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メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠5mg「F」

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

添付文書改訂 2024年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1脳梗塞、心筋梗塞、⾎栓性静脈炎等の血栓性疾患又はその既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。]

  2. 2.2重篤な肝障害・肝疾患のある患者

  3. 2.3診断未確定の性器出血、尿路出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]

  4. 2.4稽留流産の患者[妊娠維持作用により子宮内で死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]

  5. 2.5本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止

用法・用量

  • 〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産〉

メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常成人1日2.5~15mgを1~3回に分割経口投与する。

  • 〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉

メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常、月経周期2~5日目より1日10mgを1又は2回に分割経口投与する。患者の状態により1日5mgまで減量できる。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1*メドロキシプロゲステロン酢酸エステルの投与後に髄膜腫が報告されている。本剤投与中は、頭痛、運動麻痺、視力視野障害、脳神経麻痺、けいれん発作、認知機能の変化等の髄膜腫を示唆する症状に注意し、必要に応じて画像検査を実施すること。髄膜腫と診断された場合は本剤の投与中止を検討すること。投与中止後に髄膜腫が縮小した症例が報告されている。
  • 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
  1. 8.2本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患又はその既往歴のある患者

ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

  1. 9.1.2うつ病又はその既往歴のある患者

副腎皮質ホルモン様作用により、病態に影響を与えるおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん又はその既往歴のある患者

副腎皮質ホルモン様作用により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4片頭痛、喘息、慢性の肺機能障害又はその既往歴のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5糖尿病の患者

糖尿病が悪化することがある。

  1. 9.1.6ポルフィリン症の患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.7髄膜腫又はその既往歴のある患者髄膜腫や原疾患の状態を踏まえ、本剤投与の必要性を検討すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎障害又はその既往歴のある患者

ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害・肝疾患のある患者

投与しないこと。作用が増強されるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  • 〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症〉

問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分確認すること。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1大量又は長期投与を避けること。妊娠初期、中期に投与した場合には、女子胎児の外性器の男性化又は男性胎児の女性化が起こることがある。

  2. 9.5.2黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓、四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホルモン剤
• 黄体ホルモン
卵胞ホルモン
副腎皮質ホルモン等
血栓症を起こすおそれが高くなる。 ともに血栓症を起こすおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ざ瘡 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
そう痒感 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠 頻度不明
乳房痛 頻度不明
乳汁漏出 頻度不明
体重増加 頻度不明
倦怠感 頻度不明
多毛 頻度不明
子宮出血 頻度不明
子宮膣部びらん 頻度不明
帯下の変化 頻度不明
悪寒 1〜5%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
抑うつ 頻度不明
月経異常 頻度不明
浮腫 頻度不明
満月様顔貌 頻度不明
無月経 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
神経過敏 頻度不明
耐糖能異常 頻度不明
肝機能の異常 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

標的組織(子宮等妊娠・出産に関連する女性臓器)のプロゲステロンレセプターに結合し、黄体ホルモン作用と妊娠維持作用を発現する4),5),6) 。

18.2 黄体ホルモン作用

強い黄体ホルモン作用を示し、その効力はプロゲステロンの20~50倍に相当する(幼若家兎McPhailテスト)4) 。

18.3 妊娠維持作用

妊娠維持作用に優れ、その効力はプロゲステロンの25倍に相当する(卵巣切除妊娠ラット)5) 。

18.4 ホルモン活性

エストロゲン作用はほとんどなく、抗エストロゲン作用はプロゲステロンの約100倍、アンドロゲン作用はプロゲステロンとほぼ同程度の活性があると報告されている(ラット)6) 。

18.5 調節卵巣刺激下における早発排卵の防止作用

プロゲステロン投与により黄体形成ホルモン(LH)サージが抑制されること(マウス、ラット、ヒツジ、サル)7),8),9),10) 、その抑制は視床下部前腹側室周囲核へのプロゲステロンレセプター阻害薬の投与下では認められないことが報告されている(ラット)11) 。 本剤は、プロゲステロンと同様に、視床下部前腹側室周囲核のプロゲステロンレセプターに結合し、LHサージを抑制することで、調節卵巣刺激下における早発排卵を防止すると考えられる。

薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

14C-メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)のヒト(健康成人女性)血漿蛋白結合率は93.3%(120ng/mL)であった3) (in vitro)。

  1. 16.3.2体組織への分布

雌性ラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、回腸、肝臓、白色脂肪、褐色脂肪、乳腺、胃及び副腎に高い放射能が認められた3) 。

  1. 16.3.3胎児への移行

妊娠ラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、胎児への移行が認められ、胎児の肝、腎及び心臓の放射能濃度は、母体血漿中放射能濃度とほぼ同程度であった3) 。

  1. 16.3.4乳汁への移行

授乳期のラットに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、乳汁中放射能濃度は血漿中放射能濃度の3~8倍高かった3) 。

16.5 排泄

雌性ラット及び雌性イヌに14C-MPA 70mg/kgを単回投与したとき、投与放射能は投与後120時間までにそれぞれ尿中に3.9%、1.8%、糞中に94.7%、92.1%排泄された3) 。