Clinical snapshot

ロイスタチン注8mg

クラドリビン注射液

添付文書改訂 2025年07月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の投与は、緊急時に十分に措置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2骨髄抑制により感染症等の重篤な副作用が発現又は増悪することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、腎機能・肝機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 1.3遷延性のリンパ球減少により、重症の免疫不全が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の兆候について綿密な検査を行うこと。

  4. 1.4まれに重篤な神経毒性が報告されている。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • ヘアリーセル白血病

  • 再発・再燃又は治療抵抗性の下記疾患

  • 低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫

用法・用量

  • 〈ヘアリーセル白血病〉

通常、成人にはクラドリビンとして、1日量0.09mg/kgの7日間持続点滴静注を1コースとする。

  • 〈再発・再燃又は治療抵抗性の低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫〉

  • 7日間持続点滴静注:

通常、成人にはクラドリビンとして、1日量0.09mg/kgを7日間持続点滴静注し、3~5週間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。

  • 2時間点滴静注・5日間連日投与:

通常、成人にはクラドリビンとして、1日量0.12mg/kgを1日1回2時間かけて点滴静注する。これを5日間連日行い、少なくとも23日間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与により骨髄機能が抑制された結果、感染症や出血等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、腎機能・肝機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。特に投与開始後8週間は週1回以上の頻度で血液検査を行うなど患者の状態を十分観察すること。

  2. 8.2遷延性のリンパ球減少(特にCD4陽性リンパ球の減少)により、重症の免疫不全が増悪又は発現することがある。頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の兆候について綿密な検査を行うこと。

  3. 8.3免疫抑制又は骨髄抑制作用を有する他剤を本剤投与前、本剤投与後、又は併用する場合は過剰な免疫抑制に注意すること。

  4. 8.4自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の兆候について綿密な検査を行うこと。

  5. 8.5急性腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症を合併している患者

骨髄抑制により感染症が増悪することがある。

  1. 9.1.2投与開始時に白血球数の多い患者

腫瘍崩壊症候群の発現を抑えるため、高尿酸血症治療剤の投与及び適切な水分補給等を考慮すること。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

肝障害を悪化させるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1妊娠可能年齢にある女性においては避妊するよう指導すること。

  2. 9.4.2生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形性が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるため、高齢者では腎機能が低下していることが考えられ、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
BUN低下 頻度不明
CD4陽性リンパ球減少 頻度不明
CRP上昇 頻度不明
IgA減少 頻度不明
IgG増加 頻度不明
IgG減少 頻度不明
IgM減少 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
PaCO2低下 頻度不明
PaO2低下 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
アルカリフォスファターゼ上昇 頻度不明
アルブミン低下 頻度不明
ウロビリノーゲン陽性 頻度不明
カリウム上昇 頻度不明
カリウム低下 頻度不明
カルシウム上昇 頻度不明
カルシウム低下 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
クロール上昇 頻度不明
そう痒 頻度不明
ナトリウム低下 頻度不明
ビリルビン上昇 頻度不明
ヘマトクリット値増加 頻度不明
めまい 頻度不明
リンパ球数異常 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠 頻度不明
体幹痛 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠 頻度不明
凝固異常 頻度不明
出血性膀胱炎 頻度不明
単球増多 頻度不明
口内炎 頻度不明
口唇炎 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
呼吸音異常 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭痛 頻度不明
嘔吐 頻度不明
多形滲出性紅斑 頻度不明
失調 頻度不明
好塩基球増多 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
好酸球減少 頻度不明
季肋部疼痛 頻度不明
尿沈渣異常 頻度不明
尿糖 頻度不明
心房細動 頻度不明
心雑音 頻度不明
心電図異常(A-Vブロック) 頻度不明
息切れ 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
感染(症)注1) 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
末梢神経障害 頻度不明
注射部位反応 頻度不明
浮腫 頻度不明
溶血性貧血 頻度不明
潮紅 頻度不明
無力症 頻度不明
狭心症 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発熱性好中球減少症 頻度不明
発疹 頻度不明
神経障害 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
筋脱力 頻度不明
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
結膜炎 頻度不明
緊張亢進 頻度不明
総蛋白減少 頻度不明
肩こり 頻度不明
胃炎 頻度不明
胸膜炎 頻度不明
胸部X線像異常 頻度不明
胸音異常 頻度不明
腫脹 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血小板増加 頻度不明
血尿 頻度不明
血栓 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
飛蚊症 頻度不明
食欲不振 頻度不明
鼓腸放屁 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

クラドリビンはdeoxycytidine kinaseによってリン酸化を受け、2-chloro-2'-deoxy-β-D-adenosine monophosphate(2-CdAMP)となる。クラドリビンは、adenosine deaminaseによる脱アミノ化に抵抗性であり、またリンパ球及び単球中には5'-nucleotidaseがほとんど存在しないことから、2-CdAMPは細胞内に蓄積し、さらに活性体のdeoxynucleoside triphosphateである2-chloro-2'-deoxy-β-D-adenosine triphosphate(2-CdATP)にまで変換され細胞毒性を発現する。したがって、deoxycytidine kinase活性が高く5'-nucleotidase活性の低い細胞(リンパ球、単球)に対して、本剤は選択的な殺細胞効果を有すると考えられる13),14),15) 。

18.2 抗腫瘍効果

クラドリビンは100nM以下の濃度でリンパ球及び単球の幹細胞由来の株化細胞に細胞傷害作用を示した。また、正常新鮮ヒト末梢血より単離したリンパ球及び単球に濃度依存的な細胞傷害作用(単球に対するIC50:27nM)を示したが、線維芽細胞GM01380(confluent)には作用はみられなかった14) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.17日間持続点滴静注

日本人のリンパ系腫瘍患者9例に、クラドリビン0.06又は0.09mg/kg/日の7日間持続点滴静注を行った。0.06mg/kg/日を投与した3例の血漿中未変化体のCmaxは5.3±0.5ng/mL(平均値±標準偏差)、定常状態における血漿中未変化体濃度(Css)は4.5±0.5ng/mL、AUCは760.3±85.8ng・hr/mL、t1/2は投与終了後22.5±7.4時間であった。また、0.09mg/kg/日を投与した6例のCmaxは6.0±1.1ng/mL、Cssは5.3±0.9ng/mL、AUCは893.7±153.7ng・hr/mL、t1/2は投与終了後30.3±9.5時間であった6),7) 。

パラメータ/投与量 0.09mg/kg/日
Cmax(ng/mL) 6.0±1.1
Css(ng/mL) 5.3±0.9
AUC(ng・hr/mL) 893.7±153.7
t1/2(hr) 30.3±9.5

リンパ系腫瘍患者にクラドリビン0.09mg/kg/日を7日間持続点滴静注した時の血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差、n=6)

  1. 16.1.22時間点滴静注・5日間連日投与

日本人の低悪性度非ホジキンリンパ腫患者9例に、クラドリビン0.09又は0.12mg/kg/日の2時間点滴静注・5日間連日投与を行った。未変化体の血漿中動態は各投与量において、投与1日目と投与5日目で大きな違いはみられず、連日投与に伴う蓄積はほとんどみられなかった8) 。

パラメータ/投与量 投与日 0.12mg/kg/日
Cmax(ng/mL) 1 53.3±26.0
5 53.9±23.1
tmax(hr) 1 1.8±0.3
5 2.1±0.0
AUC(ng・hr/mL) 1 205.9±96.5
5 238.2±104.6※
t1/2(hr) 1 7.0±1.3
5 9.8±3.0
CL(L/hr/kg) 1 0.68±0.26
5 0.52±0.19
Vz(L/kg) 1 7.0±3.5
5 7.1±2.2

※AUC(0→24)

低悪性度非ホジキンリンパ腫患者にクラドリビン0.12mg/kg/日を2時間点滴静注・5日間連日投与した時の血漿中未変化体濃度推移(平均値+標準偏差、n=6)

16.3 分布

クラドリビンのヒト血漿蛋白結合率は約20%であった9) (in vitro)。

16.4 代謝

  1. 16.4.17日間持続点滴静注

日本人のリンパ系腫瘍患者9例に、クラドリビン0.06又は0.09mg/kg/日の7日間持続点滴静注を行った。未変化体及び未変化体+代謝物(2-chloroadenine)の尿中排泄量はいずれも投与期間中ほぼ一定で、総投与量に対する尿中累積排泄率は未変化体で23.0~56.5%、未変化体+代謝物で25.7~57.2%であり、総投与量の約38%が代謝を受けずに尿中に排泄された。また、各尿中累積排泄率とクレアチニン・クリアランスとの間に有意な相関性は認められないが、クレアチニン・クリアランスが比較的低い患者において、他の患者に比べて、未変化体の尿中累積排泄率は低く、血漿中未変化体のt1/2も長くなる傾向が見られた6) 。

  1. 16.4.22時間点滴静注・5日間連日投与

日本人の低悪性度非ホジキンリンパ腫患者9例に、クラドリビン0.09又は0.12mg/kg/日の2時間点滴静注・5日間連日投与を行った。未変化体の尿中排泄率は試験期間中、ほぼ一定であり、各投与量における累積尿中排泄率はそれぞれ投与量の約40%であった。また、累積尿中排泄率とクレアチニン・クリアランスの間には統計学的に有意な正の相関が認められた8) 。