Clinical snapshot

ヨウレチン散0.02%

ヨウ素レシチン製剤

添付文書改訂 2024年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

ヨード過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • ヨード不足による甲状腺腫、ヨード不足による甲状腺機能低下症

  • 中心性網膜炎、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症

  • 小児気管支喘息、喘息様気管支炎

用法・用量

ヨウ素として、通常成人1日300~600μgを1日2~3回に分割経口投与する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1慢性甲状腺炎のある患者

  2. 9.1.2治療後のバセドウ病のある患者

  3. 9.1.3先天性の甲状腺ホルモン生成障害のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
胃腸障害 頻度不明
薬疹 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

消化管より血液中に無機のヨウ素イオンの形で吸収され、甲状腺に取り込まれて甲状腺ホルモンに合成され、この甲状腺ホルモンが血中に分泌され作用を発揮すると考えられている。6),10)

18.2 甲状腺に対する作用

ヨウ素レシチンはラットおよび健康成人男子において血液中に吸収され、無機ヨードとして作用する。6)そして甲状腺にとりこまれて、ヨード不足による甲状腺腫7)、患児の甲状腺機能低下症8),9)に奏効する。

18.3 眼科における作用

  1. 18.3.1ヨウ素レシチンは家兎網膜の組織呼吸を促進し、網膜の新陳代謝を亢進する。10),11)

  2. 18.3.2ヨウ素レシチンは成熟白色家兎のERG律動様小波に対し促進的に働き、その効果はヨウ素18μg/kg/dayの投与群で最も著明であり、3ヶ月の長期連用で増強される。12)

  3. 18.3.3家兎に於ける実験的アレルギー性ブドウ膜炎、実験的電撃性ブドウ膜炎の両者共消炎効果、ERG所見の改善が著明であった。13)

18.4 喘息に対する作用

  1. 18.4.1モルモット、ラット、マウスに於いて摘出気管に於けるアドレナリン弛緩反応増強、摘出回腸でのアセチルコリン反応抑制、能動型、受動型アナフィラキシーの抑制、血清cAMP、cGMPの上昇、カラゲニン炎症の抑制がみられた。14)又小児気管支喘息患児の臨床試験に於いて治療効果が認められた。血清IgE値の低下、血清cAMP、cGMP、cAMP/cGMPの上昇、トリメトキノール反応性上昇による交感神経β受容体感受性の上昇が認められた。14),15)

  2. 18.4.2ダニ抗原で感作された気管支喘息患児および卵白アルブミンで感作されたアトピー性皮膚炎児に於いて抗原特異的なIL-2反応性誘導を抑制する作用がみられた。15)

  3. 18.4.3リンパ球に於けるダニ抗原誘導IL-4の分泌、PHAまたはPMA+CaI誘導のIL-4生成を用量依存的に抑制し、ダニ抗原刺激によって引き起こされるIFN-γの生成量低下を用量依存的に反転させ、Th1/Th2バランスをTh1側に偏らせた。16),17),18)

  4. 18.4.4乳幼児気管支喘息に対して、IgE産生抑制効果があった。19)

  5. 18.4.5ヨウレチン内服8週間後の患児リンパ球のIFN-γ産生能は治療前よりも亢進しており、重症度の軽快化が認められた。20)

薬物動態

16.1 血中濃度

ヨウ素量600μg相当を服用した成人男子9名の平均血中濃度の推移は、以下の通りである。(ヨウ素量で表示)

ヨウレチンのヨウ素は非常に吸収がよく、血中ヨウ素濃度は1時間で最高値に達し、しかも高い血中濃度が持続する。2)

16.3 分布

125Iを用いた標識ヨウ素レシチンを注射用蒸留水に懸濁し、ラット胃内に強制経口投与した後の、各組織内放射能濃度の測定によると、投与4時間後にはすでに特異的に血液から甲状腺への移行が確認され、336時間後でも高く分布することが示されている。その他の組織では、血液中の濃度推移と同様に時間とともに減少が見られている。4),5)

16.4 代謝

健康成人男性5名を対象に、ヨード制限を5日間行い、その後ヨード3mgに相当するヨウレチンを投与し、投与前、投与後1日目、2日目の尿および投与前、投与後2日までの尿を採取し、ヨード量を測定したところ、ヨウレチンのヨウ素は消化管より血中にヨウ素イオンの形で取り込まれる。血中のヨウ素イオンは、甲状腺に取り込まれ甲状腺ホルモンとなり、血中にPBI(蛋白結合ヨウ素)として放出され全身をまわる。過剰のヨウ素はヨウ化物として尿中に排泄される。6)

16.5 排泄

成人男子15名におけるヨウ素としての尿中排泄率は、ヨウ素量3mg投与群では、48時間後89.85%、9mg投与群では、81.84%であった。3)