Clinical snapshot

リオレサール錠5mg

バクロフェン

添付文書改訂 2024年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記疾患による痙性麻痺 脳血管障害、脳性(小児)麻痺、痙性脊髄麻痺、脊髄血管障害、頸部脊椎症、後縦靱帯骨化症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、その他の脳性疾患、その他のミエロパチー

用法・用量

〈成人〉 通常成人には初回量として1日バクロフェン5~15mgを1~3回に分け食後経口投与し、以後患者の症状を観察しながら標準用量に達するまで2~3日毎に1日5~10mgずつ増量する。 標準用量は1日30mgであるが、患者の本剤に対する反応には個人差があるため、年齢、症状に応じて適宜増減する。 〈小児〉 小児には初回量として1日バクロフェン5mgを1~2回に分け食後に経口投与し、以後患者の症状を観察しながら標準用量に達するまで、2~3日毎に1日5mgずつ増量する。なお、症状、体重に応じて適宜増減する。

標準用量

  • 4~6才:1日5~15mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。 7~11才:1日5~20mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。 12~15才:1日5~25mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の長期連用中に投与を急に中止すると幻覚、せん妄、錯乱、興奮状態、痙攣発作等が発現したとの報告があるので、投与を中止する場合は、用量を徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  2. 8.2眠気等を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかん及びその既往歴のある患者

症状を誘発するおそれがある。

  1. 9.1.2精神障害のある患者

精神症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3消化性潰瘍のある患者

腹痛等の消化器系の副作用が報告されており、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4呼吸不全のある患者

本剤の筋弛緩作用により呼吸抑制が起こるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1透析を必要とするような重篤な腎機能障害を有する患者

過量投与の症状(意識障害、呼吸抑制等)に注意すること。

  1. 9.2.2腎機能低下のある患者

血中濃度が上昇することがある。

9.3 肝機能障害患者

症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過が報告されている。また、妊娠中に本剤を投与した患者で、新生児に離脱症状が疑われる全身痙攣があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

慎重に投与すること。特にてんかん及びその既往歴のある患者では発作を誘発するおそれがある。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、比較的低用量で筋力低下、けん怠感等の症状があらわれることがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血圧降下剤 血圧降下作用を増強するおそれがある。 いずれも血圧降下作用を有するため。
中枢神経抑制剤
(催眠鎮静剤、抗不安剤、麻酔剤等)
アルコール
中枢神経抑制作用を増強するおそれがある。 いずれも中枢神経抑制作用を有するため。
オピオイド系鎮痛剤(モルヒネ等) 低血圧あるいは呼吸困難等の副作用を増強するおそれがある。 相互に作用を増強すると考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
頻度不明
1〜5%未満
1〜5%未満
頻度不明
1〜5%未満
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
1〜5%未満
1%未満
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
ふらつき 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
下肢うっ血 1%未満
不眠 1%未満
不随意運動 1%未満
低体温 頻度不明
便秘 1%未満
全身けん怠感 1%未満
勃起消失 1%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
嚥下力低下 1%未満
尿失禁 1〜5%未満
幻覚 1%未満
徐脈 頻度不明
悪心 頻度不明
情緒不安定 1%未満
意識障害 1%未満
抑うつ 1〜5%未満
排尿困難 1%未満
構音障害 1%未満
歩行障害 頻度不明
流涎 1%未満
浮腫 1%未満
痙攣発作 1%未満
痙縮増悪 頻度不明
発汗 1%未満
発疹 1%未満
眠気(9.8%) 頻度不明
眼振 頻度不明
知覚異常(しびれ等) 1〜5%未満
空腹感 1%未満
筋力低下 1〜5%未満
筋肉痛 1%未満
耳鳴 1%未満
肝障害 頻度不明
胃部不快感 1〜5%未満
胸やけ 頻度不明
胸部圧迫感 1%未満
脱力感 頻度不明
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
舌の運動障害 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
薬剤離脱症候群 頻度不明
血圧低下 1%未満
血糖値上昇 頻度不明
視調節障害 1%未満
譫妄 1%未満
酩酊感 1%未満
鎮静 1〜5%未満
頭痛・頭重 1〜5%未満
頻尿 1%未満
頻脈 1%未満
顔面チック 1%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

バクロフェンは神経筋接合部並びに筋紡錘に影響を及ぼさない用量で脊髄の単シナプス及び多シナプス両反射に対し選択的な抑制作用を示し、実験的固縮モデルについての実験では、上丘-下丘間除脳固縮(γ-固縮)及び貧血性除脳固縮(α-固縮)の両固縮に対し用量依存性の抑制作用が認められている。

18.2 行動観察

行動観察(イヌ6)、ネコ6)、ウサギ6)、マウス6),7))、握力試験(マウス7))並びに回転棒試験(マウス8))において明らかな筋弛緩作用が認められている。

18.3 脊髄機能に及ぼす影響

  1. 18.3.1単シナプス及び多シナプス反射に及ぼす影響

バクロフェンは単シナプス反射、多シナプス反射をともに抑制するが、単シナプス反射に対しより強い抑制作用が認められている(カエル6),7)、ラット7)、ネコ6)、ヒヨコ7))。

  1. 18.3.2前根及び後根に及ぼす影響

前根自発発射の用量依存性の抑制(カエル7),9))、前根の過分極(カエル9))、興奮性シナプス後電位(EPSP)の抑制(カエル10)、ネコ11))、後根反射の抑制(ラット7)、ネコ12))及び後根終末の過分極(カエル10))作用が認められている。

  1. 18.3.3γ-運動ニューロンに及ぼす影響

γ-運動ニューロン自発発射の強い持続的な抑制作用(ラット7)、ネコ6))並びに耳介機械刺激誘発発射の軽度抑制作用(ラット7))が認められている。

  1. 18.3.4Renshaw細胞活性に及ぼす影響

ネコを用いた実験でRenshaw細胞活性増強作用が認められている13)。

18.4 固縮に対する作用

ラット7)及びネコ6)の上丘-下丘間除脳固縮、貧血性除脳固縮の両固縮モデルに対し用量依存性の抑制作用が認められている。

18.5 末梢受容器に対する作用

脊髄反射を抑制する用量レベルでは、神経筋接合部(カエル7)、マウス7)、ネコ6))、筋紡錘(カエル7)、ラット7))等に対する末梢作用は認められていない。

18.6 その他の作用

圧刺激法(マウス7)、ラット7))、熱板法(マウス14))等において鎮痛作用が認められている。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人に10mg及び5mgを経口投与した場合、血中濃度は3時間後で最高に達し、血中からの消失半減期は3.6~4.5時間であった2)。

Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
T1/2
(h)
5mg錠 3 82.8 4.5
10mg錠 3 121.8 3.6

16.2 吸収

バクロフェンは消化管からよく吸収される2)。

16.3 分布

  1. 16.3.1乳汁中移行

バクロフェンを20mg 1回投与した場合、乳汁中への移行が認められている(強直性対麻痺患者)3)(外国人のデータ)。

16.4 代謝

ヒトに経口投与した場合、83~93%が未変化体で4~8%が代謝物として尿中に排泄され、ヒトの体内での代謝はわずかであった(外国人のデータ)。

16.5 排泄

健康成人に10mg及び5mgを経口投与した場合、24時間までに78.7~80.8%が未変化体として尿中に排泄された。 漸増法により連続投与された場合、累積投与に対して尿中排泄率は1日目80.8%、2日目75.8%であり、3日目以降は62~63%と一定であった2)。