Clinical snapshot

ロイナーゼ注用5000

L-アスパラギナーゼ

添付文書改訂 2025年07月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)

  • 悪性リンパ腫

用法・用量

(静脈内投与)通常、1日量体重1kgあたり50~200K単位を連日または隔日に点滴で静脈内に注入する。 年令、全身状態により適宜増減する。 (筋肉内投与)通常、1日1回体表面積1m2あたり10000K単位を週3回、または1日1回体表面積1m2あたり25000K単位を週1回、筋肉内に注入する。なお、患者の状態により適宜減ずる。

使用上の注意

  1. 8.1重篤な凝固異常が起こることがあるので、投与中は頻回にフィブリノーゲン、プラスミノーゲン、AT-Ⅲ、プロテインC等の検査を行うこと。

  2. 8.2骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。また使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  3. 8.3感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。

  4. 8.4ショックがあらわれるおそれがあるので、本剤投与に先立って皮内反応試験を実施することが望ましい。

  5. 8.5急性白血病及び悪性リンパ腫に本剤の筋肉内投与を行う際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書: L-アスパラギナーゼ(急性白血病及び悪性リンパ腫の筋肉内注射に関する用法・用量の追加)」等)を熟読すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1膵炎又は膵炎の既往のある患者

膵炎が再発したり悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2骨髄機能抑制のある患者

骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。

  1. 9.1.3感染症を合併している患者

骨髄機能抑制により感染症を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4水痘患者

致命的な全身障害があらわれるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

高窒素血症があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

高アンモニア血症があらわれやすい。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

  2. 9.4.2*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス及びラット)で脳ヘルニア、胸椎及び肋骨異常、化骨化遅延等が報告されている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

副作用の発現に特に注意すること。

9.8 高齢者

用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に肝障害があらわれやすい。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 5%以上
不安 1〜5%未満
倦怠感 5%以上
傾眠 1〜5%未満
出血 頻度不明
利尿不全 頻度不明
唾液腺炎 頻度不明
嘔吐 5%以上
悪心 5%以上
投与部位反応(硬結 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
疼痛 頻度不明
発熱 5%以上
発疹 5%以上
耐糖能異常 頻度不明
耳下腺炎 頻度不明
肝機能障害 頻度不明
脂肪肝 5%以上
膿瘍等) 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血管痛 頻度不明
血腫 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 5%以上
高窒素血症 1〜5%未満
高脂血症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

血中のL-アスパラギンを分解し、アスパラギン要求性腫瘍細胞を栄養欠乏状態にすることにより抗腫瘍効果を発揮する8),11)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1抗腫瘍性

マウスのリンパ芽球腫L5178Y、マウスのリンパ腫 6C3HED、ラットの肉腫 Walker 256 等に抗腫瘍性を示した12),13),14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

リンパ肉腫患者にL-アスパラギナーゼ1回量11000K単位(200K単位/kg)を6日間連続静脈内投与したときの血中濃度推移は以下のとおりであった6)。

リンパ肉腫患者に連続静脈内投与したときの血中濃度推移

16.3 分布

  1. 16.3.1組織移行性

ラットにL-アスパラギナーゼ2500K単位/kgを静脈内投与したとき、投与15分後の主要組織内濃度は肝臓>脾臓>肺>腎臓>胃>小腸の順であった7)。

16.5 排泄

ラットにL-アスパラギナーゼを大量(50000又は100000K単位/kg)静脈内投与したとき、投与後24時間以内の尿に投与量の0.014~0.032%しか回収されず、尿中へ活性体のまま排泄されることは極めて少ない。なお、少量投与では尿中に活性は検出されなかった7)。