切迫流・早産
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1強度の子宮出血、子癇、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者[妊娠継続が危険と判断される。]
-
2.2重篤な甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪するおそれがある。]
-
2.3重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそれがある。]
-
2.4重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。]
-
2.5重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるおそれがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。]
-
2.6重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれがある。]
-
2.7妊娠16週未満の妊婦
-
2.8本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。
使用上の注意
-
8.1本剤投与中、血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。投与前から口渇、多飲、多尿、頻尿等の糖尿病症状の有無や血糖値、尿糖、尿ケトン体等の観察を十分に行うこと。
-
8.21日用量30mgを越えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
-
8.3切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた後に本剤を投与するとともに、症状の消失がみられた場合は漫然と継続投与しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1甲状腺機能亢進症の患者(重篤な甲状腺機能亢進症の患者を除く)
症状が増悪するおそれがある。
- 9.1.2高血圧症の患者(重篤な高血圧症の患者を除く)
過度の昇圧が起こるおそれがある。
- 9.1.3心疾患の患者(重篤な心疾患の患者を除く)
心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。
- 9.1.4糖尿病の患者(重篤な糖尿病の患者を除く)、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者
過度の血糖上昇があらわれることがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。
- 9.1.5肺高血圧症の患者(重篤な肺高血圧症の患者を除く)
肺水腫が起こるおそれがある。
- 9.1.6筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者
横紋筋融解症があらわれることがある。
- 9.1.7本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(重篤な過敏症の既往歴のある患者を除く)
9.5 妊婦
- 9.5.1妊娠16週未満の妊婦
投与しないこと。本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが、妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していない。臨床試験において妊娠16週未満の症例数は少ない。
9.6 授乳婦
出産直前に本剤を投与した場合には、母乳栄養の有益性を考慮し、出産直後の授乳を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| β刺激剤 | 作用が増強されることがある。 | 相加的に作用が増強される。 |
| β遮断剤 | 作用が減弱されることがある。 | β受容体において競合的に拮抗する。 |
| カリウム減少性利尿剤 | 過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。 | 相加的にカリウム低下が増強される。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALTの上昇等 | 頻度不明 |
| AST | 頻度不明 |
| しびれ | 頻度不明 |
| ふらつき | 1〜5%未満 |
| 不整脈(心室性期外収縮等) | 頻度不明 |
| 動悸・頻脈 | 5%以上 |
| 唾液腺腫脹 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 新生児低血糖症 | 頻度不明 |
| 新生児頻脈 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 胎児不整脈 | 頻度不明 |
| 胎児頻脈 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 1〜5%未満 |
| 高アミラーゼ血症(唾液腺型アミラーゼ増加) | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
薬理学的な分析より、リトドリン塩酸塩はβ受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ、Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに、膜の過分極、膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし、子宮収縮抑制作用を発揮する5),6) (in vitro)。
18.2 生体位子宮運動抑制作用
妊娠後期のラット、ウサギ、ヒツジ及びアカゲザルの自発性子宮運動ならびにPGF2α、オキシトシンなどの薬物誘発子宮運動亢進反応をリトドリン塩酸塩は用量依存的に抑制した7),8),9),10)。
18.3 摘出子宮運動抑制作用
妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチルコリン、オキシトシン、PGF2α、KCl及び電気刺激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依存的に著明に抑制した7) (in vitro)。
18.4 子宮筋への選択性
ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房標本を用いた実験で、リトドリン塩酸塩はイソプレナリン塩酸塩、イソクスプリン塩酸塩に比し優れた子宮筋への選択性を示した5) (in vitro)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回経口投与
健常成人に10㎎を単回経口投与したとき注1) 、速やかに吸収され、1時間後に最高血中濃度に達し、以後血中濃度は消失半減期0.2時間(α相)、1.4時間(β相)で速やかに低下する。AUCは29.9(ng・hr/mL)である1) 。
- 16.1.2生物学的同等性試験
健常成人女性にリトドリン塩酸塩錠5mg「あすか」とウテメリン錠5mgそれぞれ2錠(リトドリン塩酸塩として10mg)を、クロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2) 。
| 投与量 | AUC0-9 (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| リトドリン塩酸塩錠5mg「あすか」 | 10mg | 17.98±3.12 | 9.26±1.72 | 0.33±0.00 | 3.27±1.10 |
| ウテメリン錠5mg | 10mg | 18.07±2.79 | 9.10±1.45 | 0.33±0.00 | 3.39±0.70 |
(mean±S.D., n=14)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
健常成人に10mgを単回経口投与したとき注1) 、投与後48時間までに投与量の86%が尿中に排泄されるが、12時間以内にその大部分が排泄される1) 。
注1)本剤の承認されている用法及び用量は「通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。」である。