がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
【警告】
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、フチバチニブとして1日1回20mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.2高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B又はC)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
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9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後一週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児の内臓及び骨格異常の発生が報告されている1)。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- *本剤は主にCYP3Aで代謝される2)。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 強い又は中程度のCYP3A誘導剤 リファンピシン、カルバマゼピン、エファビレンツ等 |
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 強い又は中程度のCYP3A阻害剤 イトラコナゾール、クラリスロマイシン、フルコナゾール等 |
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 頻度不明 |
| AST増加 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| ドライアイ | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 口内乾燥(30.1%) | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 手掌・足底発赤知覚不全症候群 | 頻度不明 |
| 末梢性ニューロパチー | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 爪の異常(46.6%) | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 |
| 眼瞼炎 | 頻度不明 |
| 睫毛の異常 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 脱毛症(33.0%) | 頻度不明 |
| 脱水 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 視力障害 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 高カルシウム血症 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
フチバチニブは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害する低分子化合物である。フチバチニブは、FGFR融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている15)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人進行固形癌患者に本剤20mgを空腹時に単回経口投与したときのフチバチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。
日本人進行固形癌患者に本剤20mgを単回経口投与したときのフチバチニブの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)
| 投与量 (症例数) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (h) |
AUC0-24 (h·ng/mL) |
|---|---|---|---|
| 20mg (n=7) |
253±161 | 2.00(1.00、3.95) | 981±716 |
値は平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値、最大値)で示した。
- 16.1.2反復投与
外国人進行固形癌患者に本剤20mgを1日1回反復経口投与したときのフチバチニブの蓄積率は、1.06~1.27であった5)。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人16例に本剤20mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.576及び0.888であった6)(外国人データ)。
16.3 分布
フチバチニブのヒト血漿タンパク結合率は約95%であり、主にヒト血清アルブミン及びα1酸性糖タンパク質と結合した2)(in vitro)。
16.4 代謝
フチバチニブは主にCYP3Aによって代謝される2)(in vitro)。 健康成人6例に14C標識体を含むフチバチニブ20mgの溶液を単回経口投与したとき、血漿中の主な本剤由来成分は未変化体であった(血漿中総放射能に対する割合は59.19%)7)。血漿中における主な代謝物はシステイニルグリシン抱合体であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C標識体を含むフチバチニブ20mgの溶液を単回経口投与したとき、投与336時間までに投与した放射能の63.6%が糞中、6.47%が尿中に排泄された2)。尿中及び糞中に未変化体はほとんど排泄されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
本剤20mgを単回投与したとき、肝機能正常被験者(16例)に対する①軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(8例)、②中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)及び③重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(6例)におけるフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ①1.14及び0.857、②1.18及び1.22、③1.18及び1.19であった。また、肝機能正常被験者(16例)に対する④軽度の肝機能障害患者(7例)、⑤中等度の肝機能障害患者(8例)及び⑥重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形フチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ④1.21及び0.937、⑤1.50及び1.56、⑥2.30及び2.32であった8)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1リファンピシン
健康成人20例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.472及び0.361であった9)(外国人データ)。
- 16.7.2カルバマゼピン、エファビレンツ
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤20mg単独投与時に対するカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)(400mgを1日2回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は0.646と推定された10)。また、本剤20mg単独投与時に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は0.521と推定された。
- 16.7.3イトラコナゾール
健康成人20例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回6日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.51及び1.41であった9)(外国人データ)。
- 16.7.4クラリスロマイシン、フルコナゾール
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤20mg単独投与時に対するクラリスロマイシン(強いCYP3A阻害剤)(500mgを1日2回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は1.47と推定された10)。また、本剤20mg単独投与時に対するフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)(200mgを1日1回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は1.40と推定された。
-
16.7.5その他
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(1)ランソプラゾール
健康成人20例にランソプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)60mgを1日1回5日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するランソプラゾール併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.08及び1.05であった11)(外国人データ)。
- (2)ミダゾラム
健康成人24例に本剤20mgを1日1回7日間反復投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.946及び0.911であった12)(外国人データ)。
- (3)*ジゴキシン、ロスバスタチン
健康成人20例に本剤20mgを1日1回7日間反復投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mg及びロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを単回併用投与したとき、ジゴキシン及びロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.951及び1.002、ロスバスタチンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.102及び1.135であった13)(外国人データ)。
- (4)*キニジン
健康成人15例にキニジン(P-gp阻害剤)200mgを1日4回4日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するキニジン併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.08及び1.17であった13)(外国人データ)。
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(5)フチバチニブはCYP1A2の誘導作用を示した2)(in vitro)。
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(6)フチバチニブはBCRPの基質である2)(in vitro*)。