甲状腺機能亢進症
【警告】
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1.1重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至った症例も報告されている。少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し、顆粒球の減少傾向等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること。
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1.2本剤投与に先立ち、無顆粒球症等の副作用が発現する場合があること及びこの検査が必要であることを患者に説明するとともに、下記について患者を指導すること。
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無顆粒球症の症状(咽頭痛、発熱等)があらわれた場合には速やかに主治医に連絡すること。
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少なくとも投与開始後2ヶ月間は原則として2週に1回、定期的な血液検査を行う必要があるので、通院すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
チアマゾールとして、通常成人に対しては初期量1日30mgを3~4回に分割経口投与する。症状が重症のときは、1日40~60mgを使用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。 通常小児に対しては初期量5歳以上~10歳未満では1日10~20mg、10歳以上~15歳未満では1日20~30mgを2~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。 通常妊婦に対しては初期量1日15~30mgを3~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。正常妊娠時の甲状腺機能検査値を低下しないよう、2週間毎に検査し、必要最低限量を投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
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8.1本剤を新たに投与開始する場合には、無顆粒球症等の重大な副作用が主に投与開始後2ヶ月以内にあらわれることがあるので、本剤の有効性と安全性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
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8.2定期的な血液検査において、白血球数が正常域であったとしても、減少傾向にある場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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8.3肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査値に注意するなど観察を十分に行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1中等度以上の白血球減少又は他の血液障害のある患者
白血球減少あるいは血液障害を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
肝障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
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9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与により、新生児に頭皮欠損症・頭蓋骨欠損症、さい帯ヘルニア、さい腸管の完全または部分的な遺残(さい腸管ろう、メッケル憩室等)、気管食道ろうを伴う食道閉鎖症、後鼻孔閉鎖症等があらわれたとの報告がある。また、妊娠中の投与により、胎児に甲状腺機能抑制、甲状腺腫を起こすことがある。本剤はヒト胎盤を通過することが報告されている。
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9.5.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するよう投与量を調節すること。
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9.5.3新生児に出生後しばらくは、甲状腺機能抑制、甲状腺機能亢進があらわれることがある。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行(血清とほぼ同等レベル)し、乳児の甲状腺機能に影響を与えることがある。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリンカリウム |
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じて血液凝固能が変化するので、血液凝固能検査値の変動に十分注意し、必要があれば抗凝血剤の用量調節を行う。 | 甲状腺機能が亢進すると凝固因子の合成・代謝亢進により、相対的にクマリン系抗凝血剤の効果は増強する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、増強されていたクマリン系抗凝血剤の効果が減弱するとの報告がある。 |
| ジギタリス製剤 • ジゴキシン等 |
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じてジギタリス製剤の血中濃度が変動するので、血中濃度の変動に十分注意し、必要があればジギタリス製剤の用量調節を行う。 | 甲状腺機能亢進時には、代謝・排泄が促進されているため、ジギタリス製剤の血中濃度が正常時に比較して低下する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、ジギタリス製剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇等 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| こむらがえり | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| リンパ節腫脹 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 味覚異常(味覚減退を含む) | 頻度不明 |
| 唾液腺肥大 | 頻度不明 |
| 多形紅斑等 | 頻度不明 |
| 好酸球増多 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 末梢神経異常等 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 発熱等 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振等 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することにより、ヨウ素のサイログロブリンへの結合を阻止し、さらにヨードサイロシンのトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)への縮合を阻害することによって甲状腺ホルモンの生成を阻害する。
18.2 ヨウ素化阻害作用
羊の甲状腺を用いた実験で、チアマゾールはヨウ素に対し強い競合阻害を示した5)。
18.3 基礎代謝抑制作用
乾燥甲状腺末投与による甲状腺機能亢進症ラットにチアマゾールを投与すると、基礎代謝亢進が著しく抑制される5)。
18.4 末梢組織酸化抑制作用
乾燥甲状腺末投与及び正常ラットの心臓homogenateのcytochrome酸化酵素、コハク酸脱水素酵素の活性は、チアマゾール投与により抑制されることから末梢組織の酸化機能も抑制する6)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1健康成人男性に本剤(フィルムコーティング錠5mg)1錠又は糖衣錠(5mg)1錠を絶食時単回経口投与した結果、両製剤の生物学的同等性が確認された。薬物動態パラメータ及び血漿中濃度は以下のとおりであった1)。
| 投与量 | 例数 | AUC0-48 (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|---|---|---|---|---|---|
| 本剤(5mg) | 24 | 1179±146 | 128.5±25.6 | 1.0±0.6 | 7.5±0.9 |
| 糖衣錠(5mg) | 24 | 1204±186 | 129.8±23.6 | 1.3±0.4 | 7.4±0.7 |
(平均値±標準偏差)
- 16.1.2甲状腺機能正常者11例に60mgを単回経口投与したところ、平均血漿中濃度は投与1時間後に920ng/mLと最高になり、24時間後にほぼ消失した2)(外国データ)。
16.2 吸収
ラットに14C-チアマゾール20mg/kgを経口、腹腔内、静脈内投与した結果、経口、腹腔内投与における吸収は同傾向を示した3)。
16.3 分布
ラットに14C-チアマゾール20mg/kgを経口、腹腔内、静脈内投与した結果、特定組織への親和性は認められず、血漿蛋白結合率は5%であった3)。
16.4 代謝
ラットに14C-チアマゾール20mg/kgを経口、腹腔内、静脈内投与した結果、主要代謝産物はグルクロナイド抱合体で、その量は投与量に対し尿中で36~48%、胆汁中で4%であった3)。
16.5 排泄
甲状腺機能正常者11例に60mgを単回経口投与したところ、24時間までに投与量の11.6%が尿中に排泄された2)(外国データ)。ラットに14C-チアマゾール20mg/kgを経口、腹腔内、静脈内投与した結果、尿中排泄率は各投与経路で同傾向を示し、投与24時間後ではradioactivityの80%が排泄され、うち14~21%が未変化で排泄された3)。
16.8 その他
メルカゾール錠2.5mgは、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、メルカゾール錠5mgを標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた4)。