カルニチン欠乏症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5~3g(15~30mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。 通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25~100mg(0.25~1mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
使用上の注意
本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者又は透析下の末期腎疾患患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 9.2.2血液透析患者
本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
9.8 高齢者
患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 糖尿病用薬 • 経口糖尿病治療薬 インスリン製剤等 |
低血糖症状があらわれるおそれがある。 | 機序は不明である。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| そう痒感 | 頻度不明 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 体臭 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満感 | 1%未満 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 貧血 | 1%未満 |
| 軟便 | 1%未満 |
| 顔面浮腫 | 1%未満 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
レボカルニチンの投与により組織内における慢性的なカルニチン欠乏状態を是正し、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄させる。また、有害なプロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する。14)
18.2 ミトコンドリア呼吸能に対する作用
ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した(in vitro)。14)
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人に、レボカルニチン内用液30~90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。 遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h)は用量依存的に増加したが、用量比例的な増加ではなかった。2)
| 投与量 | Cmax (μmol/L) |
AUC24h (μmol·h/L) |
tmax (h) |
t1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 遊離カルニチン | 30mg/kg | 31.59 (8.87) |
334.91 (98.74) |
5.000 (4.00-6.00) |
41.57 (47.38) |
| 60mg/kg | 43.89 (14.47) |
432.32 (130.56) |
5.000 (3.00-5.00) |
34.45 (21.26) |
|
| 90mg/kg | 51.06 (19.80) |
466.09 (188.10) |
3.500 (2.00-5.00) |
24.71 (13.33) |
|
| 総カルニチン | 30mg/kg | 37.89 (12.56) |
391.18 (120.71) |
5.000 (3.00-5.00) |
45.73 (76.93) |
| 60mg/kg | 53.71 (18.34) |
501.14 (160.86) |
5.000 (4.00-5.00) |
22.94 (14.03) |
|
| 90mg/kg | 67.43 (26.12) |
565.24 (227.38) |
5.000 (2.00-5.00) |
24.83 (25.13) |
|
| アシルカルニチン | 30mg/kg | 7.54 (3.92) |
56.84 (28.80) |
5.000 (2.00-24.00) |
40.61 (46.51)a |
| 60mg/kg | 11.84 (4.69) |
70.81 (34.77) |
4.500 (2.00-8.00) |
8.73 (7.48)b |
|
| 90mg/kg | 18.36 (7.98) |
102.23 (81.23) |
4.500 (2.00-8.00) |
112.14 (290.52)c |
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値) 10例(a:7例、b:9例、c:8例) 投与後の血漿中濃度は、レボカルニチン内用液を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。
- 16.1.2レボカルニチン塩化物錠との薬物動態比較試験
健康成人に、レボカルニチン内用液1,000mg及びレボカルニチン塩化物錠1,200mgを空腹時単回経口投与した時の遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-2に示す。 レボカルニチン内用液及びレボカルニチン塩化物錠のいずれにおいても、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。遊離カルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h、tmax)は、両製剤でほぼ類似していた。3),4)
| 投与量 | Cmax (μmol/L) |
AUC24h (μmol·h/L) |
tmax (h) |
t1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 遊離カルニチン | レボカルニチン 内用液 (1,000mg) |
23.06 (8.02) |
228.34 (107.30) |
5.000 (2.00-6.00) |
46.08 (77.86) |
| レボカルニチン 塩化物錠 (1,200mg) |
24.74 (9.98) |
265.49 (123.68) |
5.000 (0.50-8.00) |
64.93 (119.83) |
|
| 総カルニチン | レボカルニチン 内用液 (1,000mg) |
27.06 (9.94) |
260.55 (137.94) |
5.000 (2.00-6.00) |
48.72 (146.13) |
| レボカルニチン 塩化物錠 (1,200mg) |
29.82 (12.63) |
298.71 (147.67) |
5.000 (0.50-5.00) |
22.74 (25.01)a |
|
| アシルカルニチン | レボカルニチン 内用液 (1,000mg) |
5.61 (3.67) |
41.43 (40.49) |
5.000 (1.00-12.00) |
39.09 (43.58)b |
| レボカルニチン 塩化物錠 (1,200mg) |
6.69 (3.50) |
38.62 (30.46) |
5.000 (4.00-24.00) |
15.98 (28.92)c |
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値) 20例(a:19例、b:10例、c:13例) 投与後の血漿中濃度は、薬剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。 レボカルニチン塩化物錠1,200mgは、分子量よりレボカルニチンとして978.7mgに換算され、レボカルニチン内用液1,000mgにほぼ相当する。
- 16.1.3生物学的同等性試験
レボカルニチンFF内用液10%「トーワ」とエルカルチンFF内用液10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ10mL(レボカルニチンとして1000mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中遊離カルニチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。5)
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC36h (μmol・h/L) |
Cmax (μmol/L) |
tmax (h) |
t1/2 (h) |
|
| レボカルニチン FF内用液10% 「トーワ」 |
365.63±109.49 | 23.74±4.95 | 5.0±1.9 | 15.32±13.89 |
| エルカルチン FF内用液10% |
410.90±108.32 | 26.42±6.58 | 5.0±1.4 | 14.05±6.10 |
(平均値±標準偏差、25例)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄率
健康成人に、レボカルニチン内用液30、60及び90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92%、5.92%及び5.59%と用量の増加に伴い低下した。2)
- 16.5.2トランスポーター
レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である。6)