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リオナ錠250mg

クエン酸第二鉄水和物錠

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 〈鉄欠乏性貧血〉
  1. 2.2鉄欠乏状態にない患者(鉄過剰症を来すおそれがある)

効能・効果

  • 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

  • 鉄欠乏性貧血

用法・用量

  • 〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉

通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし,1日3回食直後に経口投与する。以後,症状,血清リン濃度の程度により適宜増減するが,最高用量は1日6,000mgとする。

  • 〈鉄欠乏性貧血〉

通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口投与する。患者の状態に応じて適宜増減するが,最高用量は1回500mgを1日2回までとする。

使用上の注意

  • 〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉
  1. 8.1本剤は,定期的に血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は,学会のガイドライン等,最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し,カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には,カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また,二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤,カルシウム製剤,カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。

  2. 8.2本剤投与中は血清フェリチン値等を定期的に測定し,鉄過剰に注意すること。また,ヘモグロビン値等を定期的に測定し,特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には,過剰造血に注意すること。

  • 〈鉄欠乏性貧血〉
  1. 8.3本剤投与中は,ヘモグロビン値,血清フェリチン値等を適宜測定し,鉄過剰に注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者

病態を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2他の鉄含有製剤投与中の患者

鉄過剰症を引き起こすおそれがある。

  1. 9.1.3発作性夜間血色素尿症の患者

溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。

  • 〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉
  1. 9.1.4ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者

病態を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5血清フェリチン値等から鉄過剰が疑われる患者

鉄過剰症を引き起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1C型慢性肝炎等の肝炎患者

病態を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
キノロン系抗菌剤1),2)
• シプロフロキサシン等
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,同時に服用させないなど注意すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
甲状腺ホルモン剤3)
• レボチロキシン等テトラサイクリン系抗生物質4),5),6)
• テトラサイクリン塩酸塩
• ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
セフジニル7) これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
抗パーキンソン剤
• レボドパ・ベンセラジド塩酸塩等
これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
エルトロンボパグ オラミン これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。 これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
経口アルミニウム製剤注1)
• 水酸化アルミニウムゲル
• 合成ケイ酸アルミニウム
他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニウム濃度が上昇したとの報告があるので,同時に服用させないなど注意すること。 クエン酸との併用により,吸収が促進されるとの報告がある。

注1)透析療法を受けている患者には投与禁忌である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢(12.4%),悪心,便秘 頻度不明
腹部不快感,嘔吐,腹部膨満,腹痛,上腹部痛,排便回数増加,胃腸障害,下腹部痛,十二指腸潰瘍,便通不規則 頻度不明
血清フェリチン増加注2),ヘモグロビン増加,血中アルミニウム増加,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,ヘマトクリット増加 頻度不明
赤血球増加症注2),食欲減退,頭痛,高血圧,肝機能異常,湿疹,そう痒症,月経過多,倦怠感 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • 〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉

クエン酸第二鉄水和物は,消化管内でリン酸と結合して消化管からのリン吸収を抑制することにより,血清リン濃度低下作用を示す18)。

  • 〈鉄欠乏性貧血〉

クエン酸第二鉄水和物は,十二指腸シトクロムbにより2価鉄イオンに還元されて消化管から吸収される10)。吸収された鉄は,血中のトランスフェリンに結合して生体内を循環する。その後,骨髄にて赤芽球に取り込まれ,ヘモグロビン合成に利用されることで貧血を改善する19)。

18.2 作用・効果

  • 〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉
  1. 18.2.1血清リン濃度,カルシウム×リン積及び血清PTH濃度の低下作用18)

アデニン誘発腎不全ラットにおいて,クエン酸第二鉄水和物の混餌投与(1%又は3%)により,血清リン濃度,カルシウム×リン積及び血清PTH濃度の低下作用が認められた。

  1. 18.2.2異所性石灰化,二次性副甲状腺機能亢進症及び腎性骨異栄養症の進展抑制作用18)

アデニン誘発腎不全ラットにおいて,クエン酸第二鉄水和物の混餌投与(1%又は3%)により,腎臓及び大動脈におけるカルシウム沈着量が減少し,大動脈における石灰化(鉱質沈着)の抑制,副甲状腺過形成の抑制,並びに骨組織の多孔,線維化及び類骨形成の抑制が認められた。

薬物動態

16.2 吸収

  • 〈鉄欠乏性貧血〉
  1. 16.2.1食事の影響

鉄欠乏性貧血患者12例に本剤500mgを空腹時又は食直後に単回経口投与したときの,各測定時点における血清鉄濃度をベースライン(本剤投与前)の血清鉄濃度で補正した濃度のΔCmax及びΔAUC0-24hは,空腹時投与と比較して食直後投与でそれぞれ39%及び29%増加した8)。

16.7 薬物相互作用

健康成人男性に本剤2g(クエン酸第二鉄水和物として2g)と各薬剤を併用したときの各薬剤の薬物動態に及ぼすクエン酸第二鉄の影響を表16-1に示す9)(外国人データ)。

併用薬 併用薬投与量 例数 薬物動態パラメータ 試験薬単独投与時の曝露量に対する幾何平均比[90%信頼区間]
同時投与時 2時間後投与時
シプロフロキサシン 500mg 26 Cmax 58.47
[50.93, 67.12]
125.93
[109.70, 144.57]
AUC0-inf 57.50
[50.93, 64.91]
106.21
[94.08, 119.90]
ジゴキシン 0.25mg 30 Cmax 105.46
[91.47, 121.59]
120.93
[104.88, 139.43]
AUC0-inf 102.94
[94.67, 111.93]
85.21
[78.37, 92.66]
グリメピリド 4mg 35 Cmax 103.14
[87.67, 121.33]
145.27
[123.49, 170.90]
AUC0-inf 97.88
[93.96, 101.97]
102.93
[98.81, 107.23]
ロサルタン 100mg 59 Cmax 93.08
[82.89, 104.53]
118.09
[105.15, 132.61]
AUC0-inf 99.10
[94.93, 103.45]
93.37
[89.42, 97.49]
ジルチアゼム 30mg 36 Cmax 98.01
[90.60, 106.04]
93.70
[86.61, 101.37]
AUC0-inf 100.18
[94.25, 106.49]
90.03
[84.70, 95.70]
クロピドグレル 75mg 35 Cmax 103.03
[90.55, 117.24]
162.38
[142.71, 184.76]
AUC0-inf 102.43
[94.92, 110.55]
119.15
[110.50, 128.48]

16.8 その他

クエン酸第二鉄水和物に含まれる3価鉄イオンは腸上皮細胞の還元酵素により一部が2価鉄イオンに還元され吸収される10)。