Clinical snapshot

ヨウ化カリウム「ホエイ」

ヨウ化カリウム

添付文書改訂 2024年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分又はヨウ素に対し、過敏症の既往歴のある者
  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減以外〉
  1. *2.2エプレレノン(高血圧症)、エサキセレノンを投与中の患者

  2. 2.3肺結核の患者[結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。]

効能・効果

  • 甲状腺腫(ヨード欠乏によるもの及び甲状腺機能亢進症を伴うもの)

  • 下記疾患に伴う喀痰喀出困難

慢性気管支炎、喘息

  • 第三期梅毒

  • 放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減

用法・用量

  • 〈甲状腺腫(ヨード欠乏によるもの)〉

ヨウ化カリウムとして1日0.3〜1.0mgを1〜3回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈甲状腺腫(甲状腺機能亢進症を伴うもの)〉

ヨウ化カリウムとして1日5〜50mgを1〜3回に分割経口投与する。この場合は適応を慎重に考慮すること。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈喀痰喀出困難(慢性気管支炎、喘息に伴うもの)、第三期梅毒〉

ヨウ化カリウムとして通常成人1回0.1〜0.5gを1日3〜4回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉

ヨウ化カリウムとして通常13歳以上には1回100mg、3歳以上13歳未満には1回50mg、生後1ヵ月以上3歳未満には1回32.5mg、新生児には1回16.3mgを経口投与する。

使用上の注意

本剤を長期連用する場合には定期的に血清カリウム濃度を測定することが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1甲状腺機能亢進症の患者

ヨウ素誘発甲状腺腫が生じるおそれがある。

  1. 9.1.2甲状腺機能低下症の患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3先天性筋強直症の患者

カリウムにより、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4高カリウム血症のある患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5低補体血症性蕁麻疹様血管炎の患者又は既往歴のある者

過敏症状が生じるおそれがある。

  1. 9.1.6ヨード造影剤過敏症の既往歴のある者

  2. 9.1.7ジューリング疱疹状皮膚炎の患者又は既往歴のある者

過敏症状が生じるおそれがある。

  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉
  1. 9.1.8肺結核の患者

結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

血清カリウム濃度が過剰になり、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。原則として反復投与を避けること。本剤は胎盤関門を通過し、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがある。

  2. 9.5.2妊娠後期に本剤を投与した妊婦より産まれた新生児には、甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。妊娠後期に投与した場合、新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。

9.6 授乳婦

本剤投与中及び投与終了後一定期間は授乳を避けさせること。母乳中への移行が認められ、乳児に皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。

  2. 9.7.2新生児には原則として反復投与を避けること。また、新生児への投与後には、甲状腺機能を検査し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。

9.8 高齢者

本剤を減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減以外〉**
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• エプレレノン(高血圧症)• セララ• エサキセレノン• ミネブロ 血清カリウム値が上昇するおそれがある。 併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

  • 〈効能共通〉**
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*エプレレノン(慢性心不全)
フィネレノン
血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。 カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
*カリウム含有製剤
• 塩化カリウム
• グルコン酸カリウム
• アスパラギン酸カリウムカリウム保持性利尿剤
• スピロノラクトン
• トリアムテレン
高カリウム血症を起こすことがあるので、血清カリウム濃度を測定するなど慎重に投与すること。 相加的に作用し、高カリウム血症をきたす可能性がある。
リチウム製剤
• 炭酸リチウム
甲状腺機能低下作用、甲状腺腫発症作用を増大させることがあるので、脳下垂体-甲状腺反応の変化、甲状腺機能を測定するなど慎重に投与すること。 両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。
抗甲状腺薬
• チアマゾール
• プロピルチオウラシル
甲状腺機能低下と甲状腺腫生成作用を増強させることがある。このため定期的に甲状腺-脳下垂体反応の変化を調べ基準になる甲状腺機能を測定すること。 両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。
ACE阻害剤
• カプトプリル
• エナラプリルマレイン酸塩
• リシノプリル水和物アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
• ロサルタンカリウム
• カンデサルタンシレキセチル
• バルサルタンアリスキレンフマル酸塩
結果的に高カリウム血症を生じることがある。このため血清カリウム濃度をモニタリングすること。 これらの薬剤はレニン・アンジオテンシン系に作用し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる。このため併用により高カリウム血症を生じることがある。
  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉**
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
**エプレレノン(高血圧症)
エサキセレノン
血清カリウム値が上昇するおそれがある。 カリウム貯留作用が増強するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
かぜ症状 頻度不明
下痢 頻度不明
不規則性心拍 頻度不明
原因不明の発熱 頻度不明
口腔・咽喉の灼熱感 頻度不明
息切れ 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
歯痛 頻度不明
歯肉痛 頻度不明
甲状腺機能低下症 頻度不明
発疹等 頻度不明
皮疹 頻度不明
胃痛 頻度不明
血便(消化管出血)等 頻度不明
金属味覚 頻度不明
頭痛 頻度不明
首・咽喉の腫脹等 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

甲状腺機能に対し二方向性に作用する。甲状腺機能低下時にはヨウ素により機能が亢進するが、機能亢進時にはヨウ素はcAMPを介する甲状腺ホルモンの作用を抑制する。臨床的には後者が利用され、甲状腺機能亢進を伴う甲状腺腫に用いられる。また、ヨウ素の気管支粘膜分泌促進作用を利用して去痰薬としても用いられる1)。実際に梅毒患者の肉芽組織に対する選択的な作用により、第三期梅毒患者のゴム腫の吸収促進に用いられる2)。