Clinical snapshot

ロゼウス静注液40mg

ビノレルビン酒石酸塩

添付文書改訂 2024年09月01日

【警告】

  1. 1.1本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2骨髄機能抑制に起因すると考えられる死亡症例が認められているので、投与に際しては、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1骨髄機能低下の著しい患者[重症感染症を併発し、致命的となることがある。]

  2. 2.2重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化し、致命的となるおそれがある。]

  3. 2.3本剤及び他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4髄腔内には投与しないこと。

効能・効果

非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌

用法・用量

  • 〈非小細胞肺癌〉

通常、成人にはビノレルビンとして1回20~25mg/m2を1週間間隔で静脈内に緩徐に注射する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回最高用量は25mg/m2とする。

  • 〈手術不能又は再発乳癌〉

通常、成人にはビノレルビンとして1回25mg/m2を1週間間隔で2週連続投与し、3週目は休薬する。 なお、年齢、症状により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄機能抑制、間質性肺炎、イレウス等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心肺機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれることがあるので、投与は慎重に行うこと。

  2. 8.2感染症の発現又は悪化に十分注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能抑制のある患者(骨髄機能低下の著しい患者を除く)

骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。

  1. 9.1.2間質性肺炎又は肺線維症の既往歴のある患者

症状が再発するおそれがある。

  1. 9.1.3神経・筋疾患の合併あるいは既往歴のある患者

末梢神経障害(知覚異常、腱反射減弱等)が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.4虚血性心疾患又はその既往歴のある患者

症状を誘発若しくは悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5便秘傾向の強い患者

症状を悪化させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験で催奇形性(ラット:頸椎椎弓の癒合、頸椎配列異常等の骨格変異、ウサギ:耳介低形成、側脳室拡張、腰肋等の骨格変異)が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量、投与間隔等に注意して、患者の状態を観察し慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、白血球減少、貧血、血小板減少、BUN上昇、発熱、間質性肺炎、便秘等の副作用があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アゾール系抗真菌剤
• イトラコナゾール等マクロライド系抗生剤
• エリスロマイシン
クラリスロマイシン等カルシウム拮抗剤
• ジルチアゼム
ニフェジピン
ベラパミル等ベンゾジアゼピン系薬剤
• ジアゼパム
トリアゾラム
ミダゾラム等
他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤との併用で筋神経系の副作用の増強が報告されている。 左記薬剤は肝チトクロームP-450(CYP3A4)を阻害するので、併用によりビンカアルカロイドの代謝を阻害する。
マイトマイシンC 息切れ及び気管支痙攣が発現しやすいことが報告されている。 作用機序は不明。
他の抗悪性腫瘍剤
放射線療法
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。 副作用が相互に増強される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
CRP上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
アルブミン低下 頻度不明
アレルギー様症状 頻度不明
ウロビリノーゲン陽性 頻度不明
カリウム 頻度不明
カルシウム)異常 頻度不明
クレアチニンクリアランス低下 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
クロール 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
そう痒 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠 頻度不明
不穏 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
全身倦怠感 頻度不明
出血 頻度不明
出血性膀胱炎 頻度不明
動悸 頻度不明
口内炎 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
喘鳴 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
尿糖 頻度不明
悪寒 頻度不明
排尿障害 頻度不明
水疱・落屑 頻度不明
浮腫 頻度不明
潮紅 頻度不明
激越 頻度不明
爪の異常 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
知覚異常・腱反射減弱 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙攣 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
紅斑・丘疹 頻度不明
総ビリルビン上昇 頻度不明
総蛋白低下 頻度不明
肝機能障害 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱毛 頻度不明
腰背痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
腹部膨隆 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血尿 頻度不明
血漿中電解質(ナトリウム 頻度不明
運動障害 頻度不明
関節痛 頻度不明
静脈炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

有糸分裂微小管の構成蛋白質チュブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す12)。

18.2 抗腫瘍性

  1. 18.2.1実験腫瘍に対する効果

マウス可移植性腫瘍系でB16メラノーマ、FM3A乳癌、Lewis肺癌、Sarcoma180等の固形腫瘍及びP388、L1210白血病等の腹水型腫瘍に対して優れた抗腫瘍作用を示した。また、in vitroヒト腫瘍細胞系及びヌードマウス移植ヒト腫瘍である非小細胞肺癌(Lu-65、Lu-99、LC-6、L-27)、乳癌(MX-1、Br-10)に対しても優れた増殖抑制効果を示した13)。

  1. 18.2.2細胞学的効果

細胞の有糸分裂中期に作用し、細胞周期のG2+M期に細胞が集積した12),14)(in situin vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

各種悪性腫瘍患者を対象に、ビノレルビン20mg/m2ないし25mg/m2を単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。

用量
(mg/m2)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
T1/2
(h)
CL
(L/h/m2)
Vdss
(L/m2)
MRT
(h)
20 553±379 32.5±13.2 56.6±47.5 1790±1450 35.5±15.5
25 1140±550 22.2±8.2 28.5±17.2 419±177 16.6±6.2

Mean±S.D.

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

ヒト血漿蛋白結合率は以下のとおりであった2)(in vitro)。

標識体濃度(ng eq./mL) 50 1000
ヒト血漿蛋白結合率(%) 89 88

限外ろ過法による

16.4 代謝

in vitro試験において、ビノレルビンの代謝には、主として肝チトクロームP-450(CYP3A4)が関与することが示された3),4) 。

16.5 排泄

悪性腫瘍患者を対象に、ビノレルビン30mg/m2 注1)を静脈内投与したとき、血漿中においてほとんどが未変化体であった。また、主として肝代謝されて、糞中に排泄された5)(外国人データ)。

注1)本剤の承認用量は、非小細胞肺癌に対して1回20~25mg/m2、ただし1回最高用量は25mg/m2、手術不能又は再発乳癌に対して1回25mg/m2である。