HIV-1感染症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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**2.2リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、アパルタミド、エンザルタミド、デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く)、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を投与中の患者
効能・効果
用法・用量
- 〈1ヵ月間隔投与〉
カボテグラビルとの併用において、通常、成人にはリルピビリンとして900mgを臀部筋肉内に投与する。以降は600mgを1ヵ月に1回、臀部筋肉内に投与する。
- 〈2ヵ月間隔投与〉
カボテグラビルとの併用において、通常、成人にはリルピビリンとして900mgを臀部筋肉内に投与する。本剤初回投与1ヵ月後に900mgを臀部筋肉内に投与し、以降は900mgを2ヵ月に1回、臀部筋肉内に投与する。
使用上の注意
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8.1本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
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8.2本剤は投与スケジュールが遵守されない場合、ウイルスの再増殖及び薬剤耐性リスクのおそれがあるため、投与スケジュールを遵守するよう患者に指導すること。
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8.3本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
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8.3.1本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
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8.3.2本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
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8.3.3本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
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8.4本剤の投与を中止する場合は、以下の点に留意すること。
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本剤は投与後に長期間(12ヵ月以上)にわたって血中に残留する可能性があるため、本剤の長期作用に注意すること。
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ウイルス耐性の発現リスクを最小限に抑えるため、本剤を1ヵ月間隔で投与していた場合は最終投与後1ヵ月以内に、本剤を2ヵ月間隔で投与していた場合は最終投与後2ヵ月以内に、他の抗レトロウイルス療法を開始すること。
- 8.5臨床試験において、本剤投与後数分以内に重篤な注射後反応が報告されており、これは偶発的な静脈内投与が関連している可能性がある。これらの事象には、呼吸困難、気管支痙攣、激越、腹部痙攣、発疹・蕁麻疹、浮動性めまい、潮紅、発汗、口腔内しびれ感、血圧の変化及び疼痛(背中や胸部など)のような症状が含まれた。 本剤を誤って静脈内に投与しないよう注意すること。本剤投与後患者の状態を十分に観察すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1不整脈を起こしやすい患者
低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等の患者では、QT延長により不整脈が発現するおそれがある。リルピビリン経口剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。
- 9.1.2B型及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者
定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。リルピビリン経口剤における海外第Ⅲ相試験において、これらの患者では、肝臓関連有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現頻度が非重複感染患者より高かった[重複感染患者33.3%(18/54例)、非重複感染患者4.9%(31/632例)]。
9.5 妊婦
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9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は投与後に長期間(12ヵ月以上)にわたって残留する可能性があるため、妊娠した場合に胎児が本剤に曝露される可能性がある。
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9.5.2妊娠中期及び妊娠後期の妊婦にリルピビリン経口剤を投与したとき、出産後と比較し、リルピビリンの血中濃度低下が認められている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。一般に、乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳をすべきでない。リルピビリンは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒトにおける乳汁への移行は不明である。リルピビリンは、本剤投与中止後12ヵ月以上にわたり全身循環血中に検出されていることから、この期間中はヒト乳汁中に残留する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
- 本剤は主にCYP3Aにより代謝される。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| リファンピシン1) • リファジン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| リファブチン2) • ミコブティン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| カルバマゼピン • テグレトールフェノバルビタール • フェノバールフェニトイン • アレビアチンホスフェニトイン • ホストイン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| アパルタミド • アーリーダエンザルタミド • イクスタンジ |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く) • デカドロン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クラリスロマイシン エリスロマイシン |
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。代替としてアジスロマイシン等を考慮すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| メサドン3) | メサドンの血中濃度が低下することがある。 | 機序不明 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤 • アミオダロン ソタロール等 |
QT延長、心室性頻拍(Torsade de Pointesを含む)が発現するおそれがある。 | リルピビリン経口剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP増加 | 頻度不明 |
| LDLコレステロール増加 | 頻度不明 |
| うつ病 | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| トランスアミナーゼ上昇 | 頻度不明 |
| トリグリセリド増加 | 頻度不明 |
| ヘモグロビン減少 | 頻度不明 |
| リパーゼ増加 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低リン酸血症 | 頻度不明 |
| 低血糖 | 頻度不明 |
| 体脂肪の再分布/蓄積 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 免疫再構築症候群 | 頻度不明 |
| 内出血 | 頻度不明 |
| 出血 | 頻度不明 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 変色) | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 抑うつ気分 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(不快感 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(疼痛 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(蜂巣炎 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 熱感 | 頻度不明 |
| 異常な夢 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 頻度不明 |
| 知覚消失) | 頻度不明 |
| 硬結) | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 結節 | 頻度不明 |
| 総コレステロール増加 | 頻度不明 |
| 総ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| 肝毒性 | 頻度不明 |
| 腫脹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 膵型アミラーゼ増加 | 頻度不明 |
| 膿瘍 | 頻度不明 |
| 血管迷走神経性反応 | 頻度不明 |
| 血腫 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 高血糖 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
リルピビリンはジアリルピリミジン骨格を有し、HIV-1に作用するNNRTIである。リルピビリンは、HIV-1逆転写酵素(RT)を非競合的に阻害し、ヒトDNAポリメラーゼα、β及びγを阻害しない。34),35)
18.2 抗ウイルス作用
T細胞株に急性感染させた野生型(WT)HIV-1実験室株のⅢBに対するリルピビリンの50%有効濃度(EC50)の中央値は、0.73nmol/L(0.27ng/mL)であった。 リルピビリンはHIV-1臨床分離株のgroup Mに対して0.07~1.01nmol/L(0.03~0.37ng/mL)、group Oに対して2.88~8.45nmol/L(1.06~3.10ng/mL)のEC50値を示した。34)
18.3 薬剤耐性
In vitro及びin vivo(抗HIV薬の使用経験のないHIV-1感染患者に対してリルピビリン経口剤を投与した臨床試験)での検討結果から、ベースライン時にK101E、K101P、E138A、E138G、E138K、E138R、E138Q、V179L、Y181C、Y181I、Y181V、Y188L、H221Y、F227C、M230I、M230L及びK103N+L100Iのアミノ酸変異を有する株は、リルピビリンの抗ウイルス効果に影響を及ぼす可能性があると考えられた。 201584(FLAIR)試験のRPV+CAB群において、耐性データの得られたウイルス学的失敗例3例中2例では、治療中にINSTI耐性関連Q148R変異を生じており、1例ではカボテグラビルに対する感受性低下を示すG140R変異が生じた。また、3例すべての被験者で1種類のリルピビリン耐性関連変異(K101E、E138E/A/K/T又はE138K)を生じており、3例中2例でリルピビリンに対する感受性の低下を示した。 201585(ATLAS)試験のウイルス学的失敗例3例中1例ではウイルス学的失敗の疑い時にINSTI耐性関連N155H変異が検出された。また、3例すべての被験者で治療中にリルピビリン耐性関連変異(E138A、E138E/K又はE138K)を生じており、リルピビリンに対する感受性の低下を示し、3例中1例はカボテグラビルに対する感受性の低下を示した。カボテグラビルに対する耐性関連変異は、G140R(1例)、Q148R(2例)及びN155H(1例)であった。 207966(ATLAS-2M)試験において、1ヵ月間隔投与群のウイルス学的失敗例(2例)では、いずれの被験者もベースライン時にリルピビリン又はINSTI耐性関連変異を有していなかった。1例でNNRTI関連変異(G190Q)とNNRTI多型(V189I)が同時に検出された。ウイルス学的失敗の疑い時に1例で治療中にリルピビリン耐性関連変異(K101E+M230L)が検出され、別の被験者ではNNRTI関連変異(G190Q+V189I)にV179V/Iが追加されていた。いずれの被験者においてもリルピビリンに対する感受性の低下を示した。また、いずれの被験者もウイルス学的失敗の疑い時にINSTI耐性関連変異(Q148R+E138E/K又はN155N/H)を有しており、1例ではカボテグラビルに対する感受性の低下を示した。いずれもINSTI関連変異であるL74Iは有しておらず、これらの被験者におけるカボテグラビルの感受性変化度[Fold change(FC):表現型耐性の指標であるEC50値の比]は1.8~4.6であった。 2ヵ月間隔投与群のウイルス学的失敗例(8例)において、ベースライン時に5例がリルピビリン耐性関連変異(Y181Y/C+H221H/Y、Y188Y/F/H/L、Y188L、E138A又はE138E/A)を有し、1例がカボテグラビル耐性関連変異(G140G/R)を有していた(リルピビリン耐性関連変異Y181Y/F/H/Lを有していた症例と同一)。ウイルス学的失敗の疑い時に6例がリルピビリン耐性関連変異を有しており、うち2例でK101E、1例でE138E/Kがベースライン時から追加されていた。リルピビリンの感受性変化度は7例の被験者で生物学的カットオフ値を上回っていた(範囲:2.4~15)。リルピビリン耐性関連変異を有していた6例中5例がINSTI耐性関連変異[N155H(2例)、Q148R(1例)及びQ148Q/R+N155N/H(2例)]を有していた。INSTI耐性関連変異であるL74Iが7例中4例の被験者でみられた。1例の被験者は、インテグラーゼ遺伝子型及び表現型アッセイの結果が得られず、他の1例ではカボテグラビル表現型の結果が得られなかった。これらの被験者におけるカボテグラビルの感受性変化度の範囲は0.6~9.1であった。27),28),34),36),37)
18.4 交差耐性
リルピビリンは、RTにK103N及びY181C等のNNRTI耐性関連アミノ酸変異を1個導入した67株のうち64株(96%)に抗ウイルス作用を示した。リルピビリンへの感受性の低下をもたらした単一のアミノ酸変異はK101P、Y181I及びY181Vであった。K103Nのアミノ酸変異は、単一でリルピビリンに対する感受性が低下しなかったが、K103N及びL100Iの二重変異では、リルピビリンに対する感受性が7倍低下した。 エファビレンツ及びネビラピンのどちらか一方若しくは両方に耐性を示す4786株のHIV-1組換え型臨床分離株のうち62%の株は、リルピビリンに対して感受性を維持(FC値≦BCO)していた。 ウイルス学的に抑制されたHIV-1感染患者を対象とした第Ⅲ相試験(ATLAS及びFLAIR試験)の48週時併合解析において、ウイルス学的失敗7例中5例で表現型耐性検査にて本剤に対する感受性が低下していた。これらのうち4例はエファビレンツ、3例はエトラビリン、4例はネビラピンへの耐性を示した。27),28),34),38)
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人に本剤300mg、600mg、1200mgを単回筋肉内投与したとき、血漿中リルピビリン濃度は投与後3日から11.5日(中央値)に最高血漿中濃度に達し、44.29日から60.67日(平均値)の消失半減期で消失した。薬物動態パラメータを表1に示す。4)なお、300mg及び1200mgは本剤の承認用量ではない。(外国人データ)
図1 外国人健康成人に本剤300mg、600mg、1200mgを単回筋肉内投与したときの血漿中リルピビリン濃度-時間推移(平均値±標準偏差、n=5~6)
| 薬物動態パラメータ | 平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲) | ||
|---|---|---|---|
| 300mg | 600mg | 1200mg | |
| n=6 | n=5 | n=6 | |
| tmax (日) |
11.5 (2.0-22.0) |
9.0 (5.0-28.0) |
3.0 (2.0-5.0) |
| Cmax (ng/mL) |
38.58 (25.16) |
47.56 (12.98) |
139.5 (16.10) |
| AUC28day (ng・h/mL) |
17,090 (8,907) |
25,240 (8,184) |
55,350 (13,550) |
| AUC∞ (ng・h/mL) |
48,680 (19,620) |
106,400 (35,570) |
- |
| t1/2 (日) |
44.29 (23.55) |
60.67 (19.55) |
- |
未算出:-
- 16.1.2反復投与
母集団薬物動態モデルを用いた、HIV-1感染症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(201584試験、201585試験及び207966試験)における、本剤+カボテグラビル注射剤投与時のリルピビリン薬物動態パラメータ(AUCtau、Cmax及びCtau)のベイズ推定値の要約統計量を日本人及び外国人集団別に表2に示す。
| 用法及び用量 | 被験者集団 | 例数 | 血漿リルピビリン薬物動態パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| AUC(0-tau) (ng・h/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Ctau (ng/mL) |
||||
| 本剤初回投与時a) | 本剤900mg 初回投与 |
日本人c) | 8 | 52705 (38296-72217) |
154 (115-194) |
47.7 (38.2-62.1) |
| 外国人 | 1351 | 44799 (21698-87590) |
144 (93.8-221) |
41.9 (21.7-79.1) |
||
| 1ヵ月間隔投与時b) | 本剤600mg 1ヵ月間隔投与 |
日本人c) | 8 | 79447 (67094-95430) |
143 (119-171) |
96.3 (82.7-118) |
| 外国人 | 961 | 68239 (39032-118407) |
120 (68.1-211) |
85.8 (49.5-147) |
||
| 2ヵ月間隔投与時b) | 本剤900mg 2ヵ月間隔投与 |
日本人c) | 0 | NA | NA | NA |
| 外国人 | 390 | 132450 (76638-221783) |
138 (80.6-228) |
68.9 (38.0-119) |
NA: 該当なし a)本剤初回投与は経口投与の最終日と同日に実施されたため、本剤初回投与時のCmaxの値は経口投与の影響を含む。 b)本剤1ヵ月間隔投与及び2ヵ月間隔投与の薬物動態パラメータは、本剤投与開始後48週時の値を示した。 c)201584試験で、本剤+カボテグラビル注射剤を1ヵ月間隔で投与された日本人患者は8例であった。2ヵ月間隔で本剤+カボテグラビル注射剤を投与された日本人患者はいなかったため、2ヵ月間隔投与における薬物動態パラメータの事後推定値は外国人集団でのみ算出された。 本剤投与時の薬物動態パラメータ値は、国際共同第Ⅲ相試験(201584試験、201585試験及び207966試験)の母集団薬物動態解析で得られた個別推定値に基づき、幾何平均値(90%予測区間)を示した。
16.3 分布
平衡透析法を用いたin vitro試験で、リルピビリンの血漿蛋白結合率は約99.7%であり、主にアルブミンに結合した5)。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソーム及びヒトCYP発現系ミクロソームを用いたin vitro試験で、リルピビリンは主にCYP3Aにより代謝された6)。
16.5 排泄
健康成人に14C-リルピビリン(液剤)150mgを単回経口投与したとき、投与した総放射能の85%(平均値)が糞中、6.1%(平均値)が尿中から回収された。糞中及び尿中の未変化体の割合は、それぞれ投与量の25%(平均値)及び1%未満であった。(リルピビリン液剤経口投与時における外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
本剤を用いた試験は実施していない。軽度肝機能障害(Child-PughスコアA、8例)及び中等度肝機能障害(Child-PughスコアB、8例)患者にリルピビリン経口剤25mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中リルピビリンのAUC24は、健康成人と比較してそれぞれ47%及び5%高かった。重度肝機能障害患者(Child-PughスコアC)を対象とした試験は実施していない。7)(リルピビリン経口剤投与時における外国人データ) 軽度肝機能障害及び中等度肝機能障害患者に本剤を投与するとき、用量を調節する必要はない。
- 16.6.2B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者
C型肝炎ウイルスとHIV-1の重複感染患者23例に、カボテグラビル注射剤併用下で本剤を反復筋肉内投与した結果、リルピビリンの曝露量に臨床上問題となる重複感染の影響は認められなかった8)。また、母集団薬物動態解析の結果、リルピビリン経口剤投与後のB型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルスとHIV-1の重複感染患者の血漿中リルピビリンのAUC24及びC0に、臨床上問題となる影響はなかった。(リルピビリン経口剤投与時における外国人データ)
- 16.6.3腎機能障害患者
腎機能障害患者を対象とした試験は実施していない。リルピビリンの腎排泄は限定的であるため(リルピビリン経口剤投与時における外国人データ)、腎機能障害によりリルピビリンの排泄にほとんど影響を及ぼさないと推察される9)。リルピビリンは血漿蛋白結合率が高いことから、血液透析や腹膜透析により除去される可能性は低い5)。
- 16.6.4妊婦、産婦への投与
妊娠中期のHIV-1感染患者(15例)に、リルピビリン経口剤25mgを1日1回経口投与したとき、リルピビリンのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;11例)と比較してそれぞれ21%、29%及び35%減少し、妊娠後期(13例)では、それぞれ20%、31%及び42%減少した。(リルピビリン経口剤投与時における外国人データ)
16.7 薬物相互作用
リルピビリン経口剤と主な薬剤の併用による薬物動態への影響を下表に示す(表3及び表4)。 なお、アバカビル、エムトリシタビン、ラミブジン、サニルブジン、ジドブジンは主に腎排泄型であり、リルピビリンと排泄経路が異なる。リルピビリンはこれらの薬剤と相互作用を示さないと推察される。(リルピビリン経口剤投与時における外国人データ)
| 併用薬 | 併用薬の用量 | 例数 | リルピビリンの薬物動態パラメータの比 併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | |||
| ジダノシン10) | 400mg 1日1回 |
14~21 | 100 (90-110) |
100 (95-106) |
100 (92-109) |
| テノホビル11) | 300mg 1日1回 |
15~16 | 96 (81-113) |
101 (87-118) |
99 (83-116) |
| ダルナビル/リトナビル12) | 800mg/100mg 1日1回 |
14 | 179 (156-206) |
230 (198-267) |
278 (239-324) |
| ロピナビル・リトナビル配合剤13) | 400・100mg 1日2回 |
15 | 129 (118-140) |
152 (136-170) |
174 (146-208) |
| ラルテグラビルa)14) | 400mg 1日2回 |
23 | 112 (104-120) |
112 (105-119) |
103 (96-112) |
| リファブチン2) | 300mg 1日1回 |
14~16 | 65 (58-74) |
54 (50-58) |
51 (48-54) |
| リファブチンa)15) | 300mg 1日1回 |
10~18 | 69 (62-76) |
58 (52-65) |
52 (46-59) |
| リファブチンb)15) | 300mg 1日1回 |
17~18 | 143 (130-156)c) |
116 (106-126)c) |
93 (85-101)c) |
| ファモチジン16) | リルピビリン経口剤投与12時間前 40mg 1回 |
23~24 | 99 (84-116) |
91 (78-107) |
- |
| ファモチジン16) | リルピビリン経口剤投与2時間前 40mg 1回 |
22~23 | 15 (12-19) |
24 (20-28) |
- |
| ファモチジン16) | リルピビリン経口剤投与4時間後 40mg 1回 |
23~24 | 121 (106-139) |
113 (101-127) |
- |
| リファンピシン1) | 600mg 1日1回 |
15~16 | 31 (27-36) |
20 (18-23) |
11 (10-13) |
| ケトコナゾール17) | 400mg 1日1回 |
14~15 | 130 (113-148) |
149 (131-170) |
176 (157-197) |
| オメプラゾール18) | 20mg 1日1回 |
15~16 | 60 (48-73) |
60 (51-71) |
67 (58-78) |
| アセトアミノフェン19) | 500mg 1回 |
16 | 109 (101-118) |
116 (110-122) |
126 (116-138) |
| アトルバスタチン20) | 40mg 1日1回 |
16 | 91 (79-106) |
90 (81-99) |
90 (84-96) |
| クロルゾキサゾン21) | 500mg 1回 |
16 | 117 (108-127) |
125 (116-135) |
118 (109-128) |
| シルデナフィルd)22) | 50mg 1回 |
16 | 92 (85-99) |
98 (92-105) |
104 (98-109) |
| シメプレビルa) | 150mg 1日1回 |
21~23 | 104 (95-113) |
112 (105-119) |
125 (116-135) |
| カボテグラビルa)23) | 30mg 1日1回 |
11 | 96 (85-109) |
99 (89-109) |
92 (79-107) |
未算出:- a)リルピビリン経口剤25mg 1日1回投与時 b)リルピビリン経口剤50mg 1日1回投与時 c)リルピビリン経口剤25mgを単剤として投与したときとの比較 d)リルピビリン経口剤75mg 1日1回投与時
| 併用薬 | 併用薬の用量 | 例数 | 併用薬の薬物動態パラメータの比 併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | |||
| ジダノシン10) | 400mg 1日1回 |
13 | 96 (80-114) |
112 (99-127) |
- |
| テノホビル11) | 300mg 1日1回 |
15~16 | 119 (106-134) |
123 (116-131) |
124 (110-138) |
| ダルナビル12) | ダルナビル/リトナビル 800mg/100mg 1日1回 |
14~15 | 90 (81-100) |
89 (81-99) |
89 (68-116) |
| ロピナビル13) | ロピナビル・リトナビル配合剤 400・100mg 1日2回 |
15 | 96 (88-105) |
99 (89-110) |
89 (73-108) |
| ラルテグラビルb)14) | 400mg 1日2回 |
23 | 110 (77-158) |
109 (81-147) |
127 (101-160) |
| リファブチン2) | 300mg 1日1回 |
16~17 | 103 (93-114) |
103 (97-109) |
101 (94-109) |
| リファンピシン1) | 600mg 1日1回 |
15~16 | 102 (93-112) |
99 (92-107) |
- |
| ケトコナゾール17) | 400mg 1日1回 |
14 | 85 (80-90) |
76 (70-82) |
34 (25-46) |
| オメプラゾール18) | 20mg 1日1回 |
15 | 86 (68-109) |
86 (76-97) |
- |
| アセトアミノフェン19) | 500mg 1回 |
16 | 97 (86-110) |
92 (85-99) |
- |
| エチニルエストラジオールb)24) | エチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合剤 0.035・1mg 1日1回 |
14~17 | 117 (106-130) |
114 (110-119) |
109 (103-116) |
| ノルエチステロンb)24) | エチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合剤 0.035・1mg 1日1回 |
14~17 | 94 (83-106) |
89 (84-94) |
99 (90-108) |
| アトルバスタチン20) | 40mg 1日1回 |
16 | 135 (108-168) |
104 (97-112) |
85 (69-103) |
| クロルゾキサゾン21) | 500mg 1回 |
16 | 98 (85-113) |
103 (95-113) |
- |
| シルデナフィルa)22) | 50mg 1回 |
15~16 | 93 (80-108) |
97 (87-108) |
- |
| R(-)メサドンb)3) | メサドン 60~100mg 1日1回 |
12~13 | 86 (78-95) |
84 (74-95) |
78 (67-91) |
| S(+)メサドンb)3) | メサドン 60~100mg 1日1回 |
12~13 | 87 (78-97) |
84 (74-96) |
79 (67-92) |
| メトホルミンb)25) | 850mg 1回 |
20 | 102 (95-110) |
99 (94-104) |
- |
| シメプレビルb) | 150mg 1日1回 |
20~21 | 110 (97-126) |
106 (94-119) |
96 (83-111) |
| ジゴキシンb)26) | 0.5mg 1回 |
21~22 | 106 (97-117) |
98 (93-104) |
- |
| カボテグラビルb)23) | 30mg 1日1回 |
11 | 105 (96-115) |
112 (105-119) |
114 (104-124) |
算出不能:- a)リルピビリン経口剤75mg 1日1回投与時 b)リルピビリン経口剤25mg 1日1回投与時