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ラベファインパック

ラベプラゾールナトリウムアモキシシリン水和物メトロニダゾール

添付文書改訂 2025年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本製品に包装されている各製剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2リルピビリン塩酸塩を投与中の患者

  3. 2.3伝染性単核症の患者[アモキシシリン水和物で発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]

  4. 2.4高度の腎障害のある患者

  5. 2.5脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳膿瘍の患者を除く)[メトロニダゾールで中枢神経系症状があらわれることがある。]

  6. 2.6妊娠3ヵ月以内の女性

効能・効果

  • 〈適応菌種〉

アモキシシリン、メトロニダゾールに感性のヘリコバクター・ピロリ

  • **〈適応症〉胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・免疫性血小板減少症・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

用法・用量

プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合 通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本製品に包装されている個々の製剤を単独、もしくは本製品の効能又は効果以外の目的に使用しないこと。また、用法及び用量のとおり、同時に服用すること。
  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
  1. 8.2ラベプラゾールナトリウムの投与中には、血液像や肝機能に注意し、定期的に血液学的検査・血液生化学的検査を行うことが望ましい。
  • 〈アモキシシリン水和物〉
  1. 8.3ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群、薬剤により誘発される胃腸炎症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前に当該事象の既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。

  2. 8.4顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  3. 8.5黄疸、AST、ALTの上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  4. 8.6急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  • 〈メトロニダゾール〉
  1. 8.7白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.8肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者
  • 〈アモキシシリン水和物〉
  1. 9.1.2ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、アモキシシリン水和物に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.3本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.4経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

  • 〈メトロニダゾール〉
  1. 9.1.5血液疾患のある患者

白血球減少、好中球減少があらわれることがある。

  1. 9.1.6脳膿瘍の患者

中枢神経系症状があらわれることがある。

  1. 9.1.7コケイン症候群の患者

重度の肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1高度の腎機能障害のある患者

投与しないこと。アモキシシリン水和物の血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できない。

  • 〈メトロニダゾール〉
  1. 9.2.2血液透析患者

メトロニダゾールの注射剤において、メトロニダゾール500mgの単回点滴静注直後の血液透析により、投与量の約45%が除去されたとの報告がある4)。

9.3 肝機能障害患者

ラベプラゾールナトリウムにおいて、肝硬変患者で肝性脳症の報告がある。 メトロニダゾールの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊娠3ヵ月以内の女性

投与しないこと。ただし有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く。

  1. 9.5.2妊娠3ヵ月を過ぎた女性

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
  1. 9.5.3動物実験(ラット経口400mg/kg、ウサギ静注30mg/kg)で胎児毒性(ラットで化骨遅延、ウサギで体重の低下、化骨遅延)が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
  1. 9.6.1動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
  • 〈アモキシシリン水和物、メトロニダゾール〉
  1. 9.6.2母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
  1. 9.8.1消化器症状等の副作用があらわれた場合は休薬するなど慎重に投与すること。ラベプラゾールナトリウムは主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、副作用があらわれることがある。
  • 〈アモキシシリン水和物〉
  1. 9.8.2 

  2. (1)生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。

  3. (2)ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

  • 〈メトロニダゾール〉
  1. 9.8.3一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉

ラベプラゾールナトリウムの代謝には肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)及び3A4(CYP3A4)の関与が認められている。また、ラベプラゾールナトリウムの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リルピビリン塩酸塩
(エジュラント)
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 ラベプラゾールナトリウムの胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、リルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

  • 〈ラベプラゾールナトリウム〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン
メチルジゴキシン
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。 ラベプラゾールナトリウムの胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を促進する。
イトラコナゾール
ゲフィチニブ
相手薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 ラベプラゾールナトリウムの胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を抑制するおそれがある。
水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤 ラベプラゾールナトリウム単独投与に比べ制酸剤同時服用、制酸剤投与1時間後服用で平均血漿中濃度曲線下面積がそれぞれ8%、6%低下したとの報告がある。 機序は不明である。
メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的にラベプラゾールナトリウムの投与を中止することを考慮すること。 機序は不明である。
  • 〈アモキシシリン水和物〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ワルファリンカリウム ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。 腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
経口避妊薬 経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。 腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
プロべネシド アモキシシリン水和物の血中濃度を増加させる。 アモキシシリン水和物の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。
*メトトレキサート メトトレキサートの副作用を増強させるおそれがある。 メトトレキサートの尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。
  • 〈メトロニダゾール〉
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール 腹部の疝痛、嘔吐、潮紅があらわれることがあるので、投与期間中は飲酒を避けること。 メトロニダゾールはアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。
リトナビル含有製剤(内用液) ジスルフィラム-アルコール反応を起こすおそれがある。 リトナビル含有製剤(内用液)はエタノールを含有するのでメトロニダゾールにより血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。
ジスルフィラム 精神症状(錯乱等)が出現することがある。 機序は不明である。
ワルファリン ワルファリンの抗凝血作用を増強し、出血等があらわれることがある。 メトロニダゾールはワルファリンの代謝を阻害し、その血中濃度を上昇させる。
リチウム リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒があらわれることがある。 機序は不明である。
ブスルファン ブスルファンの作用が増強されることがある。 メトロニダゾールはブスルファンの血中濃度を上昇させることがある。
5-フルオロウラシル 5-フルオロウラシルの作用が増強される可能性がある。 メトロニダゾールは5-フルオロウラシルの血中濃度を上昇させることがある。
シクロスポリン シクロスポリンの作用が増強される可能性がある。 メトロニダゾールはシクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある。
フェノバルビタール メトロニダゾールの作用が減弱する可能性がある。 フェノバルビタールはメトロニダゾールの代謝酵素を誘導し、その血中濃度を低下させることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
CKの上昇 1%未満
LDHの上昇 1〜5%未満
lymphocytic colitis) 頻度不明
γ-GTP 1〜5%未満
かすみ目 1%未満
カンジダ症 1%未満
しびれ感 1%未満
せん妄 頻度不明
ふらつき 1%未満
めまい 1%未満
リンパ球減少 1%未満
下痢 1〜5%未満
低マグネシウム血症 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
動悸 1%未満
口のもつれ 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 1%未満
嘔吐 頻度不明
嘔気 1〜5%未満
四肢脱力 1%未満
失見当識 1%未満
女性化乳房 頻度不明
好中球増多 1%未満
好酸球増多 1〜5%未満
握力低下 1%未満
昏睡 頻度不明
浮腫 1%未満
瘙痒感 1〜5%未満
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
白血球増加 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
目のちらつき 頻度不明
眠気 1%未満
知覚鈍麻 1%未満
筋肉痛 頻度不明
総コレステロール・中性脂肪・BUNの上昇 1〜5%未満
総ビリルビンの上昇 1%未満
胃もたれ 1%未満
脱毛症 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌炎 頻度不明
苦味 1%未満
蕁麻疹 1%未満
蛋白尿 1〜5%未満
血中TSH増加 1〜5%未満
血圧上昇 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
赤血球減少 1%未満
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis 頻度不明
食欲不振 1%未満
高アンモニア血症 頻度不明
鼓腸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アモキシシリン水和物は細菌の細胞壁合成を阻害する。 メトロニダゾールは菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOが抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く11),12),13)。 ラベプラゾールナトリウムは酸分泌細胞の酸性領域で活性体(スルフェンアミド体)になり、プロトンポンプ(H+、K+-ATPase)のSH基を修飾して酵素活性を阻害することにより、酸分泌を抑制し胃内pHを上昇させる。アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールとの3剤併用療法におけるラベプラゾールナトリウムの役割は胃内pHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物の抗菌活性を高めることにあると考えられる。

18.2 抗菌作用

アモキシシリン水和物はヘリコバクター・ピロリに対し殺菌的な抗菌作用を示す。

薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1胎児への移行
  • 〈メトロニダゾール〉

分娩開始初期からメトロニダゾール内服錠200mg注)を3時間ごとに投与して、母子の血中濃度を測定したとき、胎盤関門を通過して胎児に移行することが認められた6)(外国人データ)。

  1. 16.3.2乳汁中移行
  • 〈アモキシシリン水和物〉

授乳婦6名にアモキシシリン水和物として500mg(力価)注)単回経口投与後の乳汁中移行は投与後2~6時間後でtrace~0.6μg/mLであった7),8)。

  • 〈メトロニダゾール〉

平均年齢22.5歳の母親及び生後5日の新生児10例を選び、母親にメトロニダゾール内服錠200mg注)を単回経口投与し、4時間ごとに授乳して母乳中及び新生児の血中への移行を測定した。母乳中の平均濃度は投与後4時間目では3.4μg/mL、8時間目では2.2μg/mL、12時間目では1.3μg/mLで母親の血中と同程度に移行したが、新生児の血中濃度は検出限界以下~0.4μg/mLと極めて微量であった9)(測定法:polarography)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者
  • 〈アモキシシリン水和物〉

アモキシシリン水和物250mg(力価)を空腹時単回投与したときの最高血中濃度は腎機能正常例(2例)の3.5μg/mLに対し、慢性腎不全例(5例)では7.7μg/mLとなり、半減期はそれぞれ0.97時間、12.6時間であった5)。 注)本製品の承認された用法及び用量は、「ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。」である。