Clinical snapshot

レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「杏林」

レボセチリジン塩酸塩

添付文書改訂 2024年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はピペラジン誘導体(セチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者

効能・効果

[成人]

  • アレルギー性鼻炎

  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症

[小児]

  • アレルギー性鼻炎

  • 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法・用量

  • [成人]

通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日10mgとする。

  • [小児]

通常、7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。

  2. 8.2効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

  • 〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 8.3季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を発現するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者

投与しないこと。高い血中濃度が持続するおそれがある。

  1. 9.2.2腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)

高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害のある患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。セチリジン注)塩酸塩において、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。 注)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。

9.7 小児等

7歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テオフィリン セチリジン注)塩酸塩との併用により、テオフィリンの薬物動態に変化はないが、セチリジン注)塩酸塩のクリアランスが16%減少する。 機序は明らかではない。
リトナビル セチリジン注)塩酸塩との併用により、セチリジン注)塩酸塩の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。 リトナビルによりセチリジン注)塩酸塩の腎排泄が阻害される可能性が考えられる。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性がある。 中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
ピルシカイニド塩酸塩水和物 セチリジン注)塩酸塩との併用により、両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。 機序は明らかではない。

注)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
ウロビリノーゲンの異常注) 1%未満
かぶれ 1%未満
しびれ感 1%未満
そう痒感 1%未満
ふらふら感 1%未満
ほてり 1%未満
めまい 1%未満
リンパ球増多注) 1%未満
下痢 1%未満
不整脈(房室ブロック注) 1%未満
不眠 頻度不明
不随意運動注) 頻度不明
体重増加 頻度不明
便秘 1%未満
倦怠感 1〜5%未満
健忘注) 頻度不明
傾眠 頻度不明
動悸 1%未満
単球増多注) 1%未満
口内炎 1%未満
口唇乾燥感 1%未満
口唇炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嗅覚異常 頻度不明
嘔吐 1%未満
嘔気 1〜5%未満
多形紅斑 頻度不明
失神 頻度不明
好中球減少 1%未満
好酸球増多注) 1〜5%未満
尿糖注) 1%未満
尿蛋白注) 1%未満
尿閉 頻度不明
幻覚 頻度不明
心房細動) 1%未満
息苦しさ 1%未満
悪夢 頻度不明
意識消失注) 頻度不明
手足のこわばり 頻度不明
抑うつ 頻度不明
振戦 頻度不明
排尿困難 頻度不明
攻撃性 頻度不明
月経異常 1%未満
期外収縮 1%未満
浮腫 1%未満
浮遊感 1%未満
消化不良 1%未満
激越 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
発作性上室性頻拍注) 1%未満
発疹 1%未満
白血球増多 1%未満
白血球減少 1%未満
眠気 1〜5%未満
眼球回転発作 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
結膜充血 1%未満
総ビリルビン上昇 1〜5%未満
耳鳴 1%未満
胃不快感 1%未満
胃痛 1%未満
胸痛 1%未満
脱毛 頻度不明
腹痛 1%未満
腹部不快感 1%未満
腹部膨満感 頻度不明
自殺念慮 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
薬疹 頻度不明
血圧上昇 1%未満
血小板増加注) 1%未満
血小板減少注) 1%未満
血尿注) 1%未満
血管性浮腫 1%未満
視覚障害 頻度不明
遺尿注) 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
霧視 1%未満
頭痛 1%未満
頭重感 1%未満
頻尿 1%未満
頻脈 1%未満
食欲不振 1〜5%未満
食欲亢進 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レボセチリジンは、ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーであり、セチリジンと同様に、持続性選択ヒスタミンH1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療薬である33)。

18.2 ヒスタミンH1受容体拮抗作用

ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。ヒスタミンH1受容体に対する親和性はセチリジンよりも約2倍高い。ヒスタミンH2、ヒスタミンH3、アドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの各受容体に対する親和性は低い(ヒト、ラット、モルモット)34),35)。摘出臓器(モルモット気管)のヒスタミン反応を濃度依存的に抑制した36)。また、ヒスタミン誘発皮膚反応における膨疹及び発赤抑制作用は投与後1時間から認められ、投与後32時間まで持続した(ヒト)37)。

18.3 好酸球に対する作用

In vitroにおいて、エオタキシン刺激による好酸球の血管内皮細胞間隙遊走を抑制した(ヒト)38)。

18.4 細胞接着分子産生抑制作用

花粉抗原刺激による皮膚血管内皮細胞からのVCAM-1産生を抑制した(ヒト)39)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度232.6ng/mLに到達した。血漿中濃度の消失半減期は約7.3時間であった。また、10mgを単回経口投与した時、投与量増量に伴うCmaxの上昇及びAUCの増加が認められた。セチリジン塩酸塩10mgを空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度228.3ng/mLに達し、消失半減期は約7.3時間であった1),2)。 レボセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩の半量で同様の血漿中レボセチリジン濃度が得られ、血漿中レボセチリジンのCmax及びAUC0-48は同等であった。

投与薬剤 投与量 tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng.hr/mL)
レボセチリジン 5mg 1.00
(0.25-4.00)
232.60
±64.49
7.33
±0.98
1814.06
±392.49
10mg 0.75
(0.50-2.00)
480.00
±104.01
7.57
±0.89
3546.51
±712.14
セチリジン 10mg 1.00
(0.50-2.00)
228.30
±40.67
7.32
±0.78
1875.37
±377.94

20例、平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを1日1回8日間空腹時反復経口投与した時、血漿中レボセチリジン塩酸塩濃度は投与開始後2日までに定常状態に到達し、AUC0-24について算出した累積係数は1.08であった(外国人データ)3)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈レボセチリジン塩酸塩錠5mg「杏林」〉

レボセチリジン塩酸塩錠5mg「杏林」とザイザル錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボセチリジン塩酸塩として5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された4)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
レボセチリジン塩酸塩
錠5mg「杏林」
1904.3
±395.8
225.6
±41.0
0.9
±0.8
8.9
±1.4
ザイザル錠5mg 1895.6
±516.1
218.8
±44.6
0.9
±0.4
8.9
±1.5

平均値±標準偏差、n=17

図16-1 血漿中レボセチリジン濃度

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与した時、空腹時投与と比べ、食後投与の血漿中レボセチリジン塩酸塩のtmaxは約1.3時間遅延し、Cmaxが約35%低下したが、AUCに顕著な差はみられなかった(外国人データ)3)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時、レボセチリジンの見かけの分布容積は25.14Lであった2),5)。

  1. 16.3.2血漿蛋白結合率

In vitroでの[14C]-レボセチリジン(0.2~5μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は約92%であった6)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1代謝酵素

レボセチリジンの代謝経路はフェニル基の水酸化、N-及びO-脱アルキル化並びにタウリン抱合体の生成である。In vitroにおいて、レボセチリジンは主にCYP3A4で脱アルキル体に、複数のCYP分子種(未同定)でフェニル基の水酸化体に代謝された7),8)。

  1. 16.4.2代謝酵素阻害・誘導

In vitroにおいて、レボセチリジンは臨床用量のCmax付近の濃度でCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4を阻害せず、UGT1A並びにCYP1A2、2C9及び3A4を誘導しなかった9)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mg及び10mgを空腹時単回経口投与した時の見かけの全身クリアランスは、それぞれ2.435±0.567L/hr及び2.482±0.582L/hrであった2),5)。

  2. 16.5.2健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後48時間までのレボセチリジン塩酸塩の累積尿中排泄率は約73%であった(外国人データ)3)。

  3. 16.5.3健康成人男性4例に[14C]-レボセチリジン塩酸塩溶液5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後168時間までの尿及び糞中の放射能回収率はそれぞれ85.4%及び12.9%であった10)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能低下者

クレアチニンクリアランスが45~90mL/min(軽度)、10~45mL/min(中等度)の腎機能低下者、及び血液透析を必要とする重度の腎機能低下者にレボセチリジン塩酸塩5mgを単回経口投与した時、腎機能正常者に比べ、腎機能低下者では、レボセチリジン塩酸塩のAUC0-∞は約1.8~5.7倍増加し、t1/2は約1.4~4.0倍に延長した(外国人データ)11)。

腎機能 正常
(6例)
軽度低下
(6例)
中等度低下
(6例)
重度低下
(5例)
CLcr
(mL/min/1.73m2)
98.7
±7.2
62.4
±9.8
26.4
±10.3
0
Cmax
(ng/mL)
220.5
±68.78
295.2
±60.76
320.0
±67.06
358.0
±90.64
AUC0-∞
(ng.hr/mL)
2212.5
±282.60
3884.4
±769.85
8290.9
±3653.54
12579
±3518.4
t1/2(hr) 10.4
±2.76
14.9
±3.12
25.2
±9.73
41.0
±15.54
CLr
(mL/min/1.73m2)
25.6
±4.64
14.3
±5.13
4.2
±2.33
CL/f(L/hr) 2.29
±0.27
1.33
±0.25
0.68
±0.22
0.43
±0.15

平均値±標準偏差

CLcr:クレアチニンクリアランス CLr:腎クリアランス CL/f:全身クリアランス

  1. 16.6.2肝障害のある患者

肝機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態の検討は行われていない。 なお、原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常者に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた(外国人データ)12),13),14)。

被験者 tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC
(mg.hr/L)
健康成人
(14例)
1.0
±0.5
384
±103
7.4
±1.6
3.3
±0.9
原発性胆汁性肝硬変患者
(6例)
1.0
±0.4
498
±118
13.8
±1.8
6.4
±1.6

平均値±標準偏差

  1. 16.6.3高齢者

高齢者(65~74歳)9例にレボセチリジン塩酸塩30mg注1)を1日1回6日間反復経口投与した時のレボセチリジン塩酸塩の全身クリアランスは、健康成人(21~60歳)と比較して約25%低かった(外国人データ)15)。

注1)本剤の承認用量は、通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与、最高投与量は1日10mgである。

被験者 tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng.hr/mL)
健康成人
(27例)
0.58
(0.58-2.08)
1635
±268
6.92
±1.10
13855
±2340
高齢者
(9例)
1.08
(0.58-2.08)
1596
±287
8.92
±1.71
20382
±6025

平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)

16.8 その他

  • 〈レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「杏林」〉

レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「杏林」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成24年2月29日付薬食審査発0229第10号)に基づき、レボセチリジン塩酸塩錠5mg「杏林」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた4)。