Clinical snapshot

ユリス錠1mg

ドチヌラド

添付文書改訂 2024年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

痛風、高尿酸血症

用法・用量

用法及び用量に関する説明

通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがある。本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。 また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること。

  2. 8.2本剤の薬理作用により特に投与初期に尿酸排泄量が増大することから、尿が酸性の場合には、患者に尿路結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛等の症状を起こす可能性があるので、これを防止するため、水分の摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化をはかること。なお、この場合には、患者の酸・塩基平衡に注意すること。

  3. 8.3他の尿酸排泄促進薬において重篤な肝障害が報告されていることから、本剤投与中は、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1尿路結石を伴う患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の薬理作用から、尿中尿酸排泄量の増大により、尿路結石の症状を悪化させるおそれがある。 なお、臨床試験では、尿路結石を伴う患者への投与は行われていない。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)

他剤での治療を考慮すること。本剤は腎近位尿細管において作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱する可能性がある。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有効性が期待できないことから、本剤の投与は避けること。 なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。

9.3 肝機能障害患者

慎重な経過観察を行うこと。他の尿酸排泄促進薬では重篤な肝障害が認められている。 なお、臨床試験では、重篤な肝疾患を有する患者、AST又はALT 100IU/L以上の患者は除外されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)で、臨床曝露量の約1053倍及び約174倍に相当する用量で骨格変異が認められた1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、本剤が乳汁中に移行することが報告されている2)。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピラジナミド 本剤の効果が減弱する可能性がある。 ピラジナミドの代謝物がURAT1による尿酸再吸収を促進することが知られており、本剤の尿酸排泄促進に拮抗する可能性がある。
サリチル酸製剤
• アスピリン等
本剤の効果が減弱する可能性がある。 サリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑制することが知られており、本剤の尿酸排泄促進に拮抗する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
γ-GTP増加 1%未満
そう痒症 頻度不明
下痢 頻度不明
倦怠感 頻度不明
四肢不快感 1〜5%未満
尿中β2ミクログロブリン増加 1%未満
尿中アルブミン/クレアチニン比増加 1%未満
尿中アルブミン陽性 1%未満
悪心 頻度不明
痛風関節炎 5%以上
発疹 頻度不明
腎石灰沈着症 1%未満
腎結石 1%未満
血中クレアチニン増加 1%未満
軟便 1%未満
関節炎 1〜5%未満
関節痛 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ドチヌラドは腎臓における尿酸の再吸収に関与するトランスポーターであるURAT1を選択的に阻害することにより、糸球体でろ過された尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させる。

18.2 URAT1阻害作用

ドチヌラドはヒトURAT1発現細胞において尿酸取り込みを阻害し、そのIC50値は0.0372μmol/Lであった12),27)。また、血液中から消化管や尿細管への尿酸の分泌に関与するトランスポーターであるBCRP(ABCG2)、OAT1及びOAT3に対する阻害作用について、ヒトABCG2、OAT1及びOAT3発現細胞を用いて検討した結果、IC50値はそれぞれ4.16、4.08及び1.32μmol/Lであり、ドチヌラドはURAT1に対する選択性の高い尿酸再吸収阻害薬であることが示唆された12),28)(in vitro)。

18.3 血中尿酸値低下作用

フサオマキザルにドチヌラドを1、5及び30mg/kg単回経口投与した結果、用量依存的に血漿中尿酸値が低下し、尿中尿酸排泄率が増加した12),29)(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性(36例)にドチヌラド0.5、1、2、5、10、20mgを絶食下で単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移及び薬物動態学的パラメータを以下に示す。Cmax及びAUC0-infは用量依存的に増加し、線形性が認められた3)。 なお、本剤の承認された最大投与量は、ドチヌラドとして1回4mgを1日1回である。

投与量 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
0.5mg
(n=6)
41.53±4.51 2.67±1.03 9.67±1.77 612.53±134.12
1mg
(n=6)
89.18±10.78 3.33±1.03 9.60±1.27 1276.01±189.17
2mg
(n=5)
175.22±33.01 3.10±1.24 9.53±1.11 2599.01±381.12
5mg
(n=6)
447.82±72.63 2.00±1.10 9.27±1.10 5525.68±419.02
10mg
(n=6)
858.18±136.26 3.25±1.17 9.87±0.83 12126.04±1204.32
20mg
(n=6)
1783.63±351.53 2.25±1.41 10.65±2.85 23397.97±7054.80

(平均値±標準偏差) 2mg群の1例は解析除外例

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男性(6例)にドチヌラド1回4mgを1日1回、摂食下で7日間反復経口投与したときの薬物動態学的パラメータを以下に示す。血漿中未変化体濃度は投与4日目には定常状態に達し、蓄積性は認められなかった4)。

投与日 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
累積係数
1 366.50±81.19 3.33±0.52 11.14±1.56 4024.16±758.92 -
4 416.33±77.74 2.67±1.21 11.27±1.22 5052.31±1073.14 -
7 420.67±54.21 3.17±0.75 9.87±1.20 4871.26±890.21 0.97±0.07

累積係数[投与7日目のAUC0-24hr/投与4日目のAUC0-24hr] (平均値±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男性(12例)にドチヌラド4mgを摂食下で単回経口投与したとき、絶食下投与と比較してCmaxは僅かに減少、Tmaxは延長したが、AUC0-tは食事の影響を受けなかった5)。

投与条件 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-t
(ng・hr/mL)
絶食下
(n=12)
296.48±37.26 2.58±0.87 9.35±0.89 3722.65±654.35
摂食下
(n=11)
261.59±52.19 3.91±1.51 9.05±1.09 3672.00±689.34

(平均値±標準偏差)

摂食下の1例は中止例

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

健康成人男性(6例)に14C-ドチヌラド1mgを絶食下で単回経口投与したときの分布容積は14.75Lであった6)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

ドチヌラドのヒト血漿蛋白結合率は99.2~99.4%、ヒト血球移行は認められなかった7)(in vitro)。

16.4 代謝

ドチヌラドは主にUGT及びSULTによりグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体に代謝された。 健康成人男性(6例)に14C-ドチヌラド1mgを絶食下で単回経口投与したときの主な代謝物はグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体であった6)。 グルクロン酸抱合体生成にはUGT1A1、1A3、1A9及び2B7など、硫酸抱合体生成にはSULT1B1及び1A3など、それぞれ複数の分子種の関与が認められた8)(in vitro)。 ドチヌラドはCYP2C9に対し阻害作用を示した(Ki値10.4μmol/L)が、それ以外の分子種(CYP1A2、2A6、2B6、2C19、2D6、2E1及び3A4)はいずれも阻害しなかった(IC50>100μmol/L)9)。また、UGT1A1及び2B15に対し、阻害作用を示した(Ki値10.0及び16.6μmol/L)が、その他の分子種(UGT1A3、1A4、1A6、1A7、1A8、1A9、1A10、2B4、2B7、2B10及び2B17)はいずれも阻害しなかった(IC50>50μmol/L)10)(in vitro)。ドチヌラドはヒト肝細胞においてCYP2B6に対しmRNA発現誘導作用を示したが、CYP1A2及び3A4には誘導作用は示さなかった9)(in vitro)。これらの作用はいずれも臨床用量において相互作用が生じる可能性は低い。

16.5 排泄

健康成人男性(6例)に14C-ドチヌラド1mgを絶食下で単回経口投与したときの尿糞呼気中放射能排泄率は、投与後168時間までに尿中に投与量の86.38%、糞中に7.93%、投与後72時間までに呼気中に5.02%であった6)。 ドチヌラドはBCRP(ABCG2)、OAT1、OAT3及びOATP1B1で阻害作用を示し、IC50値はそれぞれ、74.7、1.87、2.61及び11.5μmol/Lであったが、MDR1、OCT2、OATP1B3、MATE1及びMATE2-Kは阻害しなかった。いずれもドチヌラドの臨床用量において薬物トランスポーターに影響する可能性は低い11),12)(in vitro)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害者

軽度及び中等度腎機能障害被験者(各6例)及び腎機能正常被験者(6例)にドチヌラド1mgを絶食下で単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった13),14)。

腎機能 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
正常
(n=6)
85.67±10.65 3.50±0.55 8.75±1.80 1157.32±269.46
軽度障害
(n=6)
88.73±22.74
[1.01;0.79~1.28]
3.00±1.67 10.29±1.50 1366.57±427.94
[1.15;0.84~1.59]
中等度障害
(n=5)
88.38±14.39
[1.03;0.87~1.21]
2.60±0.55 10.95±2.17 1428.54±379.58
[1.22;0.90~1.66]

(平均値±標準偏差) [ ]:正常に対する幾何平均比及び90%信頼区間 中等度障害の1例は解析除外例 正常:eGFR≧90mL/min/1.73m2、軽度障害:60≦eGFR<90mL/min/1.73m2、中等度障害:30≦eGFR<60mL/min/1.73m2

  1. 16.6.2肝機能障害者

軽度(6例)、中等度(9例)及び重度(3例)肝機能障害被験者及び肝機能正常被験者(6例)にドチヌラド4mgを絶食下で単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった15),16)。

肝機能 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
正常
(n=6)
339.15±28.57 2.67±1.03 10.80±0.55 4761.81±369.35
軽度障害
(n=6)
289.88±65.03
[0.840;0.674~1.047]
2.17±1.17 10.50±2.42 4234.01±950.16
[0.872;0.684~1.112]
中等度障害
(n=9)
280.34±87.91
[0.798;0.653~0.976]
2.44±1.01 10.75±2.28 4327.09±1249.48
[0.879;0.704~1.098]
重度障害
(n=3)
255.23±46.06
[0.747;0.570~0.979]
1.33±0.58 9.82±2.47 3757.37±1343.74
[0.758;0.563~1.021]

(平均値±標準偏差) [ ]:正常に対する幾何平均比及び90%信頼区間 軽度障害:Child-Pugh分類A(Child-Pughスコア5~6)、中等度障害:Child-Pugh分類B(Child-Pughスコア7~9)、重度障害:Child-Pugh分類C(Child-Pughスコア10~15)

  1. 16.6.3高齢者

非高齢者男性(20歳以上35歳以下の6例)及び高齢者男性(65歳以上の6例)、非高齢者女性(20歳以上35歳以下の6例)及び高齢者女性(65歳以上の6例)にドチヌラド1mgを絶食下で単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった17),18)。

投与群 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
男性 高齢者
(n=6)
93.30±16.07
[0.93;0.76~1.15]
2.00±0.63 9.28±1.05 1209.38±290.88
[0.84;0.67~1.06]
非高齢者
(n=6)
100.92±21.20 2.17±0.75 10.31±1.27 1424.76±242.34
女性 高齢者
(n=6)
112.07±12.66
[0.98;0.80~1.21]
2.17±0.75 10.92±1.19 1797.95±357.84
[0.98;0.80~1.21]
非高齢者
(n=6)
116.15±26.67 2.83±0.98 10.47±0.31 1832.67±345.74

(平均値±標準偏差) [ ]:幾何平均比(高齢者男女/非高齢者男女)及び90%信頼区間

16.7 薬物相互作用

健康成人男性(12例)にドチヌラド4mgを摂食下で単回経口投与したとき、及びオキサプロジン600mgを1日1回、摂食下で5日間反復経口投与後、6日目にオキサプロジン600mg及びドチヌラド4mgを摂食下で経口併用投与したときのドチヌラドの薬物動態パラメータは以下のとおりであった19),20)。

投与群 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
ドチヌラド
単独
(n=12)
270.77±26.61 3.67±0.78 9.85±1.06 3845.95±578.70
オキサプロ
ジン併用
(n=11)
266.11±27.01
[0.982;0.945~1.021]
3.64±0.81 11.89±1.33 4487.36±480.21
[1.165;1.114~1.219]

(平均値±標準偏差) [ ]:ドチヌラド単独投与に対する比の幾何平均及び90%信頼区間 併用の1例は中止例