Clinical snapshot

メラトベル顆粒小児用0.2%

メラトニン

添付文書改訂 2025年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者

効能・効果

小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善

用法・用量

通常、小児にはメラトニンとして1日1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の連用中における投与中止により、神経発達症に伴う諸症状又は睡眠障害の悪化があらわれることがあるので、投与を中止する際には患者の状態を慎重に観察すること。

  2. 8.2投与開始3ヵ月後を目途に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有効性を認めない場合には投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。また、その後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で、投与継続の必要性について検討すること。

  3. 8.3眠気、めまい等があらわれることがあるので、患者又は保護者等に対し、機械操作などを行う際には十分に注意を与えること。ただし、危険を伴う機械操作に従事する高年齢の小児に対しては、本剤投与中には当該操作を行わないように十分に注意を与えること。

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害患者では、腎機能正常者とは異なる内因性メラトニンの濃度推移が報告されていることから、本剤の効果が減弱する可能性がある。なお、腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。また、肝機能障害患者では、肝機能正常者とは異なる内因性メラトニンの濃度推移が報告されていることから、本剤の効果が減弱する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で胎児の体重低値が、動物実験(ラット)で出生児の体重低値及び体重増加抑制傾向が認められている1),2) 。

9.6 授乳婦

本剤投与中は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている3) 。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は主としてCYP1A2により代謝される。その他、CYP1A1、CYP1B1及びCYP2C19が代謝に関与している。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、デプロメール)
本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある4) 。 本剤の主要代謝酵素CYP1A2及びCYP2C19を強力に阻害し、本剤の代謝が抑制される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2阻害剤(キノロン系抗菌薬(シプロフロキサシン)等) 本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。 本剤の主要代謝酵素CYP1A2を阻害し、本剤の代謝が抑制される。
カフェイン 本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある5) 。 本剤の主要代謝酵素CYP1A2の基質であり、本剤の代謝が抑制される。
喫煙 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある6) 。 本剤の主要代謝酵素CYP1A2を誘導し、本剤の代謝が促進される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST増加 頻度不明
いびき 頻度不明
ねごと 頻度不明
倦怠感 頻度不明
傾眠(4.2%) 頻度不明
口内炎 頻度不明
好酸球数増加 頻度不明
尿pH上昇 頻度不明
尿中ウロビリノーゲン増加 頻度不明
尿比重増加 頻度不明
悪心 頻度不明
易刺激性 頻度不明
激越 頻度不明
疲労 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
肝機能検査値上昇 頻度不明
肩こり 頻度不明
腹痛 頻度不明
落ち着きのなさ 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血尿 頻度不明
鎮静 頻度不明
頭痛 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

メラトニンは視交叉上核のMT1及びMT2受容体を活性化することで視交叉上核の神経活動を調節し、睡眠の誘導作用を示すと考えられる。

18.2 睡眠に対する作用

無麻酔無拘束のサルに対して単回投与及び反復投与したとき、メラトニンは入眠までの時間を短縮させた23),24) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与(健康成人)

メラトニン0.2mg注2) を男性6例、1mgを男性6例、5mg注2) を男性及び女性各6例に空腹時に単回経口投与したとき、血清中メラトニン濃度の薬物動態パラメータ及び濃度推移は表1及び図1のとおりである9) 。

投与量注2) Cmax
(pg/mL)
tmax
(hr)
AUC0-10h
(pg・h/mL)
t1/2
(hr)
0.2mg 266
(142)
0.21
(0.05)
317
(232)
2.46
(1.73)
1mg 1920
(1167)
0.32
(0.22)
2225
(1260)
1.41
(0.42)
5mg 10315
(5286)
0.28
(0.11)
9810
(4057)
1.13
(0.34)

( )内は標準偏差

図1 健康成人にメラトニンを空腹時に単回投与したときの血清中濃度推移(平均±標準偏差)

  1. 16.1.2単回投与(幼児及び小児)

メラトニン0.04mg/kg注2) を2~5歳の6例(投与量0.5~0.9mg/body注2) )及び6~15歳の6例(投与量0.8~3.3mg/body注2) )に単回経口投与したとき、血清中メラトニン濃度の薬物動態パラメータ及び濃度推移は表2及び図2のとおりである10) 。

年齢 Cmax
(pg/mL)
tmax
(hr)
AUC0-3h
(pg・h/mL)
t1/2
(hr)
全年齢 2574
(982)
0.33
(0.12)
3819
(1064)
2.70
(5.11)
2~5歳 2902
(1027)
0.33
(0.13)
4027
(993)
1.39
(1.46)
6~15歳 2246
(900)
0.33
(0.13)
3612
(1183)
4.01
(7.16)

( )内は標準偏差

図2 幼児及び小児にメラトニンを単回投与したときの血清中濃度推移(平均±標準偏差)

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

*健康成人男性48例にメラトニン錠2mg 1錠及びメラトニン顆粒0.2% 1g(いずれもメラトニンとして2mg)をクロスオーバー法により絶食時に単回経口投与したときの血清中メラトニン濃度の薬物動態パラメータ(Cmax及びAUCt)及び濃度推移は表3及び図3のとおりである。Cmax及びAUCtの対数の平均値の差について90%信頼区間はlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であったことから、両製剤は生物学的に同等であることが確認された11) 。 メラトニン錠1mgは「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、メラトニン錠2mgを標準製剤としたとき、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた。

製剤 Cmax(pg/mL) AUCt(pg・hr/mL)
メラトニン錠2mg 5099.32
(3565.65)
4172.39
(2890.04)
メラトニン顆粒0.2% 5267.35
(3927.82)
4452.34
(2806.60)

( )内は標準偏差

図3 製剤群別の血清中メラトニン濃度推移(平均±標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人6例を対象とした国内臨床試験(単回投与試験)において、メラトニン1mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のCmaxは15.4%低下し、AUC0-10hは18.7%増加し、t1/2は11.9%増加した9) 。

  1. 16.2.2バイオアベイラビリティ

海外で行われた臨床研究の結果より、メラトニン経口投与時のバイオアベイラビリティは2.5~33%であった12),13),14),15) 。

16.3 分布

メラトニンのin vitroにおけるヒト血清蛋白結合率は、メラトニン0.0928~197ng/mLの濃度範囲で約53%であった16) 。 メラトニンの静脈内投与から求めた分布容積は0.98~1.2L/kgであり12),13) 、血漿容積と比べて大きかった。

16.4 代謝

本剤は主としてCYP1A2により代謝される。その他、CYP1A1、CYP1B1及びCYP2C19が代謝に関与している17) 。

16.5 排泄

主要代謝物である6-SMTは、腎臓から尿中排泄される。メラトニン0.2~5mg注2) を健康成人に投与したとき、投与後24時間までの尿中排泄量の約90%が投与後10時間までに排泄された9) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能別に分けた4群(eGFR注3) :>80mL/分、60-80mL/分、30-60mL/分、<30mL/分)で内因性メラトニン濃度を比較した結果、eGFRの悪化に伴い、内因性メラトニン濃度の日内変動幅が小さくなるとの報告がある18) 。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

肝硬変患者の内因性メラトニン濃度は肝硬変の進行に伴い上昇し、健康成人で10.6±1.7pg/mL、肝硬変患者(Child-Pugh分類 Grade A:31.2±9.8pg/mL、Grade B:49.8±12.2pg/mL、Grade C:94.8±22.6pg/mL)と最大で約10倍の差があったとの報告がある19) 。 また、肝硬変患者にメラトニンを静脈内注射したとき、健康成人と比較して血清中メラトニンのt1/2は2.1~2.2倍に延長したとの報告がある20) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1フルボキサミンマレイン酸塩

健康成人にメラトニン5mg注2) の経口投与の3時間前にフルボキサミン50mgを投与したとき、メラトニンのCmaxが1074±507%、AUCが1635±1023%に増加したとの報告がある。t1/2は単独投与時で9.4±2.5時間、併用投与時で13.4±10.7時間であった4) 。

  1. 16.7.2カフェイン

健康成人にメラトニン6mg注2) の経口投与の1時間前、1時間後及び3時間後にカフェイン200mgを経口投与したとき、メラトニンのCmaxが137%、AUCが120%増加したとの報告がある5) 。

  1. 16.7.3喫煙

喫煙者を7日間禁煙させメラトニン25mg注2) を経口投与したところ、禁煙前と比較し血清中濃度が約2.9倍と有意に上昇し、AUCも増加したとの報告がある6) 。

注2)本剤の承認された用法及び用量は、1日通常1mg、最大4mgの単回経口投与である。

注3)Cockcroft-Gault式による