Clinical snapshot

ロケルマ懸濁用散分包5g

ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物

添付文書改訂 2025年10月01日

効能・効果

高カリウム血症

用法・用量

通常、成人には、開始用量として1回10gを水で懸濁して1日3回、2日間経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて、最長3日間まで経口投与できる。以後は、1回5gを水で懸濁して1日1回経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。

血液透析施行中の場合には、通常、1回5gを水で懸濁して非透析日に1日1回経口投与する。なお、最大透析間隔後の透析前の血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。

使用上の注意

  1. 8.1低カリウム血症により不整脈等が生じるおそれがあるので、本剤投与中は、定期的に血清カリウム値を測定すること。また、血清カリウム値に影響を及ぼす薬剤(レニン-アンジオテンシン系阻害剤、抗アルドステロン剤、利尿薬等)の用量に変更が生じた場合、血清カリウム値の変動に注意すること。

  2. 8.2過量投与を防ぐため、服用を忘れた場合は、次の服用予定時間に通常どおり1回分の用量を服用するよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心不全のある患者心不全の悪化の兆候について注意深く観察すること。本剤はナトリウムを含有することから、特にナトリウム摂取増加による体液量の増加や代償不全を引き起こす可能性のある患者では、心不全が増悪するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は水素イオンを吸着して一時的に胃内pHを上昇させる可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗HIV薬
• アタザナビル硫酸塩
• ネルフィナビルメシル酸塩
• リルピビリン塩酸塩 等アゾール系抗真菌剤
• イトラコナゾール
• フルコナゾール
• ボリコナゾール 等チロシンキナーゼ阻害剤
• エルロチニブ塩酸塩
• ダサチニブ水和物
• ニロチニブ塩酸塩水和物 等
これらの薬剤の作用を減弱する可能性がある。
本剤との同時投与は避けること。
これらの薬剤の投与が必要な場合には、本剤投与の少なくとも2時間前又は2時間後に投与すること。
本剤の胃内pHに及ぼす影響により、これらの薬剤の溶解性が低下し、吸収が低下する可能性がある。
*タクロリムス(経口剤) *タクロリムス(経口剤)の作用が減弱する可能性がある。
タクロリムスの投与が必要な場合には、本剤投与の少なくとも2時間前又は2時間後に投与すること。
*本剤との併用によりタクロリムスの血漿中濃度が低下したとの報告がある。その機序は明らかではないが、本剤による胃内pHの上昇に起因すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
体液貯留 頻度不明
便秘 頻度不明
全身性浮腫 頻度不明
末梢性浮腫及び末梢腫脹) 頻度不明
浮腫(浮腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、均一な微細孔構造を有する非ポリマーの無機結晶であり、カリウムイオンを選択的に捕捉して水素イオン及びナトリウムイオンと交換する。本剤は、カリウムを捕捉して糞中に排泄させ、消化管内腔における遊離カリウム濃度を低下させることにより、血清カリウム濃度を低下させ高カリウム血症の改善をもたらす。

18.2 陽イオン選択性

In vitroにおいて本剤は、カルシウムやマグネシウムのような他のイオンの存在下でも、カリウムイオンに対する高い選択性を示す9)。

18.3 pHによるカリウム交換容量への影響

本剤が低濃度(5mg/mL以下)の場合に、pH1.2ではpH4.5及び6.8と比較してカリウム交換容量が低かったが、いずれのpHにおいてもカリウム交換能が示された9)。そのため、本剤は消化管全体にわたってカリウムを捕捉すると考えられる。

18.4 ヒトにおける薬力学的作用

高カリウム血症患者に本剤10gを1日3回2日間反復経口投与したところ、血清カリウム値は投与開始後1時間から低下し10)、正常値に達するのに24~48時間程度を要した,。

健康被験者に本剤を5及び10gを1日1回4日間反復経口投与したところ、糞中カリウム排泄量が用量依存的に増加し、それに伴って血清カリウム値及び尿中カリウム排泄量が低下した。尿中ナトリウム排泄量には、統計学的に有意な影響は認められなかった11)(外国人データ)。

薬物動態

16.1 血中濃度

高カリウム血症患者29例に本剤を5~15gの用量で1日1回反復経口投与したところ、血液中には本剤に由来すると考えられるジルコニウムは検出されなかった1)(外国人データ)。

16.2 吸収

本剤の粒子径は消化管粘膜の細胞間隙の大きさに比較し極めて大きく、分子構造は生理的温度で安定であることから、消化管から体内に吸収されないと考えられる。

16.5 排泄

高カリウム血症患者29例に本剤を5~15gの用量で1日1回反復経口投与したところ、尿中には本剤に由来するジルコニウムは検出されなかった1)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1抗HIV薬、アゾール系抗真菌剤、チロシンキナーゼ阻害剤等

本剤を50mg/Lの濃度で人工胃液(pH1.2)に添加したところ、人工胃液のpHは2.9に上昇した2)(in vitro試験)。したがって、本剤は一時的に胃内pHを上昇させる可能性があり、それに伴って標記薬剤等の胃内pHに依存してバイオアベイラビリティが変化する薬剤の作用を減弱するおそれがある。

  1. 16.7.2その他の薬剤

*本剤とクロピドグレル、ダビガトラン、グリピジド(国内未承認)、ロサルタン、フロセミド、アトルバスタチン、アムロジピン、ワルファリン又はレボチロキシンを併用投与し、併用薬の吸収に及ぼす本剤の影響を検討した結果は下表のとおりであった。クロピドグレル及びダビガトランの曝露量が低下し、アトルバスタチン、フロセミド及びワルファリンのCmaxが増加したが、これらの影響は臨床的に問題となるものではなく、用量調整を必要とするものではないと考えられた3)(外国人データ)。 本剤とタクロリムスの非徐放性製剤の併用投与により、タクロリムスのAUC及びCmaxはそれぞれ63%(90%信頼区間:56%~71%)及び71%(90%信頼区間:65%~77%)に低下した4)(外国人データ)。

併用薬
(経口投与)
併用薬

投与量

測定対象 Cmax AUC0-t
アムロジピン 5mg 18 アムロジピン 1.11
[1.02, 1.20]
1.05
[1.00, 1.11]
クロピドグレル 75mg 24 クロピドグレルカルボン酸体a) 0.68
[0.57, 0.82]
0.88
[0.82, 0.94]
ダビガトラン 75mg 24 ダビガトラン 0.57
[0.40, 0.82]
0.59
[0.40, 0.88]
アトルバスタチン 10mg 24 アトルバスタチン 1.69
[1.44, 1.97]
1.04
[0.95, 1.14]
グリピジド 5mg 24 グリピジド 1.04
[0.92, 1.17]
1.02
[0.95, 1.10]
フロセミド 20mg 24 フロセミド 1.66
[1.10, 1.71]
1.06
[0.98, 1.15]
レボチロキシン 50µg 18 レボチロキシン 1.04
[1.00, 1.08]
1.06
[1.02, 1.09]
ロサルタン 25mg 18 ロサルタン 0.98
[0.74, 1.30]
1.03
[0.93, 1.15]
ワルファリン 5mg 18 R-ワルファリン 1.34
[1.21, 1.49]
1.07
[1.03, 1.12]
S-ワルファリン 1.38
[1.18, 1.62]
1.12
[1.07, 1.17]

幾何平均値比[90%信頼区間]

a)クロピドグレルは血中で速やかに加水分解されることから、クロピドグレルの吸収を反映する指標として代謝物であるカルボン酸体が測定された。