Clinical snapshot

ライブリバント点滴静注350mg

アミバンタマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。

  3. 1.3本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴の有無を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。

  4. 1.4ラゼルチニブとの併用投与により、深部静脈血栓症及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、静脈血栓塞栓症の既往歴の有無等を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等の静脈血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

  • EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量

EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法又はB法を使用する。 A法:カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用において、3週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

体重 サイクル 投与日 用量
80kg未満 1サイクル目 1日目 350mg
2日目 1,050mg
8日目、15日目 1,400mg
2サイクル目 1日目 1,400mg
3サイクル目以降 1日目 1,750mg
80kg以上 1サイクル目 1日目 350mg
2日目 1,400mg
8日目、15日目 1,750mg
2サイクル目 1日目 1,750mg
3サイクル目以降 1日目 2,100mg

B法:ラゼルチニブメシル酸塩との併用において、4週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

体重 サイクル 投与日 用量
80kg未満 1サイクル目 1日目 350mg
2日目 700mg
8日目、15日目、22日目 1,050mg
2サイクル目以降 1日目、15日目 1,050mg
80kg以上 1サイクル目 1日目 350mg
2日目 1,050mg
8日目、15日目、 22日目 1,400mg
2サイクル目以降 1日目、15日目 1,400mg

使用上の注意

  1. 8.1間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。

  2. 8.2重度の皮膚障害があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。

  3. 8.3ラゼルチニブとの併用により静脈血栓塞栓症の発現頻度が増加する傾向が認められているので、初期症状(下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等)の確認及び定期的な凝固能検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。

  4. 8.4*本剤の使用にあたっては、アミバンタマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)配合皮下注製剤との取り違えに注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺疾患が悪化又は再発するおそれがある。

  1. 9.1.2静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者

静脈血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  • 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
  1. 9.2.1腎不全(CLcr 15mL/min未満)の患者**

アピキサバンは投与できないことから、ラゼルチニブとの併用投与は避け、他の治療選択肢を考慮すること。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。類薬のEGFR又はMET阻害剤を投与した動物試験では、胚・胎児発生の障害、胚致死及び流産の発現率の上昇が認められた。1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

ラゼルチニブとの併用投与については、投与の可否を慎重に判断すること。本剤とラゼルチニブを併用した臨床試験において、65歳未満の患者と比較して65歳以上の患者で死亡に至った有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合が高い傾向が認められている。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加(23.6%) 頻度不明
AST増加 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎(29.2%) 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ドライアイ 頻度不明
ぶどう膜炎 頻度不明
上強膜炎 1%未満
下痢 頻度不明
乾皮症 1%未満
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
便秘 頻度不明
動悸 1%未満
口内炎(36.5%) 頻度不明
嘔吐 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
悪心 頻度不明
末梢腫脹 頻度不明
洞性頻脈 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
湿疹 頻度不明
無力症 頻度不明
爪囲炎(56.0%) 頻度不明
爪毒性 頻度不明
疲労 頻度不明
痔核 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹(66.8%) 頻度不明
白血球減少症 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚剥脱 1%未満
眼そう痒症 頻度不明
眼の障害 頻度不明
眼充血 1%未満
眼瞼炎 頻度不明
睫毛の成長 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
結膜充血 頻度不明
結膜炎 頻度不明
腹痛 頻度不明
血中ALP増加 頻度不明
血小板減少症 頻度不明
視力低下 1%未満
視力障害 1%未満
角膜刺激 頻度不明
角膜炎 頻度不明
霧視 頻度不明
非感染性結膜炎 1%未満
頻脈 1%未満
食欲減退 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アミバンタマブは、ヒトEGFR及びMETに対する抗原結合部位を有するヒト型免疫グロブリン(Ig)G1二重特異性モノクローナル抗体であり、EGFR及びMETの下流のシグナル伝達経路を阻害することに加えて、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性等を介して、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。7)

18.2 抗腫瘍作用

アミバンタマブは、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有するヒト非小細胞肺癌(NSCLC)由来DFCI127及びDFCI-58細胞株等に対して増殖抑制作用を示した(in vitro)。 アミバンタマブは、DFCI127細胞株を皮下移植したインターロイキン2受容体γ鎖の部分的欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウス、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有するヒトNSCLC由来YU-1163細胞株、NSCLC患者由来LXFE2478及びYHIM-1029腫瘍組織片7)、並びにL858R変異及びT790M変異を有するNSCLC由来H1975細胞株をそれぞれ皮下移植したヌードマウス等において腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

国際共同第Ⅰ相試験(61186372EDI1001試験)で、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(薬物動態解析対象20例(体重80kg未満:15例、体重80kg以上:5例)、日本人4例を含む)に、本剤注1)をカルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムと併用して点滴静注したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。2) また、母集団薬物動態解析に基づく本剤の終末相半減期の幾何平均値(変動係数%)は13.7日(31.9%)と推定された。3) 注1)3週間を1サイクルとし、体重別に以下の用法及び用量で点滴静注した。 体重80kg未満の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に1,050mg、8日目、15日目、2サイクル目の1日目に1,400mg、3サイクル目以降は1日目に1,750mg 体重80kg以上の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に1,400mg、8日目、15日目、2サイクル目の1日目に1,750mg、3サイクル目以降は1日目に2,100mg

図 血清中アミバンタマブ濃度推移 平均値及び標準偏差

体重 測定時期 Cmax
(µg/mL)
tmax
(h)
AUC
(µg・h/mL)
80kg未満 第1サイクル 416±75.6
[n=10]
39,731±7,759
[n=9]
第2サイクル 939±198
[n=11]
4.03(2.17, 26.0)
[n=11]
219,835±59,301
[n=10]
第3サイクル 876±245
[n=10]
3.34(2.17, 25.4)
[n=10]
179,639±51,605
[n=9]
第6サイクル 912±275
[n=10]
5.83(2.27, 26.6)
[n=10]
179,553±59,878
[n=9]
80kg以上 第1サイクル 359、447
[n=2]
35,498、36,370
[n=2]
第2サイクル 865±58.7
[n=3]
2.27(2.03, 4.25)
[n=3]
192,714、214,543
[n=2]
第3サイクル 824±32.3
[n=3]
4.20(2.42, 7.63)
[n=3]
148,069±35,237
[n=3]
第6サイクル 642±192
[n=3]
2.28(2.08, 4.17)
[n=3]
127,464±21,151
[n=3]

平均値±標準偏差(2例の場合は個別値)、-:算出せず、tmax:中央値(範囲)、AUC:第1サイクルはAUC0-168h、第2サイクル以降はAUCtau

化学療法歴のあるEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(薬物動態解析対象108例(体重80kg未満:93例、体重80kg以上:15例))に、本剤注2)をラゼルチニブと併用して点滴静注したときの80kg未満の患者における薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、①80kg未満及び②80kg以上の患者における第2及び4サイクルの投与前濃度は、それぞれ①295±94.4及び140±57.4、②285±43.9及び163±43.0µg/mLであった。

測定時期 Cmax
(µg/mL)
tmax
(h)
AUC
(µg・h/mL)
第1サイクル 444±95.3
[n=16]
37,365±7,631
[n=16]
第2サイクル 859±297
[n=14]
4.31(2.37, 25.4)
[n=14]
137,967±36,267
[n=13]
第4サイクル 642±168
[n=10]
4.31(2.32, 26.0)
[n=10]
91,073±25,912
[n=9]

平均値±標準偏差、-:算出せず、tmax:中央値(範囲)、AUC:第1 サイクルはAUC0-168h、第2 サイクル以降はAUCtau 注2)4週間を1サイクルとし、体重別に以下の用法及び用量で点滴静注した。 体重80kg未満の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に700mg、8日目、15日目、22日目に1,050mg、2サイクル目以降は1日目、15日目に1,050mg 体重80kg以上の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に1,050mg、8日目、15日目、22日目に1,400mg、2サイクル目以降は1日目、15日目に1,400mg