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メロペネム点滴静注用1g「明治」

メロペネム水和物

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2バルプロ酸ナトリウム投与中の患者

効能・効果

  • 一般感染症

  • 〈適応菌種〉

メロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、髄膜炎菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、バクテロイデス属、プレボテラ属

  • 〈適応症〉

敗血症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、骨髄炎、関節炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

  • 発熱性好中球減少症

用法・用量

  • 〈効能共通〉

本剤の使用に際しては、投与開始後3日を目安としてさらに継続投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。

  • 〈一般感染症〉

  • 化膿性髄膜炎以外の一般感染症

通常、成人にはメロペネムとして、1日0.5~1g(力価)を2~3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回1g(力価)を上限として、1日3g(力価)まで増量することができる。 通常、小児にはメロペネムとして、1日30~60mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1日120mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし、成人における1日最大用量3g(力価)を超えないこととする。

  • 化膿性髄膜炎

通常、成人にはメロペネムとして、1日6g(力価)を3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。 通常、小児にはメロペネムとして、1日120mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。ただし、成人における1日用量6g(力価)を超えないこととする。

  • 〈発熱性好中球減少症〉

通常、成人にはメロペネムとして、1日3g(力価)を3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。 通常、小児にはメロペネムとして、1日120mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。ただし、成人における1日用量3g(力価)を超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
  • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

  • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

  • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  1. 8.2投与後3~5日目までは発疹等の副作用の発現には特に注意し、症状が発現したときには、他剤に切り替えるなど適切な処置を講じること。なお、継続使用にあたっても、引き続き副作用症状に注意すること。

  2. 8.3本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  3. 8.4患者の状態から判断して、やむを得ず原因菌不明のまま本剤を使用した場合、数日間以内に改善の徴候が認められないときには、他剤に切り替えるなど適切な処置を講じること。なお、継続使用にあたっても、引き続き症状の改善等から判断し、漫然と長期の投与を行わないこと。

  4. 8.5患者の状態等から判断して、7日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、発疹の出現や肝機能異常等の副作用に留意し、漫然とした継続投与は行わないこと。

  5. 8.6AST、ALTの上昇があらわれることがあるので、1週間以上の使用に際しては、必ず肝機能検査を実施すること。

  6. 8.7急性腎障害等の重篤な腎機能障害、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査(腎機能検査、肝機能検査、血液検査等)を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈製剤共通〉
  1. 9.1.1カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.3経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

  1. 9.1.4てんかんの既往歴あるいは中枢神経障害を有する患者

痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。

  • 〈バッグ〉(生理食塩液に関する注意)
  1. 9.1.5心臓、循環器系機能障害のある患者

循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  • 〈製剤共通〉

痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。

  • 〈バッグ〉(生理食塩液に関する注意)

水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1高度の肝機能障害のある患者

肝機能障害が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。国内の小児臨床試験では、軽度のAST、ALT上昇が多く報告されている。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム
• デパケン
• セレニカ
本剤との併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。 機序は解明されていない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN 1〜5%未満
CK上昇 1%未満
LAP 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
カンジダ症 1%未満
クレアチニンの上昇 1〜5%未満
コリンエステラーゼ低下 1%未満
じん麻疹 1%未満
せん妄 頻度不明
そう痒 1%未満
トリグリセリド増加 1%未満
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 1%未満
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 1%未満
ビリルビン 1〜5%未満
ヘマトクリットの減少 1%未満
ヘモグロビンの減少 1〜5%未満
ミオクローヌス 頻度不明
リンパ球増多 1%未満
下痢 1〜5%未満
不穏 1%未満
倦怠感 1%未満
出血傾向等) 1%未満
単球増多 1%未満
口内炎 1%未満
口内炎 1%未満
嘔吐 1%未満
嘔気 1%未満
増加 1%未満
増多 1〜5%未満
好中球増多 1%未満
好塩基球増多 1%未満
好酸球増多 1〜5%未満
尿ウロビリノーゲンの上昇 1〜5%未満
尿中β2-マイクログロブリンの上昇 1%未満
尿蛋白陽性 1%未満
注射部位反応(炎症 1%未満
熱感 頻度不明
異型リンパ球出現 1%未満
疼痛 1%未満
発熱 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
発赤 1%未満
硬結等) 1%未満
神経炎等) 1%未満
紅斑 1%未満
胸部不快感 1%未満
腹痛 1%未満
血中尿酸減少 1%未満
血小板減少 1〜5%未満
血清カリウム上昇 1〜5%未満
血清カリウム低下 1%未満
血清ナトリウム低下 1%未満
赤血球減少 1〜5%未満
頭痛 1%未満
顆粒球減少 1〜5%未満
食欲不振 1%未満
食欲不振 頻度不明
黄疸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ペニシリン結合蛋白(PBPs)に高い親和性を示し、細菌の細胞壁合成(細胞壁ペプチドグリカンの架橋形成)を阻害する20)。

18.2 抗菌作用

グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌活性を示し、その作用は殺菌的である。特に、グラム陰性菌に対する抗菌力が強く、緑膿菌を含むブドウ糖非発酵性グラム陰性菌に対しても優れた抗菌活性を示す。種々のグラム陽性・陰性菌により産生されるβ-ラクタマーゼに対しても安定である。また、従来のカルバペネム系抗生物質とは異なり、ヒトの腎デヒドロペプチダーゼ-Iに安定である20),21),22),23),24),25),26),27),28),29),30),31)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に30分点滴静注した場合の薬物動態パラメータは次表のとおりであり、血漿中濃度は投与量に依存して推移した3),4)。

投与量
(例数)
Cmax
(μg/mL)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
CLt※1)
(L/hr)
CLr※2)
(L/hr)
0.25g (6例)3) 15.8 0.98 16.3 16.27 9.60
0.5g (6例)3) 26.9 1.03 33.9 14.88 9.44
1g (6例)3) 53.1 1.02 58.0 17.46 10.50
2g (6例)4) 131 0.92 170 12.01 測定せず

※1)血漿クリアランス ※2)腎クリアランス

図1 メロペネム単回点滴静注時の血漿中濃度(健康成人)3),4)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人において反復投与時の体内動態は単回投与時とほとんど同等であり、蓄積性は認められなかった3),4),5)。

16.3 分布

喀痰6)、肺組織7)、胆汁8)、胆のう8)、腹腔内滲出液9)、髄液10),11)等に良好な移行を示した。

16.5 排泄

主として腎より排泄され、健康成人及び小児一般感染症患者に30分点滴静注後8時間までの尿中排泄率は、健康成人では投与量にかかわらず60~65%12)であり、小児一般感染症患者では平均61%10)であった。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害のある患者に0.5gを30分点滴静注した場合の薬物動態パラメータは次表のとおりであり、腎機能の低下に伴い尿中への排泄速度が低下した13)。また、海外においても同様の結果が得られている14),15),16)。従って、本剤を腎機能障害のある患者に投与する場合には、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。

Ccr※1)
(mL/min)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
CLt※2)
(L/hr)
CLr※3)
(L/hr)
≧50 (4例) 1.54 36.6 14.64 7.61
30~50 (4例) 3.36 74.6 7.67 2.78
≦30 (5例) 5.00 186.8 2.99 0.92

※1)クレアチニンクリアランス ※2)血漿クリアランス ※3)腎クリアランス

Ccr※1)
(mL/min)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
CLt※2)
(L/hr)
CLr※3)
(L/hr)
>80 ( 6例) 1.05 36 15.30 11.58
30~80 (10例) 1.93 88 6.50 4.37
2~30 (10例) 5.22 179 3.39 1.24
<2 ( 6例) 9.73 360 1.52 測定せず

※1)クレアチニンクリアランス ※2)血漿クリアランス ※3)腎クリアランス

  1. 16.6.2小児

小児一般感染症患者に30分点滴静注した場合の血漿中濃度を用いて、ポピュレーションPK解析により得られたモデルは次表のとおりであった17)。

パラメータ 推定値±標準誤差 CV%
クリアランス (L/hr/kg) 0.428 ±0.0151
中心コンパートメントの分布容積 (L/kg) 0.287 ±0.0181
コンパートメント間クリアランス (L/hr/kg) 0.0452±0.0203
末梢コンパートメントの分布容積 (L/kg) 0.0537±0.0127
クリアランスの個体間変動 0.0229±0.00812 15.2
個体内変動 0.0975±0.0214 32.0

図2 メロペネム点滴静注時の血漿中濃度(小児一般感染症患者)10)