家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症 ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。 ・心血管イベントの発現リスクが高い ・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはインクリシランナトリウムとして1回300mgを初回、3ヵ月後に皮下投与し、以降6ヵ月に1回の間隔で皮下投与する。
使用上の注意
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8.1本剤投与にあたっては、あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法、禁煙、他の虚血性心疾患のリスクファクター(糖尿病、高血圧症等)の軽減等も十分考慮すること。
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8.2HMG-CoA還元酵素阻害剤及び他の脂質異常症治療薬と併用する場合は、併用する薬剤の電子添文の2.禁忌、8.重要な基本的注意、9.特定の背景を有する患者に関する注意及び11.1重大な副作用の記載を必ず確認すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットでは本剤の皮下投与により乳汁中への移行が確認されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 注射部位反応(注射部位疼痛 | 5%以上 |
| 注射部位発疹等) | 5%以上 |
| 注射部位紅斑 | 5%以上 |
| 肝機能障害 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
インクリシランナトリウムは、PCSK9 mRNAを標的とした二本鎖の低分子干渉リボ核酸(siRNA)であり、センス鎖に結合する3分岐型N-アセチルガラクトサミンを介して肝臓に取り込まれ、肝臓のPCSK9 mRNAの分解を促進する。これにより、肝細胞上のLDL受容体の発現は増加し、LDLコレステロールの取り込みが促進され、血中LDLコレステロール値は低下する10)。
18.2 血漿中PCSK9及び血清中LDLコレステロールに対する低下作用
カニクイザルへの単回又は反復皮下投与により、用量依存的かつ持続的な血漿中PCSK9及び血清中LDLコレステロール濃度低下作用が示され、最大93%及び74%の低下が認められた11)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
高コレステロール血症患者(家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体患者を含む)を対象に、本剤100mgから300mgを皮下投与注)したときの血漿中濃度推移を下図に、薬物動態パラメータを下表にそれぞれ示す。200mg又は300mgを投与したときの見かけの分布容積は158~319Lであった1)。
図 本剤100~300mgを皮下投与注)したときの血漿中濃度推移 (平均値±標準偏差、各8例)
| 投与量(mg) | 100 | 200 | 300 |
|---|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) | 211±80.3 | 539±183 | 607±218 |
| AUC0-48h (ng・h/mL) |
3150±755 | 8580±2210 | 11200±4320 |
| Tmax*(h) | 3.83(0.50- 8.00) |
3.83(0.433- 6.00) |
6.04(1.00- 11.7) |
| T1/2(h) | NA | 6.80 ± 2.00 a | 6.98, 8.18 b |
n=8、平均値±標準偏差 a:n=4、b:個別値(n=2)、NA:該当なし *中央値(最小値-最大値)
- 16.1.2反復投与
LDLコレステロール高値の被験者を対象に、本剤300mgを1ヵ月間隔で2回皮下投与注)したときのCmax及びAUC0-24hに基づく累積係数は、スタチン非併用群で1.00及び0.967、スタチン併用群で1.31及び1.12であった。反復投与による明らかな累積は認められなかった2)(外国人データ)。
16.3 分布
血漿蛋白結合率は濃度依存的に低下し、0.5µg/mLで87.4%、50µg/mLで17.0%であった3)(in vitro)。
16.4 代謝
本剤は、エキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼによる加水分解を介して代謝される3)(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人に本剤300mgを単回皮下投与したとき、投与量の約16%が未変化体として尿中排泄された3)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
健康成人(クレアチニンクリアランス(CLcr)90mL/min以上)、軽度腎機能障害患者(CLcr 60~89mL/min)、中等度腎機能障害患者(CLcr 30~59mL/min)、重度腎機能障害患者(CLcr 15~29mL/min)に本剤300mgを単回皮下投与したとき、健康成人に比べ、Cmaxがそれぞれ約2.3倍、約2.0倍、約3.3倍、及びAUC0-48hが約1.6倍、約1.8倍、約2.3倍に増加した。本剤投与後60日目の健康成人、軽度腎機能障害患者、中等度腎機能障害患者及び重度腎機能障害患者における血清中LDLコレステロールのベースラインからの変化率は、それぞれ-57.6%、-35.1%、-53.1%及び-49.2%であり、血漿中PCSK9のベースラインからの変化率は、それぞれ-68.1%、-74.2%、-79.8%及び-67.9%であった4)(外国人データ)。
- 16.6.2肝機能障害患者
健康成人、軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)に本剤300mg単回皮下投与したとき、健康成人に比べ、Cmaxがそれぞれ約1.1倍、約2.1倍、及びAUC0-48hが約1.3倍、約2.1倍に増加した。本剤投与後60日目の健康成人、軽度肝機能障害患者、及び中等度肝機能障害患者における血清中LDLコレステロールのベースラインからの変化率は、それぞれ-51.9%、-53.2%及び-39.7%であり、血漿中PCSK9のベースラインからの変化率は、それぞれ-73.9%、-70.3%及び-38.9%であった5)(外国人データ)。
注) 本剤の承認された用法及び用量は1回300mgを初回、3ヵ月後に皮下投与し、以降6ヵ月に1回の間隔で皮下投与である。