Clinical snapshot

モゾビル皮下注24mg

プレリキサホル

添付文書改訂 2024年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進

用法・用量

G-CSF製剤との併用において、通常、成人にはプレリキサホルとして0.24mg/kgを1日1回、末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、造血幹細胞移植について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

  2. 8.2本剤投与中は定期的に白血球数をモニタリングし、白血球数が50,000/mm3を超えた場合には本剤投与の可否を慎重に判断するとともに、適切な処置を行うこと。

  3. 8.3血小板減少症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血小板数をモニタリングし、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

  4. 8.4ショック、アナフィラキシーを含むアレルギー反応及び過敏症があらわれることがあり、特に本剤の初回投与時に多く認められている。

  5. 8.5脾腫、脾破裂があらわれることがあるので、血液学的検査値の推移に留意するとともに、腹部超音波検査等により観察を十分に行うこと。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度以上の腎機能障害のある患者

中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/分以下)のある患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。

9.4 生殖能を有する者

*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、催奇形性が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は検討されていない。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 5%以上
不眠症 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
口の感覚鈍麻 1〜5%未満
口内乾燥 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
多汗症 1〜5%未満
失神) 頻度不明
悪夢 1%未満
悪心 5%以上
注射部位反応 5%以上
浮動性めまい 1〜5%未満
消化不良 1〜5%未満
異常な夢 頻度不明
疲労 5%以上
白血球増加症 頻度不明
筋骨格痛 1〜5%未満
紅斑 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
血管迷走神経性反応(起立性低血圧 頻度不明
錯感覚 5%以上
関節痛 1〜5%未満
頭痛 5%以上
鼓腸 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

骨髄の間質細胞表面に発現するSDF-1は、CXCR4を発現している造血幹細胞の骨髄への生着に関与していると考えられている。プレリキサホルはCXCR4に結合し、CXCR4とSDF-1との結合を阻害することにより、骨髄から末梢血中への造血幹細胞の動員を促進すると考えられる10)。

18.2 薬理作用

CXCケモカイン受容体4(CXCR4)を発現するヒト急性リンパ性白血病由来CCRF-CEM細胞株において、プレリキサホルは間質細胞由来因子1(SDF-1)のCXCR4への結合を阻害した11)。マウス及びイヌにおいて、プレリキサホルにより末梢血中に造血幹細胞が動員された12),13)。イヌにおいて、プレリキサホルで動員された造血幹細胞を自家移植した後に、好中球及び血小板の生着が確認された13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人18例(各用量6例)にプレリキサホル0.16、0.24及び0.4mg/kg注1)を単回皮下投与したときのプレリキサホルの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。曝露量(Cmax及びAUC)は、0.16~0.4mg/kgでほぼ用量に比例して増加した1)。

注1)本剤の承認された通常1回用量は0.24mg/kgである。

プレリキサホルを単回皮下投与したときの血漿中濃度推移

投与量
(mg/kg)
Cmax
(ng/mL)
Tmax注2)
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
t1/2z
(hr)
0.16 401±46.9 0.50
(0.50-0.50)
1740±276 5.56±1.30
0.24 685±132 0.50
(0.50-0.50)
2690±319 5.94±0.777
0.4 1020±92.1 0.50
(0.25-1.00)
4600±413 5.49±0.522

N=6, Mean±S.D.

注2)中央値(最小値-最大値)

  1. 16.1.2反復投与

外国人多発性骨髄腫患者2例、非ホジキンリンパ腫患者13例及び非ホジキンリンパ腫患者4例の計19例にG-CSF併用下で本剤0.24mg/kgを最大7日間注3)投与したとき、プレリキサホルの有意な蓄積は認められなかった2)。

注3)本剤の投与期間は4日間までを目安とすること。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

日本人健康成人18例(各用量6例)においてプレリキサホル0.16、0.24及び0.4mg/kg注4)を単回皮下投与したときの平均分布容積(Vz/F)は、38.0~40.3Lであった1)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

in vitro試験の結果、プレリキサホル(1~10μg/mL)のヒト血漿タンパク結合率は37.0~58.0%であった3)。

注4)本剤の承認された通常1回用量は0.24mg/kgである。

16.4 代謝

ヒト肝ミクロソーム又はヒト肝細胞を用いた試験において、プレリキサホルの代謝は認められなかった4)。

16.5 排泄

本剤は主に尿中に排泄される。 腎機能が正常な健康成人にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与したとき、投与24時間後までに投与量の約70%が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)5)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

外国人腎機能障害患者(軽度[CLcr:51~80mL/分]、中等度[CLcr:31~50mL/分]、重度[CLcr:<31mL/分])にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与したときのプレリキサホルの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。プレリキサホルのCLは腎機能障害の程度に伴い低下し、CLとCLcrとの間に正の相関関係が認められた。 軽度、中等度及び重度腎機能障害患者における、投与量で補正していないAUC0-24hrの健康被験者に対する最小二乗平均の比はそれぞれ106.6%、132.3%及び138.8%であった5)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax注5)
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(mL/hr)
対照(健康被験者6例) 980±196 0.559
(0.50-1.02)
5070±979 4.87±0.562 4380±821
軽度(5例) 739±76.1 0.500
(0.50-1.00)
5410±1070 7.80±2.15 3500±1690
中等度(6例) 936±280 0.500
(0.25-1.00)
6780±1660 12.1±2.06 2420±1110
重度(6例) 861±193 0.750
(0.50-1.00)
6990±1010 15.8±5.79 1820±380

Mean±S.D.

注5)中央値(最小値-最大値)