ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、アスピリンによりこれらの薬剤の非結合型分率が上昇することがある。 これら薬剤がアスピリンと血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。
• 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルボキサミンマレイン酸塩、セルトラリン塩酸塩等) 出血を助長するおそれがある。また、アスピリンとの併用により、皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。 SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血を助長すると考えられる。
• アルコール
アスピリンとの併用により、消化管出血が増強されるおそれがある。 アルコールによる胃粘膜障害とアスピリンのプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる。
• 薬物代謝酵素(CYP2C8)の基質となる薬剤• レパグリニド
レパグリニドの血中濃度が増加し、血糖降下作用が増強するおそれがある。 クロピドグレルのグルクロン酸抱合体によるCYP2C8阻害作用により、これら薬剤の血中濃度が増加すると考えられる。
• セレキシパグ セレキシパグの活性代謝物(MRE-269)のCmax及びAUCが増加したとの報告がある。本剤と併用する場合には、セレキシパグの減量を考慮すること。 クロピドグレルのグルクロン酸抱合体によるCYP2C8阻害作用により、これら薬剤の血中濃度が増加すると考えられる。
• 強力なCYP2C19誘導薬• リファンピシン クロピドグレルの血小板阻害作用が増強されることにより出血リスクが高まるおそれがある。
リファンピシン等の強力なCYP2C19誘導薬との併用は避けることが望ましい。
クロピドグレルは主にCYP2C19によって活性代謝物に代謝されるため、CYP2C19酵素を誘導する薬剤との併用によりクロピドグレルの活性代謝物の血漿中濃度が増加する。
• モルヒネ クロピドグレルの血漿中濃度が低下するおそれがある。 モルヒネの消化管運動抑制により、クロピドグレルの吸収が遅延すると考えられる。
• ロスバスタチン クロピドグレル75mgの反復投与後、ロスバスタチンのCmaxには影響せず、AUCが1.4倍上昇したとの報告がある。 クロピドグレルにより、ロスバスタチンの血中濃度が上昇する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1〜5%未満
CK(CPK)上昇 1〜5%未満
Cl下降 頻度不明
CRP上昇 1〜5%未満
K上昇 1〜5%未満
K下降 頻度不明
LDH上昇 1〜5%未満
Na上昇 頻度不明
Na下降 1%未満
アミラーゼ上昇 頻度不明
アルブミン低下 頻度不明
カテーテル留置部位血腫 1〜5%未満
しびれ 頻度不明
そう痒感 1〜5%未満
てんかん 頻度不明
ヘマトクリット減少 1〜5%未満
ヘモグロビン減少 1〜5%未満
ほてり 頻度不明
めまい 1〜5%未満
リンパ球性大腸炎) 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不整脈 1〜5%未満
不眠症 1%未満
中性脂肪上昇 1〜5%未満
乳汁分泌過多 頻度不明
乳腺炎 頻度不明
代謝性アシドーシス 頻度不明
低血圧 頻度不明
低血糖 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 頻度不明
光線過敏性皮膚炎 頻度不明
処置後出血 1〜5%未満
動悸 頻度不明
口内炎 1〜5%未満
口唇出血 1%未満
口唇腫脹 頻度不明
口渇 頻度不明
口腔内出血 1〜5%未満
味覚消失 頻度不明
味覚異常 1%未満
1%未満
唾液分泌過多 頻度不明
嗅覚障害 頻度不明
嘔吐 1%未満
嘔気 1〜5%未満
多発性筋炎 頻度不明
多発性関節炎 1%未満
大腸炎(潰瘍性大腸炎 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好中球減少 1〜5%未満
好酸球増多 1〜5%未満
好酸球減少 頻度不明
尿沈渣異常 1〜5%未満
尿糖陽性 1%未満
尿蛋白増加 1〜5%未満
尿路感染 1%未満
尿道出血 1%未満
尿閉 頻度不明
徐脈 1%未満
心窩部痛 頻度不明
心電図異常 頻度不明
急性腎障害 頻度不明
意識喪失 頻度不明
意識障害 1%未満
扁平苔癬 頻度不明
手指硬直) 頻度不明
斑状丘疹性皮疹 頻度不明
月経過多 1%未満
止血延長 1〜5%未満
歯肉(齦)炎 頻度不明
歯肉出血 1〜5%未満
歯肉腫脹 頻度不明
気分不良) 1%未満
気分変動 頻度不明
気管支炎 頻度不明
気管支痙攣 頻度不明
気管支肺炎 1%未満
水疱性皮疹 頻度不明
注射部位腫脹 1%未満
流涙 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
消化不良 1%未満
消化器不快感 1〜5%未満
湿疹 1〜5%未満
滑液包炎 頻度不明
男性乳房痛 頻度不明
異常感(浮遊感 1%未満
痔出血 1〜5%未満
頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
皮下出血 5%以上
皮膚乾燥 1%未満
皮膚感覚過敏 頻度不明
眠気 頻度不明
眼充血 1〜5%未満
眼出血 1〜5%未満
眼瞼浮腫 頻度不明
眼瞼炎 頻度不明
眼精疲労 頻度不明
穿刺部位出血 1〜5%未満
筋痛 頻度不明
筋骨格硬直(肩こり 頻度不明
粘膜出血 頻度不明
糸球体症 頻度不明
紅斑 1〜5%未満
紫斑(病) 1〜5%未満
結膜炎 頻度不明
総コレステロール上昇 1%未満
総蛋白低下 1%未満
耳下腺痛 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肩痛 1%未満
胃腸炎 1〜5%未満
胃腸障害 頻度不明
胆嚢炎 頻度不明
胆石症 頻度不明
胸やけ 頻度不明
胸水 頻度不明
胸痛 頻度不明
脈拍数低下 頻度不明
脱毛 1〜5%未満
腎機能障害 1〜5%未満
腰痛 頻度不明
腱鞘炎 1%未満
腸管虚血 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1%未満
膨疹 頻度不明
膵炎 頻度不明
蕁麻疹 1〜5%未満
血中クレアチニン上昇 1%未満
血中尿酸上昇 1〜5%未満
血尿 1〜5%未満
血清ビリルビン上昇 1〜5%未満
血清病 頻度不明
血痰 1〜5%未満
血管性浮腫 頻度不明
血管炎 頻度不明
血糖上昇 1〜5%未満
術中出血 1〜5%未満
複視 頻度不明
視力低下 頻度不明
角膜炎 頻度不明
貧血 1〜5%未満
赤血球減少 1〜5%未満
過呼吸 頻度不明
関節炎 1〜5%未満
関節痛 頻度不明
陰茎出血 1%未満
難聴 頻度不明
音声変調 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
食欲不振 1%未満
食道炎 1〜5%未満
高血圧 1〜5%未満
鼻出血 1〜5%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物が、不可逆的に血小板のADP受容体サブタイプP2Y1233)に作用し、ADPの結合を阻害することにより、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑制する34)。

  2. 18.1.2アスピリンはシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)を阻害することにより、トロンボキサンA2(TXA2)の合成を阻害し、血小板凝集を抑制する35)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1クロピドグレル硫酸塩はin vitroでは血小板凝集抑制作用を発現せず、経口投与後、肝で代謝を受けて活性代謝物となり、ADP刺激による血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑制する34)。ラットではコラーゲン及び低濃度トロンビンによる血小板凝集の抑制も認められている36),37)。

  2. 18.2.2クロピドグレル硫酸塩は、中大脳動脈血栓モデル(ラット)38)、動静脈シャントモデル(ラット)39)、冠状動脈周期的血流減少モデル(イヌ)40)、頸動脈バルーン内皮傷害モデル(ウサギ)41)、ステント留置動静脈シャントモデル(ウサギ)41)において血栓形成を抑制し、中大脳動脈脳血栓モデルでは血栓形成抑制に基づいて梗塞サイズを縮小した。頸動脈バルーン内皮傷害モデル、ステント留置動静脈シャントモデルにおける血栓形成抑制効果はアスピリンと併用したとき増強した。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性

ロレアス配合錠「杏林」とコンプラビン配合錠を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(クロピドグレルとして75mg及びアスピリンとして100mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して、クロピドグレル及びアスピリンの血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、クロピドグレル及びアスピリンともlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された9)。

  • 1) クロピドグレル
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロレアス配合錠
「杏林」
4.69
±7.19
5.28
±11.33
0.59
±0.29
6.32
±2.46
コンプラビン配合錠 4.63
±6.36
4.52
±7.17
0.65
±0.28
6.95
±3.53

(Mean±S.D.,n=85)

図16-1 血漿中クロピドグレル未変化体濃度

  • 2) アスピリン
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-12
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロレアス配合錠
「杏林」
1059
±435
880
±433
4.8
±1.5
0.50
±0.78
コンプラビン配合錠 1034
±310
908
±337
4.8
±1.4
0.35
±0.09

(Mean±S.D.,n=85)

図16-2 血漿中アスピリン未変化体濃度

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人男性(18例)にクロピドグレル硫酸塩/アスピリン配合錠1錠を絶食下又は食後に単回経口投与し、クロピドグレル及びアスピリンの吸収に与える食事の影響をクロスオーバー法で検討した時のクロピドグレル及びアスピリンの薬物動態パラメータは次表のとおりであった10)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax注1)
(h)
AUC
(ng・h/mL)
クロピドグレル 絶食下 1.39±1.66 0.75 1.84±2.09
食後 1.08±0.54 2.50 2.62±1.31
アスピリン 絶食下 727±483 4.50 809±411
食後 1010±372 5.50 1050±275

(平均値±標準偏差)

注1)中央値

16.3 分布

  1. 16.3.1クロピドグレル

ラットに14C-4-クロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして5mg/kg)を単回経口投与した場合、放射能濃度は、大部分の臓器において投与0.25〜2時間後に最高値に達した。放射能濃度は、消化管壁・肝臓の順に高く、また脳、脊髄及び骨格筋では低かった11)。また、反復投与による各臓器への蓄積性は認められていない12)。

  1. 16.3.2アスピリン

アスピリンの代謝物であるサリチル酸は、全身の組織及び体液中に広く分布する13)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1クロピドグレル

クロピドグレル硫酸塩は吸収された後、肝臓で主に2つの経路で代謝される。すなわち、1)エステラーゼにより非活性代謝物であるSR26334(主代謝物)を生成する経路と、2)薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)による酸化型代謝物を生成する経路である。後者の経路を経由して、活性代謝物H4が生成される14)。 クロピドグレルの肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種は主にCYP2C19であり、その他にCYP1A2、CYP2B6、CYP3A4等が関与する15),16),17)。また、SR26334はCYP2C9を阻害し、グルクロン酸抱合体はCYP2C8を阻害する18),19)(in vitro)。

  1. 16.4.2アスピリン

アスピリンは、腸管での吸収過程及び生体内(主として肝臓)でサリチル酸に加水分解される。サリチル酸は更に生体内でグリシン抱合及びグルクロン酸抱合を受け、また、ごく一部は水酸化を受けゲンチジン酸に代謝される20)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1クロピドグレル

健康成人に14C-4-クロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして75mg)を単回経口投与した場合、投与5日後までの放射能の累積排泄率は投与放射能の約92%に達し、尿中には約41%、糞中には約51%が排泄された21)(外国人データ)。

  1. 16.5.2アスピリン

経口投与後、投与量の大部分がサリチル酸及びその抱合体として尿中に排泄される22)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者での体内動態

慢性腎不全患者をクレアチニンクリアランスにより重度(5〜15mL/分)と中等度(30〜60mL/分)の2グループに分け、クロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして75mg/日)を8日間反復経口投与した結果、重度慢性腎不全患者において中等度慢性腎不全患者に比べSR26334のAUCは低かった23)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者での体内動態

肝硬変患者と健康成人にクロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして75mg/日)を10日間反復経口投与した結果、未変化体のCmaxが肝硬変患者において健康成人に比較して大きく上昇し、肝機能の低下によるクロピドグレル硫酸塩の代謝への影響が示唆された。SR26334の薬物動態パラメータには差が認められなかった24)(外国人データ)。

  1. 16.6.3CYP2C19遺伝子多型がクロピドグレルの薬物動態に及ぼす影響

健康成人をCYP2C19の代謝能に応じて3群(各群9例)に分け、クロピドグレルとして初日に300mg、その後75mg/日を6日間投与する試験を実施した。CYP2C19の2つの遺伝子多型(CYP2C19 2、CYP2C19 3)についていずれかをホモ接合体又はいずれもヘテロ接合体としてもつ患者群(PM群)では、活性代謝物H4のAUC0-24及びCmaxが、野生型ホモ接合体群(EM群:CYP2C19 1/1)と比較して低下した1)。なお、日本人におけるPMの頻度は、18〜22.5%との報告がある25)。

投与量 CYP2C19遺伝子型注2)
EM IM PM
Cmax
(ng/mL)
300mg
(1日目)
29.8±9.88 19.6±4.73 11.4±4.25
75mg
(7日目)
11.1±4.67 7.00±3.81 3.90±1.36
AUC0-24
(ng・hr/mL)
300mg
(1日目)
39.9±16.8 25.7±6.06 15.9±4.73
75mg
(7日目)
11.1±3.79 7.20±1.93 4.58±1.61

(mean±S.D.)

注2)EM:CYP2C191/*1 IM:*CYP2C191/2あるいはCYP2C191/*3 PM:*CYP2C192/2CYP2C192/*3あるいは*CYP2C193/3

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1レパグリニド

健康成人にクロピドグレル硫酸塩(1日1回3日間、クロピドグレルとして1日目300mg、2〜3日目75mg)を投与し、1日目と3日目にレパグリニド(0.25mg)を併用した結果、レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は、レパグリニドを単独投与したときと比較して1日目は2.5及び5.1倍、3日目は2.0及び3.9倍に増加した。また、t1/2は1.4及び1.2倍であった19)(外国人データ)。

  1. 16.7.2セレキシパグ

健康成人男性22例にセレキシパグ0.2mgを1日2回10日間経口投与し、クロピドグレルを投与4日目に300mg(n=21)、投与5日目から10日目に75mg(n=20)を経口投与した。単独投与と比較して、セレキシパグのCmax及びAUC0-12は、投与4日目では1.35倍及び1.44倍に増加し、投与10日目は0.98倍及び1.14倍であった。同様に、セレキシパグの活性代謝物(MRE-269)のCmax及びAUC0-12は、投与4日目では1.69倍及び2.25倍、投与10日目では1.90倍及び2.70倍に増加した26)。