鉄欠乏性貧血
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰を来すおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
通常、体重50kg以上の成人には、鉄として1回あたり1000mgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。 通常、体重50kg未満の成人には、鉄として1回あたり20mg/kgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。 なお、治療終了時までの総投与鉄量は、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じるが、鉄として2000mg(体重50kg未満の成人は1000mg)を上限とする。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1発作性夜間ヘモグロビン尿症を合併している患者
溶血を誘発するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
本剤投与による肝機能の悪化に注意すること。鉄過剰により肝機能障害が悪化する可能性がある。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外で妊婦に本剤を静脈内投与したとき、胎児の徐脈が報告されている1)。ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において胎児の奇形が認められており、母動物における鉄過剰に伴う毒性の二次的影響と考えられている2),3)。デキストラン鉄が胎児へ移行することが確認されていることから4)、本剤も胎児へ移行する可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| CRP増加 | 1%未満 |
| そう痒症 | 1〜5%未満 |
| ほてり | 1%未満 |
| 上腹部痛 | 1%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 低リン酸血症 | 5%以上 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 傾眠 | 1%未満 |
| 呼吸困難 | 1%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 月経過多 | 1〜5%未満 |
| 注射部位変色 | 1%未満 |
| 湿疹 | 1〜5%未満 |
| 溢出 | 1%未満 |
| 疲労 | 1%未満 |
| 発熱 | 5%以上 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 皮膚変色 | 1%未満 |
| 筋肉痛 | 1%未満 |
| 紅斑 | 1〜5%未満 |
| 肝機能異常 | 1〜5%未満 |
| 肝酵素上昇 | 5%以上 |
| 背部痛 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 腹部不快感 | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 5%以上 |
| 血圧上昇 | 1%未満 |
| 血清フェリチン増加 | 1〜5%未満 |
| 関節痛 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 顔面浮腫 | 1%未満 |
| 食欲減退 | 1%未満 |
| 高フェリチン血症 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本薬は鉄とデルイソマルトースの複合体であり、静脈内投与後は細網内皮系の細胞に取り込まれる8)。デルイソマルトースから分離した鉄はトランスフェリンと結合して骨髄へと運搬され、ヘモグロビン合成に利用される12),13)。
18.2 造血作用
鉄欠乏性貧血ブタに本剤を静脈内投与することにより、ヘモグロビン濃度の上昇が認められた14)。
薬物動態
16.1 血中濃度
20歳以上65歳未満で体重50kg以上の日本人鉄欠乏性貧血患者24例に、本剤を鉄として100mg又は500mgを約2分かけて単回静脈内投与、750mg又は1000mgを約15分かけて単回点滴静注したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった6)。
本剤を鉄として100mg、500mgを静脈内投与、750mg、1000mgを点滴静注したときの血清中総鉄注1)濃度推移(平均値)
| 投与鉄量 | Cmax (µg/mL) |
tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUC0-∞ (µg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 100mg | 42.0(26.7) | 0.209(0.167,0.500) | 19.4(21.5) | 1250(22.1) |
| 500mg | 208(14.1) | 0.250(0.167,2.000) | 22.8(14.3) | 8460(9.8) |
| 750mg | 239(20.3) | 1.000(0.250,1.500) | 24.4(7.2) | 10600(15.4) |
| 1000mg | 408(10.8)注2) | 1.000(0.250,2.000)注2) | 26.8(12.8)注3) | 17700(20.4)注3) |
6例、幾何平均(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値、最大値)
注1)総鉄:デルイソマルトース、生体内の鉄結合性タンパク質(トランスフェリン等)と結合した鉄及び遊離鉄
注2)5例
注3)4例
16.3 分布
鉄欠乏性貧血患者24例に本剤を鉄として100~1000mgを投与したときの分布容積(平均値)は、1.940~2.475Lであった6)。分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血患者21例に、本剤をDay1に鉄として840~1000mg、Day8に鉄として40~1000mg投与した時の乳汁中鉄濃度(平均値)は、Day4で0.98mg/Lであり、Day15まで0.55~0.75mg/Lを推移した7)。
16.4 代謝
本剤は、細網内皮系の細胞に取り込まれた後、エンドリソソーム内で鉄が分離される8)。
16.5 排泄
炎症性腸疾患患者12例に本剤を鉄として100mg及び200mgを単回静脈内投与したときの尿中鉄排泄率(平均値)は約1%であった9)(外国人データ)。