2型糖尿病 ただし、アログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
リオベル配合錠HD
アログリプチン安息香酸塩/ピオグリタゾン塩酸塩
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者[ピオグリタゾンでは、動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を増悪あるいは発症したとの報告がある。]
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2.2重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
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2.3重篤な肝機能障害のある患者
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2.4重篤な腎機能障害のある患者
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2.5重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
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2.6本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/ピオグリタゾンとして25mg/15mg又は25mg/30mg)を朝食前又は朝食後に経口投与する。
使用上の注意
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8.1循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導すること。
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8.2心電図異常や心胸比増大があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど十分に観察し、異常が認められた場合には投与を一時中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。
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8.3低血糖症状を起こすことがあるので、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明し、注意を喚起すること。
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8.4低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。
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8.5ピオグリタゾンを投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、以下の点に注意すること。
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膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
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投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。
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投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。
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8.6急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。
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8.7投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行うこと。
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8.8急激な血糖下降に伴い、糖尿病性網膜症が悪化する例があるので留意すること。
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8.9本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は検討されていない。
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8.10本剤の有効成分であるDPP-4阻害剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者
循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。
- 9.1.2低血糖を起こすおそれのある以下の患者または状態
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脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者
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栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態の患者
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激しい筋肉運動をしている患者
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過度のアルコール摂取者
- 9.1.3*腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと
- 9.2.2腎機能障害患者(重篤な腎機能障害患者を除く)
中等度以上の腎機能障害では、排泄の遅延によりアログリプチンの血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。ピオグリタゾンは主に肝臓で代謝されるため、蓄積するおそれがある。
- 9.3.2肝機能障害患者(重篤な肝機能障害患者を除く)
ピオグリタゾンは主に肝臓で代謝されるため、蓄積するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ピオグリタゾンについては、ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚・胎児死亡率の高値、出生児の生存率の低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎児死亡率の高値がみられている。また、アログリプチンでは、動物試験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。アログリプチン及びピオグリタゾンでは、ラットで乳汁中への移行が報告されている1)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
これまでのピオグリタゾンの投与量を考慮のうえ、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 糖尿病用薬 • スルホニルウレア剤 速効型インスリン分泌促進薬 α-グルコシダーゼ阻害剤 ビグアナイド系薬剤 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害剤 インスリン製剤 |
低血糖を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤の減量を検討すること。 | 併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。 |
| 糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤 • β-遮断薬 サリチル酸製剤 モノアミン酸化酵素阻害薬 フィブラート系の高脂血症治療薬 ワルファリン 等 |
血糖が低下するおそれがある。 | 併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。 |
| 糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤 • アドレナリン 副腎皮質ホルモン 甲状腺ホルモン 等 |
血糖が上昇するおそれがある。 | 併用により血糖降下作用が減弱するおそれがある。 |
| リファンピシン等のCYP2C8を誘導する薬剤 | 併用する場合は血糖管理状況を十分に観察し、必要に応じピオグリタゾンを増量すること。 | リファンピシンと併用するとピオグリタゾンのAUCが54%低下するとの報告がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AL-P | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| AST | 頻度不明 |
| BUN及びカリウムの上昇 | 頻度不明 |
| LDH及びCKの上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTPの上昇 | 頻度不明 |
| しびれ | 1〜5%未満 |
| じん麻疹 | 頻度不明 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| ふらつき | 頻度不明 |
| ふるえ | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 体重及び尿蛋白の増加 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 増悪注3) | 頻度不明 |
| 心胸比増大 | 頻度不明 |
| 心電図異常 | 頻度不明 |
| 急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化 | 頻度不明 |
| 息切れ | 1〜5%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 1〜5%未満 |
| 糖尿病性黄斑浮腫の発症 | 頻度不明 |
| 総蛋白及びカルシウムの低下 | 頻度不明 |
| 胃腸炎 | 1〜5%未満 |
| 胃部不快感 | 頻度不明 |
| 胸やけ | 頻度不明 |
| 胸部圧迫感 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 1〜5%未満 |
| 血圧上昇 | 1〜5%未満 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 貧血 | 1〜5%未満 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 食欲亢進 | 頻度不明 |
| 骨折注2) | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
| 鼻咽頭炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 〈アログリプチン〉
アログリプチンは食事の経口摂取刺激により腸管から血中に分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を不活性化するジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を上昇させ、糖濃度依存的に膵臓からのインスリン分泌を促進させる42),43)。
- 〈ピオグリタゾン〉
ピオグリタゾンはインスリン受容体のインスリン結合部以降に作用してインスリン抵抗性を軽減し、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖利用を高め血糖を低下させる。この作用は、インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化することによると推測される44),45)。
18.2 DPP-4に対する阻害作用
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18.2.1アログリプチンはヒト血漿中DPP-4活性を選択的に阻害した(IC50値:10nmol/L)(in vitro)46)。
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18.2.2健康成人にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、投与24時間後のDPP-4阻害率は81%であった19)。
18.3 活性型GLP-1濃度増加作用
食事療法、運動療法を実施するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを12週間経口投与(1日1回朝食前)したプラセボ対照二重盲検比較試験(用量設定試験)において、プラセボ投与群と比べて、活性型GLP-1濃度の有意な増加が認められた47)。
18.4 血糖改善作用及び耐糖能改善作用
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18.4.1食事療法、運動療法を実施するも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にアログリプチンとして25mgを12週間経口投与(1日1回朝食前)したプラセボ対照二重盲検比較試験(用量設定試験)において、プラセボ投与群と比べて、食後血糖の改善が認められた47)。
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18.4.2一晩絶食した非肥満2型糖尿病モデル(N-STZ-1.5ラット)及び肥満2型糖尿病モデル(Wistar fattyラット)にアログリプチンを単回経口投与し、投与1時間後にグルコースを経口投与した糖負荷試験において、耐糖能改善作用が認められた48)。
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18.4.3顕著な膵疲弊を呈する肥満2型糖尿病モデル(雄db/dbマウス)において、アログリプチン及びピオグリタゾンを3週間混餌併用投与した時、HbA1cの相加的な低下、血漿グルコース濃度の相乗的な低下が認められた。また、3週間混餌投与後の膵インスリン含量にも相乗的な増加が認められた49),50)。
18.5 インスリン抵抗性改善作用
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18.5.1インスリン抵抗性を有し、肥満型糖尿病であるWistar fattyラット及び肥満であるZucker fattyラットにピオグリタゾンを14日間投与し、20時間絶食後にインスリンを投与したところ、インスリン投与後の血糖低下の増強が認められた51)。
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18.5.2ピオグリタゾンは肥満型糖尿病であるKKAyマウスの横隔膜のグリコーゲン画分及び副睾丸周囲脂肪組織の総脂肪画分へのインスリン刺激時の糖取り込みを増加させた52)。
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18.5.3ピオグリタゾンは肥満型糖尿病であるWistar fattyラットの肝からの糖産生を抑制し、末梢組織における糖の利用を高めた53)。
18.6 末梢組織におけるインスリン作用増強
ピオグリタゾンはWistar fattyラットの後肢ヒラメ筋において、インスリンの作用(グリコーゲン合成及び解糖亢進作用)を増強した(ex vivo)54)。また、Wistar fattyラットの副睾丸周囲脂肪組織由来の単離脂肪細胞において、インスリンの作用(グルコース酸化及び総脂質合成亢進作用)を増強した(ex vivo)55)。
18.7 肝におけるインスリン作用増強
ピオグリタゾンはWistar fattyラットにおいて、肝におけるグルコキナーゼの活性を亢進し、グルコース-6-ホスファターゼの活性を低下させ、糖産生を抑制した(in vivo)56)。
18.8 インスリン受容体作用増強
ピオグリタゾンはWistar fattyラットの骨格筋において、低下したインスリン受容体及びインスリン受容体基質のリン酸化を正常化し、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼの活性を亢進させた(in vivo)57)。
18.9 TNF-α産生抑制作用
ピオグリタゾンはWistar fattyラットに認められる骨格筋TNF-α産生亢進を抑制し、これと並行して高血糖を軽減した(in vivo)58)。
18.10 糖代謝改善作用
ピオグリタゾンはインスリン抵抗性を有する肥満型2型糖尿病モデル動物(KKAyマウス、Wistar fattyラット)において、高血糖及び高インスリン血症を軽減した。一方、インスリン欠乏の1型糖尿病モデル動物(ストレプトゾシン糖尿病ラット)の高血糖、正常ラット(Sprague-Dawleyラット)の正常血糖には作用を示さなかった59),60)。
18.11 耐糖能改善作用
インスリン抵抗性を有し、耐糖能異常を示すWistar fattyラット及びZucker fattyラットにピオグリタゾンを10〜12日間投与し、20時間絶食後にグルコースを経口投与したところ、グルコース投与後の血漿グルコース上昇の抑制及びインスリン過剰分泌の軽減が認められた61),62)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人(31例)にアログリプチン/ピオグリタゾンとして25mg/30mg(配合錠投与)又はアログリプチンとして25mg及びピオグリタゾンとして30mg(単剤併用投与)をクロスオーバー法により1日1回絶食下で単回経口投与した時のアログリプチン未変化体及びピオグリタゾン未変化体の血漿中濃度推移は以下のとおりであり、生物学的同等性が認められた9)。
アログリプチン未変化体及びピオグリタゾン未変化体の血漿中濃度推移
また、配合錠投与時のアログリプチン未変化体、ピオグリタゾン未変化体及び活性代謝物(M-Ⅱ〜Ⅳ)の薬物動態学的パラメータは下表のとおりであった。
| 測定物質 | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | AUC0-inf(ng・h/mL) | T1/2(h) |
|---|---|---|---|---|
| 未変化体 | 135.6±32.9 | 2.1±2.0 | 1,800.2±227.6 | 18.3±2.8 |
(平均値±標準偏差)
| 測定物質 | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | AUC0-inf(ng・h/mL) | T1/2(h) |
|---|---|---|---|---|
| 未変化体 | 1,215.7±373.0 | 2.8±1.4 | 13,201.7±3,332.1 | 9.2±7.1 |
| M-Ⅱ | 38.6±13.6 | 7.4±2.2 | 1,136.6±463.7 | 15.6±7.8 |
| M-Ⅲ | 233.3±62.3 | 16.1±5.3 | 12,521.6±3,211.4 | 29.8±8.1 |
| M-Ⅳ | 561.7±129.4 | 15.2±3.6 | 30,022.8±6,913.9 | 28.3±6.4 |
(平均値±標準偏差)
なお、Wistar fattyラットで調べた血糖低下作用において、ピオグリタゾンの代謝物M-Ⅱ~Ⅳの活性は未変化体より弱かった。
16.2 吸収
健康成人(11例)にアログリプチン/ピオグリタゾンとして25mg/30mgを食後経口投与した時、絶食下投与と比較してアログリプチンのCmaxは16.5%増加、AUCは6.5%減少、ピオグリタゾンのCmaxは20.9%増加、AUCは1.6%減少した10)。
16.3 分布
[14C]アログリプチンを0.01〜10μg/mLの濃度でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、28.2〜38.4%であった(in vitro)11)。 [14C]ピオグリタゾンをヒトの血清、4%ヒト血清アルブミン溶液に添加した時の蛋白結合率は、いずれも98%以上であった(in vitro)12)。
16.4 代謝
アログリプチンはCYP2D6によりN-脱メチル化体の活性代謝物M-Iに、また、N-アセチル化により非活性代謝物M-Ⅱに代謝されるが、M-I及びM-ⅡのAUCはそれぞれ血漿中アログリプチンの1%未満及び6%未満であり、いずれも微量代謝物であった13),14)。 また、アログリプチンはCYP3A4/5に対して弱い阻害作用と弱い誘導作用を示したが、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6を阻害せず、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19を誘導しなかった(in vitro)15)。 ピオグリタゾンはCYP1A1、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4の複数の分子種が関与しエーテル部の開裂、エチレン部分の酸化、エチル基の酸化などを受けてM-I〜Ⅵに代謝される16)。また、ピオグリタゾンはCYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4にほとんど影響を与えなかった(in vitro)17)。
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを1日1回7日間反復経口投与した時、投与216時間後までのアログリプチンの累積尿中排泄率は72.8%であった18)。また、健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時の腎クリアランスは10.7L/h(178mL/min)であり、アログリプチンの尿中排泄には、能動的な尿細管分泌の関与が示唆される19),20)。 健康成人(14例)に空腹時にピオグリタゾンとして1回30mgを単回経口投与した時、尿中には主としてM-IV〜VIが排泄され、投与後48時間までの累積尿中排泄率は約30%であった21)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者
腎機能の程度が異なる成人にアログリプチンとして50mgを単回経口投与した時注1)のAUCは、年齢と性別を対応させた健康成人と比較して、中等度腎機能障害者(Ccr=30〜50mL/min、6例)では2.1倍、高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min、6例)では3.2倍、末期腎不全罹患者(6例)では3.8倍増加した。また、アログリプチンは血液透析3時間後に投与量の7.2%が除去された22)(外国人データ)。 注1)アログリプチン安息香酸塩単剤の国内承認用量はアログリプチンとして25mgである。
- 16.6.2肝機能障害者
中等度肝機能障害者(Child-Pugh注2)スコアが7〜9、8例)及び健康成人(8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、中等度肝機能障害者のCmax、AUCは、健康成人と比較してそれぞれ7.7%、10.1%減少した23)(外国人データ)。 注2)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
- 16.6.3高齢者
健康な高齢者(65歳以上85歳以下、8例)及び非高齢者(20歳以上35歳以下、8例)にアログリプチンとして25mgを単回経口投与した時、高齢者のCmax、AUCは、非高齢者と比較してそれぞれ47.7%、30.3%増加した24)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1アログリプチンとピオグリタゾン
健康成人(30例)にピオグリタゾン(CYP2C8基質)として45mg及びアログリプチンとして25mgを1日1回12日間反復投与した時(3×3クロスオーバー試験)、ピオグリタゾン及びアログリプチンのCmax、AUCに併用投与による影響はみられなかった25)(外国人データ)。
- 16.7.2アログリプチンとその他の薬剤
アログリプチンとゲムフィブロジル(CYP2C8、CYP2C9阻害剤)、フルコナゾール(CYP2C9阻害剤)、ケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)、シクロスポリン(P-糖蛋白阻害剤)、カフェイン(CYP1A2基質)、ワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質、CYP3A4基質)、グリベンクラミド(CYP2C9基質)、トルブタミド(CYP2C9基質)、デキストロメトルファン(CYP2D6基質)、ミダゾラム(CYP3A4基質)、アトルバスタチン(CYP3A4基質)、エチニルエストラジオール(CYP3A4基質)、ノルエチンドロン(CYP3A4基質)、フェキソフェナジン(P-糖蛋白基質)、ジゴキシン(P-糖蛋白基質、腎排泄)、メトホルミン又はシメチジン(腎排泄)、ボグリボース注3)との薬物間相互作用を検討したが、いずれも併用投与の影響はみられなかった26),27),28),29),30),31),32),33),34),35)(外国人データ)。 注3)ボグリボースのみ日本人データ
- 16.7.3ピオグリタゾンとその他の薬剤
ピオグリタゾンとグリベンクラミド(CYP2C9基質)、グリクラジド(CYP2C9基質)、メトホルミン(腎排泄)又はボグリボースとの薬物間相互作用を検討したが、いずれも併用投与の影響はみられなかった36),37),38)。