Clinical snapshot

モーラステープ20㎎

ケトプロフェンテープ

添付文書改訂 2024年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤又は本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある。]

  3. 2.3チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート並びにオキシベンゾン及びオクトクリレンを含有する製品(サンスクリーン、香水等)に対して過敏症の既往歴のある患者[これらの成分に対して過敏症の既往歴のある患者では、本剤に対しても過敏症を示すおそれがある1) 。]

  4. 2.4光線過敏症の既往歴のある患者

  5. 2.5妊娠後期の女性

効能・効果

  • 下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎

  • 腰痛症(筋・筋膜性腰痛症、変形性脊椎症、椎間板症、腰椎捻挫)、変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛

  • 関節リウマチにおける関節局所の鎮痛

用法・用量

1日1回患部に貼付する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1接触皮膚炎又は光線過敏症を発現することがあり、中には重度の全身性発疹に至った症例も報告されているので、使用前に患者に対し次の指導を十分に行うこと。
  • 紫外線曝露の有無にかかわらず、接触皮膚炎を発現することがあるので、発疹・発赤、そう痒感、刺激感等の皮膚症状が認められた場合には、直ちに使用を中止し、患部を遮光し、受診すること。なお、使用後数日を経過して発現する場合があるので、同様に注意すること。

  • 光線過敏症を発現することがあるので、使用中は天候にかかわらず、戸外の活動を避けるとともに、日常の外出時も、貼付部を衣服、サポーター等で遮光すること。なお、白い生地や薄手の服は紫外線を透過させるおそれがあるので、紫外線を透過させにくい色物の衣服などを着用すること。また、使用後数日から数カ月を経過して発現することもあるので、使用後も当分の間、同様に注意すること。異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。

  • 〈腰痛症、変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛〉

  1. 8.2消炎鎮痛剤による治療は対症療法であるので、症状に応じて薬物療法以外の療法も考慮すること。また、使用が長期にわたる場合には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に留意すること。
  • 〈関節リウマチにおける関節局所の鎮痛〉
  1. 8.3消炎鎮痛剤による治療は対症療法であるので、抗リウマチ薬等による適切な治療が行われ、なお関節に痛みの残る患者のみに使用すること。

  2. 8.4関節痛の状態を観察しながら使用し、長期にわたり漫然と連用しないこと。また、必要最小限の枚数にとどめること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)

アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者が潜在していることが考えられており、それらの患者では喘息発作を誘発するおそれがある。

  1. 9.1.2皮膚感染症のある患者

感染を伴う炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤又は抗真菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に使用すること。皮膚の感染症を不顕性化するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊娠後期の女性

使用しないこと。ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠後期の女性に使用した場合、胎児動脈管収縮が起きることがある。

  1. 9.5.2*妊婦(妊娠後期を除く)又は妊娠している可能性のある女性

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用すること。ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠中期の女性に使用し、羊水過少症が起きたとの報告がある。また、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

貼付部の皮膚の状態に注意しながら慎重に使用すること。類薬(0.3%ケトプロフェン貼付剤)の市販後調査の結果、高齢者で副作用(接触皮膚炎)の発現率が有意に高かった。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトトレキサート2) ケトプロフェン経口剤とメトトレキサートの併用によりメトトレキサートの作用が増強されることがある。 ケトプロフェンとメトトレキサートを併用した場合、メトトレキサートの腎排泄が阻害されることが報告されている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 1〜5%未満
刺激感 1〜5%未満
局所の発疹 1〜5%未満
水疱・びらん 1〜5%未満
消化性潰瘍 頻度不明
発赤 1〜5%未満
皮下出血 1%未満
皮膚剥脱 頻度不明
眼瞼浮腫 頻度不明
腫脹 1〜5%未満
色素沈着 1〜5%未満
蕁麻疹 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プロスタグランジンの生合成抑制作用、血管透過性亢進抑制作用、白血球遊走阻止作用などが考えられている13) 。

18.2 抗炎症・鎮痛作用

本剤は、慢性炎症モデルであるラットのcotton pellet肉芽腫及びadjuvant関節炎、疼痛モデルであるラットのyeast炎症足疼痛、kaolin-carrageenin炎症足疼痛及び硝酸銀関節炎疼痛のいずれに対しても、有意な抑制作用を示した13),14) 。

18.3 深部の抗炎症・鎮痛作用

深部の炎症・疼痛モデルであるウサギの尿酸関節炎疼痛及びモルモットのcarrageenin皮下浮腫に対して有意な抑制作用を示し、その作用は持続的であった15),16) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子の背部に24時間単回投与したとき、推定された薬物速度論的パラメータは次のとおりであった。被験者数はいずれも6名である。

貼付枚数 Cmax(Mean±S.E.) tmax(Mean±S.E.) AUC0~∞(Mean±S.E.)
1枚
(20mg)
135.85±18.02ng/mL 12.67±1.61hr 2447.83±198.67ng・hr/mL
8枚
(160mg)
919.04±60.36ng/mL 13.33±2.23hr 18209.98±962.52ng・hr/mL

ケトプロフェンの血清中濃度は最高に達した後、徐々に低下し、本剤除去後は速やかに減少した。本剤8枚を貼付したとき、剥離後のt1/2は4.52±0.65(S.E.)hrで、除去48時間後には検出限界以下になった3),4) 。

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男子6名に1枚を1日23時間、28日間反復投与したとき、Cmax及びAUC0~24hrは3日目以降ほぼ一定となり、122.02~156.34ng/mL及び2106.57~2529.51ng・hr/mLであった。本剤除去後、血清中濃度は速やかに減少し、24時間後には検出限界以下となった5) 。

16.2 吸収

  1. 16.2.1単回投与

健康成人男子6名の背部への本剤1枚24時間単回投与において、投与24時間までのケトプロフェン吸収量は13.67mgで、適用量に対する吸収率は69.74%であった6) 。

  1. 16.2.2反復投与

健康成人男子6名の背部への本剤1日1回1枚、28日間貼付において、測定したどの適用回数においても、平均13.02mg~14.94mgとほぼ同様な吸収量を示した7) 。

  1. 16.2.3モルモット正常皮膚・損傷皮膚

本剤をモルモットに単回投与したとき、正常皮膚では約8時間で最高血中濃度に達し、24時間までに投与量の約20%が吸収されたのに対し、角質層を剥離した損傷皮膚では30分で約20%が吸収され1時間で最高血中濃度に達し、24時間までに約90%が吸収された8) 。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織内濃度

  2. (1)手術適用患者の患部に本剤を1日1回、1回1~4枚を単回投与または連続投与した場合のケトプロフェンの組織内濃度は、共に皮膚、皮下脂肪、筋肉、滑膜と深部になるにつれ低下した9) 。

  3. (2)モルモット背部皮膚

正常皮膚への14C-ケトプロフェン含有テープ剤(ケトプロフェンとして1.53mg/head)を24時間単回投与した場合、血漿中ケトプロフェン濃度及び経皮適用部直下の筋膜、筋肉内ケトプロフェン濃度は共に8時間で最高に達し、それぞれ0.15μg当量/mL、1.48μg当量/g、0.36μg当量/gであった。筋膜、筋肉内ケトプロフェン濃度は最高血漿中ケトプロフェン濃度より高く、14C-ケトプロフェン(5mg/kg)経口投与による当該ケトプロフェン濃度(筋膜内0.37μg当量/g、筋肉内0.32μg当量/g)より高かった。さらに、24時間においてもそれぞれ、1.05μg当量/g、0.21μg当量/gと高濃度を維持していた。また、その他の臓器で血漿中より高い放射能濃度を示した臓器は腎臓のみであったが、その最高濃度は0.19μg当量/gと低かった8) 。

16.5 排泄

  1. 16.5.1単回投与

健康成人男子の背部に24時間単回投与したとき、除去後12時間までに尿中総排泄量の98.32%が排泄され、96時間までの総排泄量は46.95mgで投与量の29.3%であった。なお、吸収されたケトプロフェンは血中ではほとんどが未変化体で存在し、主に尿中からグルクロン酸抱合体及び未変化体として排泄されることが知られている6) 。

  1. 16.5.2反復投与

健康成人男性6例に1枚を1日23時間、28日間反復投与したとき、1日当たり6.75~8.05mgが尿中に排泄された7) 。