Clinical snapshot

ラベプラゾールNa錠10mg「日新」

ラベプラゾールナトリウム

添付文書改訂 2025年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2*リルピビリン塩酸塩を投与中の患者

効能・効果

**○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制 ○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、免疫性血小板減少症、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

用法・用量

  • 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群〉

通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

  • 〈逆流性食道炎〉

・治療 逆流性食道炎の治療においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、8週間までの投与とする。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合、1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与することができる。ただし、1回20mg1日2回投与は重度の粘膜傷害を有する場合に限る。 ・維持療法 再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与する。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mgを1日2回経口投与することができる。

  • 〈非びらん性胃食道逆流症〉

通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与する。なお、通常、4週間までの投与とする。

  • 〈低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉

通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回5mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は1回10mgを1日1回経口投与することができる。

  • 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉

通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。 なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。 プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の投与中には、血液像や肝機能に注意し、定期的に血液学的検査・血液生化学的検査を行うことが望ましい。
  • 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、非びらん性胃食道逆流症〉
  1. 8.2長期の使用経験が十分でないので、維持療法には用いないことが望ましい。
  • 〈逆流性食道炎の維持療法〉
  1. 8.3再発・再燃を繰り返す患者やプロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な患者に対し行うこととし、本来、維持療法の必要のない患者に行うことのないよう留意すること。また、食事制限、アルコール摂取制限等の生活習慣の改善が図られ、寛解状態が長期にわたり継続する場合には休薬又は減量を考慮すること。なお、維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましい。
  • 〈非びらん性胃食道逆流症〉
  1. 8.4問診により胸やけ、呑酸等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認のうえ投与すること。なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者

9.3 肝機能障害患者

肝硬変患者で肝性脳症の報告がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット経口400mg/kg、ウサギ静注30mg/kg)で胎児毒性(ラットで化骨遅延、ウサギで体重の低下、化骨遅延)が報告されている。また、ラットにラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)及びクラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

消化器症状等の副作用があらわれた場合は休薬するなど慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、副作用があらわれることがある。

相互作用

  • *本剤の代謝には肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)及び3A4(CYP3A4)の関与が認められている。 また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リルピビリン塩酸塩(エジュラント)
*
*リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 *本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、リルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン
メチルジゴキシン
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。 本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を促進する。
イトラコナゾール
ゲフィチニブ
相手薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を抑制するおそれがある。
水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤 本剤単独投与に比べ制酸剤同時服用、制酸剤投与1時間後服用で平均血漿中濃度曲線下面積がそれぞれ8%、6%低下したとの報告がある。 機序は不明である。
メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
CKの上昇 1%未満
LDHの上昇 1〜5%未満
lymphocytic colitis) 頻度不明
γ-GTP 1〜5%未満
かすみ目 1%未満
カンジダ症 1%未満
しびれ感 1%未満
せん妄 頻度不明
ふらつき 1%未満
めまい 1%未満
リンパ球減少 1%未満
下痢 1〜5%未満
低マグネシウム血症 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
動悸 1%未満
口のもつれ 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 1%未満
嘔吐 頻度不明
嘔気 1〜5%未満
四肢脱力 1%未満
失見当識 1%未満
女性化乳房 頻度不明
好中球増多 1%未満
好酸球増多 1〜5%未満
握力低下 1%未満
昏睡 頻度不明
浮腫 1%未満
瘙痒感 1〜5%未満
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
白血球増加 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
目のちらつき 頻度不明
眠気 1%未満
知覚鈍麻 1%未満
筋肉痛 頻度不明
総コレステロール・中性脂肪・BUNの上昇 1〜5%未満
総ビリルビンの上昇 1%未満
胃もたれ 1%未満
脱毛症 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌炎 頻度不明
苦味 1%未満
蕁麻疹 1%未満
蛋白尿 1〜5%未満
血中TSH増加 1〜5%未満
血圧上昇 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
赤血球減少 1%未満
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis 頻度不明
食欲不振 1%未満
高アンモニア血症 頻度不明
鼓腸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ラベプラゾールナトリウムは酸分泌細胞の酸性領域で活性体(スルフェンアミド体)になり、プロトンポンプ(H+、K+-ATPase)のSH基を修飾して酵素活性を阻害し、酸分泌を抑制する21) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験
  • 〈ラベプラゾールNa錠5mg「日新」〉

ラベプラゾールNa錠5mg「日新」とパリエット錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラベプラゾールナトリウムとして5mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中ラベプラゾールナトリウム未変化体濃度※を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、AUCはlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。Cmaxはlog(0.80)~log(1.25)の範囲外であったが、対数変換値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であり、且つ、溶出試験で溶出挙動が類似していると判定されたことから、両製剤の生物学的同等性が確認された1) 。 ※血漿中ラベプラゾール濃度をラベプラゾールナトリウム濃度に換算している。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-10
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ラベプラゾールNa錠5mg「日新」 124.94±40.90 81.30±31.85 3.2±1.0 1.1±0.3
    パリエット錠5mg 124.69±39.88 73.50±28.30 3.8±1.3 1.0±0.3

(Mean±S.D., n=30)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈ラベプラゾールNa錠10mg「日新」〉

ラベプラゾールNa錠10mg「日新」とパリエット錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラベプラゾールナトリウムとして10mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された2) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-10
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ラベプラゾールNa錠10mg「日新」 407.35±161.31 256.46±120.86 3.2±0.8 1.1±0.5
    パリエット錠10mg 408.69±141.24 243.72±75.58 3.2±0.8 0.9±0.2

(Mean±S.D., n=23)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

健康成人男子に10mg、20mgを経口投与した時の血漿中の代謝物は、主に非酵素的な還元反応により生成したチオエーテル体であった。その他に肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)が関与する脱メチル化反応により生成した脱メチル体、3A4(CYP3A4)が関与するスルホン化反応により生成したスルホン体が認められた3),4),5) 。