Clinical snapshot

ルパフィン錠10mg

ルパタジンフマル酸塩錠

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症のある患者

効能・効果

  • アレルギー性鼻炎

  • 蕁麻疹

  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法・用量

通常、12歳以上の小児及び成人にはルパタジンとして1回10mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じて、ルパタジンとして1回20mgに増量できる。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

  2. 8.2眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること1),2),3)。

  • 〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 8.3季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい4),5)。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかんの既往のある患者

十分な問診を行うこと。発作があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

活性代謝物であるデスロラタジンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与を避けることが望ましい。動物試験(ラット)で胎児の発育遅延等が認められている6)。

9.6 授乳婦

授乳中の女性には、投与を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。本剤の活性代謝物であるデスロラタジンではヒト母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能(肝、腎等)が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

  • 本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される7),8)。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• CYP3A4阻害剤• エリスロマイシン
• ケトコナゾール等
併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。 CYP3A4阻害により本剤の代謝が阻害される。
• グレープフルーツジュース 同時摂取により本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。 CYP3A4阻害により本剤の代謝が阻害される。
• アルコール 中枢神経系に影響を与える可能性があるため、アルコールと併用する際は注意すること。 中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
CPK上昇 1〜5%未満
しびれ感 1%未満
めまい 1%未満
リンパ球形態異常 1%未満
下痢 1%未満
体重増加 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
動悸 頻度不明
口内乾燥 1%未満
口渇 1〜5%未満
口腔咽頭痛 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽喉乾燥 頻度不明
咽頭炎 頻度不明
嘔吐 頻度不明
尿中ウロビリノーゲン異常 1〜5%未満
尿糖 1〜5%未満
尿蛋白 1〜5%未満
悪心 頻度不明
手足等) 1%未満
易刺激性 頻度不明
注意力障害 頻度不明
浮腫(顔面 1%未満
消化不良 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
白血球数増加 1%未満
眠気(9.3%) 5%以上
筋痙縮 1%未満
筋肉痛 頻度不明
背部痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
血尿 1〜5%未満
関節痛 頻度不明
頭痛 1%未満
頻脈 頻度不明
食欲亢進 頻度不明
鼻乾燥 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ルパタジンは、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用に加えて、炎症や気管支収縮等に関与するケミカルメディエーターであるPAF(血小板活性化因子)に対する拮抗作用を併せ持っている。また、ルパタジンの代謝物のうち、デスロラタジンとその水酸化体はヒスタミン受容体に対する拮抗作用を有し、本剤の効果発現に寄与している。

18.2 抗ヒスタミン作用及び抗PAF作用

ルパタジン及び活性代謝物であるデスロラタジンは、モルモットH1受容体に拮抗作用を示し(Ki値:ルパタジン26.2nmol/L、デスロラタジン22nmol/L)、モルモット摘出回腸においてヒスタミン収縮を抑制した(IC50値:ルパタジン44nmol/L、デスロラタジン22nmol/L)。加えて、ルパタジンは、ウサギ及びイヌにおけるPAF誘発血小板凝集阻害作用を示した22)(in vitro)。 また、ルパタジンは、ヒスタミン又はPAF誘発によるラットの足蹠浮腫及び血管透過性亢進をそれぞれ抑制した23)(in vivo)。

18.3 抗アレルギー作用

ルパタジンは、マウスの抗原誘発アナフィラキシーショック及びラットの受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応を抑制した24)(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

海外在住日本人の健康成人に対し、1日1回(10mg、20mgを5日間、各7例)反復経口投与したとき、ルパタジン及び活性代謝物であるデスロラタジンの平均血漿中濃度、Cmax及びAUCは、用量依存的に増加した1)。

ルパタジン及びデスロラタジンの血漿中濃度推移(初回投与)

パラメータ 10mg 20mg
1日 5日 1日 5日
ルパタジン Cmax(ng/mL) 4.62
(1.51)
5.02
(2.08)
6.88
(3.64)
10.65
(5.91)
tmax(hr) 0.91
(0.50)
1.00
(0.37)
1.05
(0.34)
0.89
(0.31)
AUC0-∞(ng・hr/mL) 15.39
(6.45)
n.c. 27.82
(14.21)
n.c.
AUC0-τ(ng・hr/mL) n.c. 18.57
(6.24)
n.c. 35.63
(15.58)
t1/2(hr) 4.76
(2.07)
6.56
(2.35)
7.09
(2.00)
10.57
(4.73)
デスロラタジン Cmax(ng/mL) 2.02
(0.70)
2.61
(0.57)
2.95
(0.67)
5.04
(1.36)
tmax(hr) 2.08
(1.33)
2.52
(1.31)
2.00
(1.12)
1.74
(0.96)
AUC0-∞(ng・hr/mL) 29.56
(9.96)
n.c. 49.52
(11.00)
n.c.
AUC0-τ(ng・hr/mL) n.c. 32.67
(10.36)
n.c. 57.83
(16.96)
t1/2(hr) n.c. 20.65
(3.76)
n.c. 24.79
(4.68)

各7例の平均値(標準偏差)、n.c.:未計算

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康被験者(18歳以上)24例を対象としてルパタジン20mgを単回経口投与したところ、ルパタジンのCmax(平均値±標準偏差、以下同じ)は、空腹時で4.57±2.60ng/mL、非空腹時で4.30±2.57ng/mL、AUC0-96は、空腹時で16.59±10.62ng・hr/mL、非空腹時で20.43±10.49ng・hr/mLであった。食事摂食によりルパタジンのAUC0-96が23%増加した。この傾向は活性代謝物であるデスロラタジンでは認められず、Cmaxは、空腹時で3.57±1.47ng/mL、非空腹時で3.20±1.23ng/mL、AUC0-96は、空腹時で50.45±25.04ng・hr/mL、非空腹時で47.72±22.56ng・hr/mLであった10)(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿タンパク結合率

ルパタジンフマル酸塩1~500ng/mLの濃度範囲において、ヒト血漿タンパク結合率及びPBS40g/Lに希釈したヒト血清アルブミンに対する血漿タンパク結合率はそれぞれ98.4~98.8%及び97.6~98.3%であった11)(in vitro)。

16.4 代謝

健康成人男性6例に14C-ルパタジン水溶液(ルパタジンとして40mgに相当)を単回経口投与したとき、血漿中及び尿中の代謝物として、デスロラタジン、3-OHデスロラタジン、3-OHデスロラタジンのO-グルクロン酸抱合体等が検出された12)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人男性6例に14C-ルパタジン水溶液(ルパタジンとして40mgに相当)を単回経口投与したとき、投与後24時間までに、投与放射能の19.96%が尿中、7.90%が糞中に排泄され、投与後7日までに、投与放射能の95.56%(尿中34.64%及び糞中60.92%)が排泄された。また、尿中及び糞中の未変化体は投与放射能の1%未満であった12)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1高齢者

高齢者(64~72歳)12例においてルパタジン10mgを反復経口投与したとき、投与1日目、投与7日目のルパタジン及び活性代謝物であるデスロラタジンのCmax及びAUCは若年者(18~35歳)12例と比較して高かった13)(外国人データ)。

パラメータ 高齢被験者 若年被験者 高齢被験者 若年被験者
初回 7日間反復投与
ルパタジン Cmax(ng/mL) 2.52
(0.99)
1.54
(0.72)
3.24
(1.03)
1.99
(1.17)
AUC0-24(ng・hr/mL) 9.75
(3.08)
6.43
(3.58)
14.24
(5.56)
8.37
(4.82)
t1/2(hr) 6.24
(3.32)*
4.04
(1.57)
8.71
(6.23)*
5.85
(1.89)
デスロラタジン Cmax(ng/mL) 1.51
(0.34)
1.43
(0.47)
2.34
(1.01)
1.91
(0.85)
AUC0-24(ng・hr/mL) 16.47
(3.67)
15.86
(6.11)
30.66
(18.07)
24.66
(11.07)
t1/2(hr) n.c. n.c. 33.28
(12.58)
21.56
(3.48)

各12例の平均値(標準偏差)、*:11例、n.c.:未計算

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1グレープフルーツジュース

健康被験者(19歳以上)24例を対象とし、グレープフルーツジュースを併用又は非併用下でルパタジン10mgを1日1回単回経口投与したとき、ルパタジンのCmax及びAUC0-168はグレープフルーツジュース併用により増加し、Cmax比は2.8、AUC0-168比は4.1であった。また、活性代謝物であるデスロラタジンにおいては、Cmax比は1.0、AUC0-168比は0.9であった14)(外国人データ)。

  1. 16.7.2エリスロマイシン

健康被験者(18歳以上)24例を対象とし、ルパタジン20mgを1日1回7日間単独反復経口投与、エリスロマイシン500mgを1日3回7日間併用経口投与及びそれぞれの投与間に10日間のウォッシュアウト期間を設定し、両薬剤を投与したとき、ルパタジンのCmax及びAUC0-24は、エリスロマイシン併用により増加し、Cmax比は2.3、AUC0-24比は2.9であった。活性代謝物であるデスロラタジンにおいては、Cmax比は1.3であり、AUC0-24比は1.1であった15)(外国人データ)。

  1. 16.7.3ケトコナゾール

健康被験者(18歳以上)24例を対象とし、ケトコナゾール(200mg 1日1回、経口投与)を併用又は非併用下で、ルパタジン20mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、ルパタジンのCmax及びAUC0-24は増加し、Cmax比は8.2、AUC0-24比は10.9であった。活性代謝物であるデスロラタジンにおいては、Cmax比は0.5であり、AUC0-24比は0.7であった16)(外国人データ)。