重症α1-アンチトリプシン欠乏症
リンスパッド点滴静注用1000mg
乾燥濃縮人α1-プロテイナーゼインヒビター
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはヒトα1-プロテイナーゼインヒビターとして60mg/kgを週1回、点滴静注する。
使用上の注意
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8.1本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための種々の安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全には排除できないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
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8.2本剤の原料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。 その後の製造工程では、Cohnの低温エタノール分画、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿、深層濾過、溶媒/界面活性剤処理並びにナノ濾過工程は、HIV、HBV、HCV等のエンベロープを有するウイルス及びエンベロープを有しないヒトパルボウイルスB19をはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果が確認されているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
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8.2.1血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に除去・不活化することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
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8.3現在までに本剤の投与により、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分に検討の上投与すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1IgA欠損症の患者
抗IgA抗体を保有する患者では過敏症反応を起こすおそれがある。
- 9.1.2溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19に感染した場合には、発熱と急性の貧血を伴う重度の全身症状を起こすことがある。
- 9.1.3免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19に感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトパルボウイルスB19に感染した場合には、胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行性、授乳を受けた乳児への影響、又は母乳産生への影響に関する情報は得られていない。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ほてり | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 乾癬 | 頻度不明 |
| 注入に伴う反応 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋骨格痛 | 頻度不明 |
| 肺高血圧症 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 起立性低血圧 | 頻度不明 |
| 転倒 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
α1-プロテイナーゼインヒビター(alpha1-PI、別名α1-アンチトリプシン)は生体内に存在するセリンプロテアーゼ阻害剤の一種で、好中球エラスターゼ阻害作用を有する。
18.2 α1-アンチトリプシン欠乏症における効果
α1-アンチトリプシン欠乏症患者では、血清中及び組織中のalpha1-PI濃度が低下しており、好中球エラスターゼとそのインヒビターであるalpha1-PIの不均衡が生じることで、肺組織での不適切なタンパク質分解が起こる。 本剤の補充療法によって、血清及び気道上皮被覆液のalpha1-PI濃度を上昇させ、維持することで、プロテイナーゼに対する防御力を補強し、プロテイナーゼ対インヒビターの不均衡を是正することで肺気腫の発生・進展を抑制し、COPDの病態の進行を遅くすると考えられる。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
重症α1-アンチトリプシン欠乏症[血清α1-アンチトリプシン濃度が50mg/dL未満(ネフェロメトリー法)]日本人成人患者4例に本剤60mg/kgを週1回8週間点滴静注した。 血清中α1-プロテイナーゼインヒビター(alpha1-PI、α1-アンチトリプシンに同じ)濃度は投与開始7週目までに定常状態に達し、7~9週目の平均血清トラフ濃度(Cmin)はすべての患者で50mg/dLを超えていた。血清中alpha1-PIの薬物動態パラメーター及び血清中濃度推移は以下のとおりであった1) 。
| 投与 | AUC0-7days (mg・h/dL) 平均(%CV) |
Cmax (mg/dL) 平均(%CV) |
t1/2 (時間) 平均(%CV) |
|---|---|---|---|
| 本剤 60mg/kg, 週1回 (n=4) |
14913.2 (11.0%) |
174.3 (17.5%) |
150.4 (24.1%) |
図 定常状態における平均血清中alpha1-PI濃度―時間曲線(平均値±標準偏差)
16.3 分布
α1-アンチトリプシン欠乏症成人患者19名を対象に、Prolastin®注2) 60mg/kgを26週間投与し、肺組織への移行を検討した結果、alpha1-PIの気道上皮被覆液中濃度とalpha1-PIの血清中濃度との相関がみられた2) (外国人データ)。
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注2)Prolastin®は、1987年米国で承認されて以降、海外で承認されている本剤の製法改良前先行品であり(国内未承認)、本剤との生物学的同等性が確認されている。