重症筋無力症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[蠕動運動を亢進させ、また排尿筋を収縮させるおそれがある。]
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2.3迷走神経緊張症の患者[迷走神経を興奮させるおそれがある。]
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2.4脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物)を投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常成人1日3錠を1日3回に分けて経口投与する。 ただし、医師の監督下に症状に応じて、適宜、用量および服用回数を増減することができる。
使用上の注意
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8.1重症筋無力症患者では、症状の重篤かつ急速な悪化をみる場合がある(クリーゼ)。 クリーゼには抗コリンエステラーゼ剤不足による筋無力性のクリーゼ(症状:呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等)と同剤過剰によるコリン作動性クリーゼ(症状:腹痛、下痢、発汗、流涎、縮瞳、線維性攣縮、徐脈等)とがある。 この2種類のクリーゼの鑑別は、次のとおりである。
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8.1.1筋無力性クリーゼ:エドロホニウム塩化物10mgを小注射器にとり、まず2mgを静注し、約1分前後で過敏反応がみられない場合に、残りの8mgを投与する。これにより筋力の改善が認められれば、筋無力性クリーゼであるので、メスチノンを増量すべきである。
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8.1.2コリン作動性クリーゼ:エドロホニウム塩化物投与後に症状悪化がみられればコリン作動性クリーゼであるので、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物1~2mgを静注する。必要に応じて陽圧人工呼吸、気管切開等により気道を確保する。
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8.2ムスカリン様作用軽減のために、アトロピン硫酸塩水和物を投与することは、コリン作動性作用を過小評価し、メスチノンの過剰投与を招くおそれがあるので、常用すべきではない。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1気管支喘息の患者
気管支平滑筋を収縮させ、気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2冠動脈閉塞のある患者
冠血流を著しく低下させるおそれがある。
- 9.1.3徐脈のある患者
心拍数低下を起こすおそれがある。
- 9.1.4消化性潰瘍のある患者
胃液分泌を亢進させ、症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.5てんかんの患者
てんかんの症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.6パーキンソン症候群の患者
パーキンソン症候群の症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど投与量に留意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 脱分極性筋弛緩剤 • スキサメトニウム塩化物水和物(レラキシン) |
脱分極性筋弛緩剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤が脱分極性筋弛緩剤の代謝を阻害するためと考えられている。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 副交感神経抑制剤 • アトロピン硫酸塩水和物等 |
副交感神経抑制剤は、ムスカリン様作用を隠蔽し、本剤の過剰投与を招くおそれがある。 | 本剤と拮抗する。 |
| コリン作動薬 • アセチルコリン塩化物 ベタネコール塩化物等コリンエステラーゼ阻害薬 • ドネペジル塩酸塩等 |
コリン作用が増強するおそれがある。 | 本剤はコリンエステラーゼを阻害するため、相互に作用が増強する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 下痢(14.8%) | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 気管支分泌の亢進 | 頻度不明 |
| 流涎 | 頻度不明 |
| 流涙 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 縮瞳 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 腹痛(14.1%) | 頻度不明 |
| 腹鳴 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 骨格筋の線維性攣縮 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本薬は、主に神経筋接合部のコリンエステラーゼ活性を可逆的に阻害してアセチルコリンの分解を抑制する結果、間接的にアセチルコリンの作用を増強するとともに、自らもアセチルコリン様作用を呈する。本薬のコリンエステラーゼ阻害作用、アセチルコリン作用増強作用、抗クラーレ作用等はいずれもネオスチグミンより弱く、作用発現は緩徐でより持続的であった5),6)。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人11例にピリドスチグミン臭化物として、60mgを単回経口投与したときの血中半減期は約200分であった1)。また、腎機能障害を有する患者4例に静脈注射したとき、腎機能障害のない患者5例と比べ半減期は約3.4倍に延長し、クリアランス値は約1/4に減少した2)。重症筋無力症患者5例に経口投与したとき、投与後24時間の尿中未変化体総排泄率は2~16%であった3)(外国人における成績)。