原発性腋窩多汗症
ラピフォートワイプ2.5%
グリコピロニウムトシル酸塩水和物ワイプ
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
-
2.2前立腺肥大による排尿障害のある患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
-
2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両腋窩に塗布する。
使用上の注意
-
8.1抗コリン作用により、羞明、霧視、散瞳等の眼の調節障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
-
8.2発汗が促進される環境下では、本剤の発汗抑制作用により、体温が上昇するおそれがある。熱中症を疑う症状があらわれた場合には、適切な処置を行うよう患者に指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1前立腺肥大症の患者(排尿障害のある患者を除く)
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。当該患者は臨床試験で除外されている。
- 9.1.2塗布部位に創傷や湿疹・皮膚炎等がみられる患者
創傷や湿疹、皮膚炎等がある部位への使用は避けること。体内移行量が増加し、抗コリン作用に基づく副作用があらわれやすくなる可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:皮下投与)で胎盤通過性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:皮下投与)で乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 1%未満 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| ドライアイ | 頻度不明 |
| ほてり | 頻度不明 |
| めまい | 1%未満 |
| 代償性発汗 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 口唇乾燥 | 1%未満 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 尿量減少 | 1%未満 |
| 悪心 | 1%未満 |
| 排尿回数減少 | 1%未満 |
| 排尿困難 | 頻度不明 |
| 接触皮膚炎 | 頻度不明 |
| 散瞳 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 1%未満 |
| 無汗症 | 頻度不明 |
| 皮脂欠乏性湿疹 | 1%未満 |
| 皮膚乾燥 | 1%未満 |
| 皮膚炎 | 1%未満 |
| 紅斑 | 1%未満 |
| 羞明 | 頻度不明 |
| 膀胱炎 | 1%未満 |
| 色素沈着 | 1%未満 |
| 血圧上昇 | 1%未満 |
| 視力低下 | 1%未満 |
| 鉄欠乏性貧血 | 1%未満 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 鼻乾燥 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
グリコピロニウムは、汗腺細胞のムスカリンM3受容体に結合し、アセチルコリンの作用を阻害することで制汗作用を発揮する10)。
18.2 発汗抑制作用
グリコピロニウムトシル酸水和物は、ピロカルピン誘発による発汗反応を用量依存的に抑制した11)(マウス)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
成人の原発性腋窩多汗症患者11例を対象に、本剤と同一有効成分を3.75%注1)含有するワイプ製剤1枚を用いて左右の腋窩に単回塗布し、24時間後まで経時的に血漿中グリコピロニウム濃度を測定したところ、2.55時間後に最高血漿中濃度に達し、0.139ng/mLであった1)(外国人データ)。
- 16.1.2反復投与
原発性腋窩多汗症患者を対象に、本剤を1日1回(夜就寝前又は朝起床後)左右の腋窩に最大52週間反復塗布したときの血漿中グリコピロニウム濃度は次のとおりであった2)。
| 例数a) (n/N) |
中央値 (pg/mL) |
最小値-最大値 (pg/mL) |
|
|---|---|---|---|
| ベースラインb) | 30/182 | 24.45 | 10.2-201.0 |
| 2週後 | 54/182 | 18.15 | 10.1-170.0 |
| 4週後 | 52/180 | 19.95 | 10.5-154.0 |
| 12週後 | 53/179 | 23.60 | 10.1-1510.0 |
| 28週後 | 49/167 | 20.10 | 10.2-197.0 |
| 52週後 | 40/149 | 21.15 | 10.0-585.0 |
a)n/N=血漿中グリコピロニウム濃度が定量下限値(10pg/mL)以上であった被験者数/各時点の被験者数 b)182例中90例がベースライン時点で本剤を1日1回左右の腋窩に4週間塗布していた。
16.3 分布
[14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をグリコピロニウムとして10~1000ng/mLの濃度でヒト血漿に添加したときの血漿蛋白結合率は55.7%~57.8%であり、主にα1-酸性糖蛋白と結合した3)(in vitro)。
16.4 代謝
グリコピロニウムの主要な代謝経路はシクロペンタン環又はベンゼン環の酸化であり4)、この酸化的代謝にはCYP2D6及びCYP3A4の関与が示唆された5)。また、エステル結合の加水分解により生じるカルボン酸化合物を認めた4)(in vitro)。 原発性腋窩多汗症患者に本剤を1日1回左右の腋窩に4週間反復塗布したとき、血漿中にはカルボン酸化合物を、尿中にはカルボン酸化合物のほか、ベンゼン環又はシクロペンタン環の水酸化体を代謝物として認めた6)。
16.5 排泄
[14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をラット及びミニブタに単回皮下投与した7),8)。ラットでは、投与後168時間までに投与放射能量の70.3%が尿中に、30.0%が糞中に排泄された。投与後48時間までの尿中放射能の34.8%が未変化体であった。ミニブタでは、投与後168時間までに投与放射能量の80.6%が尿中に、19.1%が糞中に排泄された。投与後72時間までの尿中放射能の13.4%が未変化体であった。
注1)本剤の承認規格は2.5%である。